最善の方法
「え、そのセントレア争奪バトルロワイヤルってのは何?」
「セントレアちゃんにふさわしい男を決める戦よぉ」
「もしかして、社交界に出てる人、全員馬鹿?」
「今回に限っては否定できないわね」
仮にも日本を支えているような人たちがそろいもそろって何やってんだ?いや、この場合は傾国の美女ともいえるセントレアが悪いのか?どうせ、いろんな人に俺らと絡むような感じで言ったんだろうな。そりゃ男ならころりと言ってもおかしくはない。おかしくはないけど……馬鹿なの?
「でもさー、そんなの一条家とーハニーさんがいたら止められるっしょ?」
「普通なら止められるのだけどねぇ……私達が気が付いた時にはもう凄い規模になっていたのよぉ。違法性もないのに止めるのはとても難しくて、色々と犠牲にすれば止められないこともないんだけど」
「セントレアが望まなさそうかも」
「でしょう?それに私たちの中で一般的に考えるとイベント自体は令嬢としては名誉なものだし、セントレアちゃんの将来を考えたときにも悪いことはないのよぉ。個人的には止めたいところなのだけどねぇ?」
ふむ、確かにそのイベントを超えた男となれば箔は尽くし、悪い男を一番にするようなルールにはならないはずだし、セントレアにとっても悪い話じゃないか。
「セントレアは、自分の感情で、止められない」
「そうなのよぉ、セントレアちゃん皆に自分から言わないだろうし一応言っておこうと思ってねぇ?」
なるほどな……ったく、セントレアも言ってくれればよかったのにな。
「でも、ハニーさんたちでもどうしようもないなら僕たちが出来ることなんてないんじゃないの?」
「正直、私は縛られるものが多すぎるの。そ・れ・に!私はそんなことないと思ってるわよぉ?友達だから出来ることもあるじゃない」
「それは同意するけどさ、セントレアに寄り添うとかしか出来ることないぞ?」
「私もあまり力になれないかも」
「てかさー優勝者が釣り合ってるってだけで別に絶対婚約しないといけないわけじゃないっしょ?」
「確かに。何なら付き合うだけ付き合って合わなければ別れればいいだろ?それならセントレアだってこの機会を無駄にしないし」
「彩雫くん、そういうわけには行かなくて」
「そうなのよねぇ、優勝したらセントレアちゃんと婚約。もうそう認識されちゃってるからそれを無碍にすることは難しいのよ。社交の場だと口約束であっても破ってはならないという認識があるくらいだら、優勝者と婚約することは確定だと思うわぁ」
「つまり、別れるとセントレアがバツイチになるうえ外聞が悪いと……」
「……セントレアがバツイチはまだいいかもだけど、外聞が悪くなると実家にも迷惑掛かるしセントレアはやらないかも」
だよなぁ。セントレアがバツイチになるのはいいけど、セントレアが望まないことを俺らがやるのもな。やるなら最終手段だ。
「まとめると、セントレア争奪バトルロワイヤルが開催されて優勝者がセントレアと婚約することになる
、セントレアは容認、開催中止はできない、ばっくれることも出来ないって感じかな?」
「いや、どうしようもなくね?」
「このままにしておくわけにもいかないし?まじどうするっしょ」
「セントレア、好きじゃない人と結婚なんてかわいそうに……私と彩雫くんがセントレアの分までいちゃいちゃするからね?」
「百合、諦めるのは、早い」
「でも、どうしようもないと思うんだけど、何か方法があるの?」
「ある。簡単なこと……セントレア争奪バトルロワイヤル、出て、優勝する」
た、確かにそれが出来ればいいんだけど。
「俺らが出て優勝できるのか?」
「彩雫くん?!せ、セントレアと婚約?!」
「いやいや、勝てさえすればこっちのもんだろ。出場だけして力を合わせて勝ち残れば問題ない」
「むぅ、セントレアのためだししょうがない」
でも、そんなことできるか?
「その案はやめておいた方がいいと思うわよぉ?優勝したら本当にセントレアちゃんと婚約、そのまま結婚することになるわねぇ、多くの人にその後も注目されることになるから普通の生活送れなくなる可能性もあるわねぇ。それこそ彩雫くんが優勝しちゃったら百合ちゃんと会えなくなるかも……」
「なら、俺は出れないか」
「彩雫くん……」
「ってわけであとは楓だけど」
「友達のためだし出てもいいんだけど、やっぱり婚約となると、もう少し色々考えたいかな」
だよなぁ。じゃあ、この案もきついか。
「?どうして、諦めてるの?私が、出る」
え、杏華が?
「女同士でも、結婚できる。それに、私以上に、セントレアを、幸せにできる、人はいない」
あ、相棒がかっこよすぎる。
「うふっ、確かにそうかもしれないわねぇ。杏華ちゃんなら安心して託せるわぁ」
「……え?いやいや、しいなっち正気?だって結婚だよ?しかも普通の生活送れなくなるかもって」
「それに、杏華少し前まで」
「それ以上、言わなくていい、大丈夫」
「……杏華が言うならいいんだけど」
本当に杏華がセントレア争奪バトルロワイヤルに出るのか……この堂々とした姿を見ていると任せておけばすべて解決してくれそうな安心感がある。
「そもそも、僕たちが参加できるの?」
「そうですわねぇ、普通だったら無理でしょうねぇ」
「でも、ハニーさんと、サトウさん、なら、ねじ込めるはず」
「出来る出来ないで言えば出来るわよぉ……杏華ちゃん本当にいいのね?」
「うん、任せて」
「こうなった杏華ちゃんは止められないわよねぇ。それに私も杏華ちゃんならどうにかしてくれるって確信が持てるわぁ。私見る目すごくいいのよぉ?」
「救世主ともいわれるハニーさんがそこまで言うなら安心できそうだね、僕の出る幕はなかったかな」
「でも、結局優勝しないと駄目っしょ?なら、皆で参加して杏華のアシストするなりして確率上げたほうがいいんじゃね?」
確かにな……いや、でも考えることはみんな同じなんじゃないか?ならむしろ俺たちに不利になりうる?
「そうねぇ、皆が思ってる通りよ、優勝させるためにアシストするのは誰もが考えること、だからルールで厳しく制限されてるわぁ。そもそもこのイベントはセントレアちゃんにふさわしい人を見つけるためのものよぉ?主催者サイドもそんなのは好ましく思わないわよねぇ」
「うん、そもそも、そんなことが許されるなら資金力で私達じゃ勝てないから」
お金で人を雇えばいいもんな。それじゃあまともな勝負にはならないし、イベントとして見たら失敗と言えるだろう。
「大丈夫、他の、セントレアのこと見えてない人には、絶対負けない。断言する」
「相棒が言うならそうなんだろうな」
「ん、任せて。もしものときは、駆け落ちする。そしたら、実家にも、迷惑掛からない」
「うん、駆け落ちはいい物だしそれなら安心かも……私も彩雫くんと駆け落ちしてみたいな」
「どんな時だって駆け落ちは最終手段なんだからやらないに限ったことはないぞ?」
俺らに限っては絶対そんなの必要ないだろ。もう両親も公認なんだから。
「うふふ、でもこれで安心ねぇ。やっぱりあなたたちに相談してよかったわぁ」
まぁ、あなたたちというか杏華のおかげだけどね?俺の相棒頼りになりすぎだろ。




