第106話 第8章スタート!!リスボン交渉
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1574年6月6日 8:30
ポルトガル首都リスボン
(浅野翔吾ポルトガル・スペイン軍事外交護衛艦隊)
第1空母・織田信包大将
第7艦隊・本多忠勝少将
織田信長
「このテージョ川は首都リスボンの東側を流れているのだが、川幅が1,800mと狭い場所もあるゆえ座礁せぬよう気を付けろ。
もっとも余の転移ですぐに海へ移してやるw操船訓練だなw」
第7艦隊・本多忠勝少将
「それで第1空母は海に待機なのですな。」
「この第7艦隊だけでイージス潜水艦10隻を除き、26隻を川に入れたからな。そもそも縦20,000m横8,000mの空母が入れるスペースでは無いw」
「織田家の空母とは船ではなく島ですなw」
「巨大な島を見て今頃セバスティアン1世も焦っているだろうな。沖縄と台湾を寄越せ等と余に向かって戯言を吐いたガキを、躾てやろうではないかニヤリ」
「躾ですか・・・(汗)」
「国政を蔑ろにし狩猟に耽っておるくせに、モロッコ攻めの戦費捻出で国民に重税を課しているバカガキだ。
伯父のフェリペ2世にも援助を断られ、娘との結婚も延期を言い渡されておる。
放蕩三昧で見限られた役立たず。余が引きずり降ろし織田米・小麦・芋・焼酎・黒糖・漆器や絹織物等をいやと言うほど買って貰おうではないかw」
浅野翔吾
「ではルイス・フロイスを同行させ行って参ります。まずは穏便に交易の話を進めますが、相手が正常な判断力を失ってる場合、武力行使を仕掛けてくるかと。」
信長
「戦車50輌とAPC9を2,000人フルオートで備えておけ。信包の空母からアパッチ100機を飛ばせる。
それを見てもセバスティアンが攻撃してくる愚か者であれば、もはや余の交易構想には不要な人間だ。首級を取ってこい!」
翔吾
「はっ!久しぶりの戦闘になる可能性に心が踊りますw」
本多忠勝
「お待ち下され!皇帝閣下様!某も浅野殿に同行致したく。何卒、御許しのほど御願い申し上げます。」
「平八郎・・・まったくお前と言う奴は・・・しかしまあ良いか。戦艦の上で指示を出すだけでは物足りないのであろう。
たまには陸地で発散させねば、毎朝カツ丼三杯で肥えてしまうからなw許す、行ってこい!」
「はっ!ありがたき幸せ!この御恩は忘れませぬ。では浅野殿参ろうか!」
生き生きとした本多平八郎忠勝。愛用の蜻蛉切を片手に颯爽と転移ルームへと歩いていく。
「指揮官が艦を放り出して敵陣へ行くなど絶体許されないが、まだ26歳の若さだ。暴れたい年頃よwガス抜きも必要だろう。」
ポルトガル軍にとって最も危険な武将、しかも全盛期の忠勝と相対する事になるとは哀れだなぁ。。。
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ポルトガル国王セバスティアン1世(20歳)
「何で突然テージョ川に艦隊が現れるんだ(汗)それにあの島はどういう事だ?
あっ!あれは!Newsで見たゴアの空を飛んでいた鉄の鳥では無いか?日本人か?日本人が攻めてきたのか?」
軍事顧問
「ただいまリスボン中の兵士を緊急収集しております。」
セバスティアン国王の大叔父で枢機卿ドン・エンリケ(62歳)が血相を変えて入室してくる。
「3年も前に日本人奴隷交易中止を命令しておったのに何故リスボンまで、、、セバスティアン国王!何かしたのではないか?」
政務を疎かにする国王の甥に頭を悩ませ、聖職者でありながら摂政を務めていたエンリケの問いに
「ああ。余は国王として日本の王である織田信長に、沖縄と台湾を寄越せと文書を送っただけだ!」
エンリケ
「なっ!なんと愚かな・・・宣戦布告と取られても仕方ないですぞ!」
「ええい摂政の勤めをはたさぬか!此処でごちゃごちゃ言ってないで防衛体制を整えてこい!」
「くそ!空飛ぶ敵に勝てる手段などあるか!ゴアやオスマン帝国の二の舞だ!儂は城門前の守備兵士と対策を練ってくる。軍事顧問!城内の配置は任せたぞ!」
「はっ!摂政殿もお気を付けて。」
エンリケが退室するとセバスティアン1世は、窓から空飛ぶアパッチを睨み付け
「日本人風情が!空から攻撃などと卑怯者どもめが、顧問!あれと川に浮かぶ艦隊に城内全ての大砲を撃ちまくれ!」
「はっ!ですが船はまだしも、高速で飛ぶあれに当てるのは至難の技です。それに外れた砲弾が市街に降り注ぐかと!」
「貴様はバカか!市街も何もリスボンが占領されたらそれで王国は終わりだ。多少の犠牲など当たり前だろう!とっとと指示を出してこい!」
「・・・了解しました!」
『もうダメだなコイツは・・』
諦めた本音を隠しながら退室する軍事顧問。
「ゴアを失ったとはいえ余にはまだ新大陸の植民地がある。ここを凌げば、まだ経済・軍事の復活は可能だ。
空飛ぶハエさえ撃ち落とせば日本人も迂闊に上陸はできぬだろう。」
空飛ぶハエねえ。。。
AH-64Dアパッチ・ロングボウからすると貴方がハエ以下なんだがw
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ズン!またまた城門前に突然現れる織田幕府陸軍兵士達。
浅野翔吾に本多忠勝
黄櫨染スタイルのAPC9部隊2,000人
10式戦車(改)50輌も主砲を城に向けている。
軍用トラックも1輌だけ配置されていた。
ドン・エンリケ
「(汗)なんなんだ・・・空だけでもお手上げなのに、兵士まで上陸済みとは・・・」
「初めまして!某は織田幕府軍交易担当の浅野翔吾と申します。その御尊顔はドン・エンリケ摂政様とお見受けしましたが?」
流暢なポルトガル語で話しかけてくる翔吾を見て
「いかにもエンリケでございます。通訳も交えず見事なポルトガル語を操りますが、どちらで覚えられたのでしょうか?」
『なんて奴だ、、、言葉だけでは無い、儂の事をエンリケと言い当てた(汗)もう丸裸にされておるのか?』
「見事などとお恥ずかしい。ああそうだ!あの者を連れて参れ」
「はっ!」
幕府軍兵士3人がトラックに向かい、中から1人の男を担ぎ上げて来る。
翔吾
「摂政様お返し致しましょう。」
そう言って男の目隠しと手枷を解いてやる。
「おっ!おおおおおおお(涙)」
エンリケ
「むう?宣教師なのか?そなた名は?」
「リスボンだ!あれはマヌエル1世様が建てたベレンの塔!間違い無いリスボンに帰ってきたんだ(号泣)」
エンリケ
「泣いていてばかりでは何も分からぬが・・・」
翔吾
「無理もない11年ぶりですからなあ。ルイス・フロイス殿です。」
「ルイス!もしや日本へ行き4年前から音沙汰が無くなっていたあのルイス・フロイス殿か!」
「他にも熟練の船乗りや水兵等も多数預かっておりますぞ。全員帰国させるために乗せてきたのですが摂政様!戦ではなく取引がしたいのです。」
「取引?・・・冗談は止してほしい。ゴアやオスマン帝国の映像Newsとやらを見た。空と海に川、そのどちらか1つだけでも勝てないのに、この陸上部隊は何なのだ。
兵士達は皆が皆2m前後の大男揃い。比較的小さく見えた浅野殿も、近くで見ればポルトガル兵士と変わらぬ大きさ180cmはありそうだ。
極東の民は皆が小さい者と聞いていたが見ると聞くでは大違い。その火縄の無い銃であろう武器も初めて見る物だ。」
セバスティアン1世と違いエンリケは的確な戦力分析判断をしていた。
「我等に勝ち目は無いことなど一目瞭然……それで取引と言われても……」
翔吾
「実際に商品を見て頂きたく、サンプルを幾つか持参致しました。」
APC9部隊数十人が、トラックからサンプル品全種類を取り出そうとしたその時!
ポルトガル国王親衛隊隊長
「オイ!貴様等なにをしている!誰の許可を得て上陸しているんだ!コラ!!」
あ~あ、浅野翔吾がせっかく穏便に交易交渉を進めようとしているのに……台無しだなこりゃ。
友好的関係性が築けそうなエンリケ摂政がこの場を治める事ができるのか?
無理だと一気に織田幕府軍の殲滅戦になりますが、、、本多忠勝さんが喜んでいます。
また明日。