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喜劇・魔切の渡し  作者: 多谷昇太
第一場 魔切の渡し場
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ゴン太と雅男

ゴン太「(小声で)わかってるって。まかせとけ……しかし和子姉ちゃん、いつも綺麗だね。夕日に美人が映えるよ。乙なもんだね」

和子「このやろう……子供のくせになま云ってんじゃねえ。乙って、わかって云ってんのか?おおかた何か魂胆があって云ってんだろ。ダメだよ!お姉ちゃんはあいにく給料前、すっかんぴんだよ」

ゴン太「お姉ちゃんの給料日は毎月25日じゃねえか、今日はまだ10日だい。もうぜんぶ使っちまったのかい?」

和子「あったりめえだい。江戸っ子は宵越しの銭は持たねえんだ。だいたいおまえ、人の給料日なんか覚えやがって、ろくなもんじゃねえな。そんなこっちゃ先はゴキブリ亭主だぞ。男は女にねだらないの。さあさあ、帰ったり帰ったり。お姉ちゃんが送ってってやっから」

ゴン太「ちぇっ、当てがはずれた。帰るぐらい自分で帰れらあ。おい、雅男、行こう」


ゴン太と雅夫、袖まで走って行く。


ゴン太「やーい、三流商事のOL!なにもねだらねえやあ。美人ってえのはウソだぞー!」

雅男「けちーっ。待ってたのにー」

和子「フフフ、おーい、先の団子屋で待ってな。待ってたのに免じておごってやる」

ゴン太、雅男「やったー!!」

ゴン太「和子ねえちゃん、ごめん。じゃ、先に行ってるね」


ゴン太と雅男、走って袖に退場。2人を見送ったあと夕日に目を向ける。

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