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喜劇・魔切の渡し  作者: 多谷昇太
第三場 和子の自宅と通り

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お題目…南無翌檜(あすなろ)大蓄財

チャイムも鳴らさずにいきなり玄関の戸を開けて金子が中に入ってくる。


金子「こんばんはーっ!為子さん、和ちゃん、いるーっ?!」

為子「あら嫌だ、ホントにゴジラが来たわ。(和子に)お前凄いねえ……(玄関に向かいながら)はーい。ただいま」

金子「為子さん、居る?お宅のハゲ……あ、いや、じゃなくってご亭主、良夫さん。さっき電話したのにさ、途中で切りやが……あ、いや、切っちゃってさ。まったく(云いながら勝手に上がり込んで台所へと向かう)」

為子「ちょ、ちょっと……あなたねえ、チャイムぐらい鳴らしてよ。勝手に上がり込んで……」

金子「いいから、いいから。和ちゃん、大変よ。お光様が、お米様が自宅で倒れられたのよ。あたしたち幹部への薫陶中にさ。突然泡を吹いて……うしろにひっくり返っちゃったのよ。もうあたしたちびっくりしてさ、急いで救急車呼んで矢切の渡し病院に担ぎ込んだの」

和子「えーっ?ホントですか?!」

金子「ええ、ホントもホント。お光様、あなたに目を掛けて可愛がっていらしたからねえ、あたし、取り敢えずあなたにだけは連絡して病院に来てもらおうと思って……」

為子「か、金子さん、ダメよ。急にそんなこと云われても。こんな時間にさ……そんなことしたらうちの主人が黙ってないから。ね?」

金子「なーに云ってんのよ!為子さん!信心よ、信心。こんな時こそあなたの信心が試されてるのよ!あなたも一緒に来なさいよ!(合掌してお題目を唱える)南無翌檜あすなろ大蓄財、南無翌檜あすなろ大蓄財……いいわね?!」

為子「ちょ、ちょっと、もう少し小さい声で話してよ。奥で主人が寝てるんだから。それにさ、あんたがご利益があるって、お金が儲かるって云うからあたし入信したのよ。それなのにまだちっともご利益いただいてないじゃない。いったいどーなってんの?」

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