人が勝手に寄ってくる~人はそれを人望と呼ぶ~
【よぉっしおまえら誰に投票するか決めたか?今からゲートの開放を行う、脱落者の皆は投票したいやつの元に集まれ!開放!】
始まったぞ。うわぁ、砂糖を求めて群がるアリみたいだな。なるかあるよね?はちみつとか砂糖とかチョコとか並べてどれが人気あるか見るやつ、アリさん好物ダービー的な?それと同じような光景だよね。
「彩雫くんそれはちょっと可愛そう、いくら脱落者と言っても……」
「忘れがちだけどここにいる人みんな、僕達からしたら天上人だからね?」
「それなー、まーせれあっちの方がすごいらしいし?その友達のうちらも張り合えるっしょ」
おじいちゃんの偉業で張り合うな。そもそも張り合うことでもないけどな。
【続々と集まっていく!現在目に見えて人気なのは首相だぁ!残り4人、あれ1人見当たらないがあとはまばらに集まっているぞ!】
「やっぱ強いな」
「人気あるし、多少の性格の悪さをものともしないカリスマ性があるからね」
「でも、カリスマ性なら杏華だって!」
【おーっと、杏華選手の元に人が集まっていくぞ!一体何があったんだ?】
『うぉぉおおおおお嬢ちゃんなら勝てる!僕は嬢ちゃんを応援するぞ!』
『ん、修一。ありがと』
『お、おい、修一が応援してるぞ?』
『一体なぜ?』
『お、聞きたいか?!わかった!嬢ちゃんは、僕と同じ、いや僕よりも熱く燃えるような魂を持ってる!先頭からずっと見ていたが、素晴らしいものだった!感動した!』
『修一さん以上?にわかには信じがたい』
『修一さんの言うことは本当だぜ?俺も嬢ちゃんには崖越えで助けてもらったからなぁ』
お、ヤの人だ!
『まさかあの裏世界で恐れられている不死身の虎が助けられただと?そんなことありえるのか?』
『別に信じられねぇってなら別に信じる必要もないが俺は嬢ちゃんに投票するぜ』
『虎さんの言ってることは本当だ。ついつい俺も感化されちまった』
この人は丸太から落ちかけた杏華とヤの人を助けてくれた人!
『でゅふ、私もついつい手助けしてしまいました』
『そうそう、でゅふふ』
『でゅふふふ、ここまで残るとは流石ですな』
『でゅふ、私も鼻高々でゅふ』
『いやいや、椎名殿なら何とかなったのでは?でゅふ』
『でゅふ、違いないですな』
『『『『でゅふふふ』』』』
『なんだ、この太ったおっさんは?』
『馬鹿者!言葉遣いに気をつけろ!この方々は美食四天王にしてこのイベントの企画者だぞ?!』
壁越えで助けてくれた紳士モブおじ!まさか元凶だったのか!しかも美食四天王ってとりこかよ。釘パンチするのか?
『皆、ありがと』
『嬢ちゃんには期待してんだ』
『でゅふ、そうですよ』
【何と何と!椎名選手のもとに続々と著名人が集まってくるぞ?!】
【錚々たる面子に流されて投票先を変える人まで出てきたわね】
『僕のことを忘れてもらっちゃ困るよ。凡人はすぐ風に吹かれたタンポポの種のように流される、自分の意思はどこにもないから困る。でも、今回はその性質を利用させてもらうよ?』
『剣持選手、ありがとう』
剣持選手まで……ライバル勢揃いだな。
『応援するのは癪だけど、一時休戦といこうか。君が僕以外に負けたら僕も負けたことになるからね』
『まじかよ、あの滅多にデレないというツンツンツンデレがデレているだ、と?』
『一体あの少女に何が隠されているというのだ?』
『囁く、私の培ってきた未来視のスキルが応援するべきだと!』
普段人を褒めることのない人が褒める。これほど説得力のあるものはないだろ。ゲーマーとはいえインフルエンサーだ、民衆の動かし方に長けてるだろうし分かっていて剣持選手もやってるんだろうな。
【どんどんと人が増えていくぞ!トップを走っていた首相に追いつくのか?!】
【それに比べて他の3人は死んでるわね】
【居なくはないことからも人望はうかがえるが……やはり人の流れは2つ、これがカリスマ性の差か!】
『わしも嬢ちゃんに投票するでぇ!』
『マドモワゼル、さっきぶりですね。もちろん私も投票を……一番のファンですからね』
『何言っとるんじゃ?わしが嬢ちゃんの一番のファンに決まっとるでぇ!』
『あぁ?一番のファンは俺に決まってるだろ?最初に目を付けたのは俺だ』
【おっと?椎名選手の周りが騒がしいぞ?】
【どうやらけんかしているみたいね】
【WHY?なぜ!一応仲間だろう?!】
『ふん、そんな争いに意味なんてないよ。僕が勝つからね』
『そんなの分かんねぇだろうがよ』
『彼女は僕のファンだ、負ける理由がない』
『っぐ』
『はっは!そんなの誰でもいいじゃないか!こんなに多くの人が椎名選手を応援するために集まっている!僕はそれがとても嬉しいよ!』
【まとまったな?暴力沙汰になったら止められるか不安だったが、これで安心だ!】
【あら、それはそれで中々面白そうな展開になりそうじゃない】
【それでいいならいいんですがね?】
杏華も巻き込まれそうだし……いや、絶対なるし、ケガをする可能性もあったわけだからけんかにならなくてよかったよかった。
「ねぇ彩雫くん。杏華勝てるよね?」
「流れはあるし、勝てるはずだ」
「まぁ、最悪首相なら負けてもそこまで悪いことにはならなさそうけど……」
「勝ってほしいに決まってるっしょ!あの首相カリスマはあってもやっぱしいなっちの方がせれあっちには合ってるし!」
「ま、そうだな。やっぱ、最善を目指さないとだろ。杏華はそのつもりだし俺らも友達として見習わないと」
俺の相棒が負けるわけがない。心ではそう分かっている。が、結果発表はもうすぐなわけで、この勝負次第ですべてが決まるとなると、緊張するものがある。
【終了!首相と椎名選手にいい具合に分かれたな!脱落者のみんなは動くなよ?今から結果発表だ!と言っても目で見てなんとなくわかるだろうがな!】
【そうねぇ、3人は残念だったわね。1人は相変わらずどこにいるのかわからないけど】
【というわけで任地堂選手、雪ましゅまろ選手、遠藤選手の3人は数えるまでもなくリタイアだ!】
大体だが、任地堂選手が90人、雪ましゅまろ選手が15人、遠藤選手は不明……おそらく0人。つまり、残りの900人のうち450人以上の投票を得られれば勝ちってことだな。
【それじゃ玉入れ方式で結果発表だ!】
【うーん?】
【お?どうしました?】
【それじゃあ面白くないわよね……いい具合に分かれたことだし、そうね、こうしましょう!最後の決着は騎馬戦で決めるわ!】




