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喜劇・魔切の渡し  作者: 多谷昇太
第一場 魔切の渡し場
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悪魔との契約

悪魔「婆とはなんだ。ったく、口の悪い天使だな。ま、とにかくよ、その業突く婆がよ、今夜くたばることになってんだ。コロリとな」

天使「そりゃおめえ、おめえが魂の緒を切るからでねえけ」

悪魔「だから……話の腰を折るなって。この俺様に願をかけた分、寿命を断っていいの知ってんだろ?悪魔の当然の権利だ」

天使「ばってん、んだからってはあ、それがあの子となんの関係があるとよ?」

悪魔「今度は博多弁になりやがったな、この方便アラカルト野郎。だからよ、あの子はその婆の講にへえってんだよ、講にな。騙されて。婆の魂なんざあどーでもいいがあの子の魂はピカいちだ。どうでも手に入れてえや。どうだい、手を引いてくれりゃあ婆の魂を進呈するぜ。おめえに」

天使「いらねえや、あんな婆の」

悪魔「(ずっこけて)あ、あのよ。おめえほんとに天使なのか?」

天使「いや、だからつい本音が……神よ、許し給え。アーメン。しかしおめえ、んだからってそれがあの子の、和子の魂まで取っていいことにゃあならねえぞ」

悪魔「野郎……なんであの子の名前知ってるんだ?……あ、わかった。さてはてめえも始めっから目をつけてやがったな、あの子に」

天使「め、目をつけてたなんて……そったらばこと云うもんでねえだ。神様から守護を仰せつかっておりましただ。アーメン」

悪魔「なーにが仰せつかっていただ、アーメンだ。ばかやろ。だけどな、もうおせーよ。婆、つまりあのお米婆の欲深ぶけえ願いを、いままで散々かねーえてやったんだ。その代わりに婆始め会員一同の魂を俺に寄こすってえ条件でな。これが悪魔との契約つーやつだな。てめえだって知ってんだろ?

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