ぐらんどぶるー
「さて、そろそろ最後のプランやりますわよ」
「だな、結構やったし」
最初は結構厳しめだったみたいで2回目3回目はスピードも動きも抑えめだった。それはそれで、海風を浴びながら気持ちよく話せたから面白かった。そのあとは……地獄コースもやったけど全然残れなかった。結局セントレアと百合が強かったな、時点で鳳花。それ以外は……もやしだからしょうがない。
バナナボートはそんな感じだったな。あとは、ウォーターボール?とかいうでっかいボールの浮き輪に入って遊んだり、ジェットで海の上を飛ぶフライボードやったり、水上バイクで引っ張られながらバランスをとる海のスノーボード見たいなウェイクボードをやった。流石にもう満足だな。
「んでー何やるん?」
「この旅行最後を飾るのは、ダイビング!ですわ」
いいねぇ。俺ダイビング好きなんだよなぁ。両親に連れられて行ったことあるけど普段見られない景色が最高だった。
「分かってるんだけどさ、一応確認なんだけど……僕の記憶の限りだとダイビングのインストラクターって資格が必要だったと思うんだけど?」
そういや、アニメで見たな。伊豆のやつね?全裸実写めっちゃよかったわ。
「もちろんセバスが持ってますわよ?わたくしも持ってますし安心してくださいですわ。」
「ん、安定の、セバスさん」
一家に一台セバスさんだな。うん、いつもの。
「いやー面白かったな」
さかながきれいダッタナー。
「まだ準備終わっただけだよね?!」
「ん、場面変わるときの、テンプレ」
相棒がいてくれるおかげで自分のボケを自分で説明しなくて済んだ。ありがとう。そして楓、ナイスツッコミだ。流石親友。
楓が言った通り準備が終わって船でポイントに付いたところだ。その準備が結構長くてだな。やっぱり命の危険がないわけじゃないからレクチャー受けてたわけよ。
「意外と装備が重い……」
「いろんな装置を付けないと危ないからな。ま、海に入ったら軽くなるから」
「ですわ、それじゃあ行きますわよ?レクチャー通りに耳抜きしてくださいまし?」
「耳抜きして空気を抜いてから、ゆっくりと足から飛び込む!」
『バシャン』
おぉ、こりゃ凄いな。至る所を魚が泳いでる。っと、セバスさんの方に向かわないとだな。
上からどんどんと飛び込んでくる。そして最後にセントレアが飛び込んで全員揃う。
『皆さま大丈夫そうですか?』
『ん、大丈夫』
『すげぇ本当に喋れるんだな』
『最新技術で練習等せずとも喋れますわ』
こりゃいいな。前のダイビングの時は意思疎通するためには身振り手振りするしかなかったからな。インストラクターの方は簡単な言葉はしゃべってたけど、それも難しいし、こういう機械は助かる。
『それでは下に参りますよ、着いてきてください』
『うおーめっちゃきれいだな』
『彩雫くん、サンゴ!』
『沖縄とかじゃなくても見れるんだな』
『見れますわよ、地球温暖化の影響ですのでいいことかと言われると難しい所ですが奇麗でいいですわよね』
うん、ダイビングするなら最高だ。
『ん、ニモ、いる』
『おーまじじゃん。イソギンチャクに隠れててまじかわ!』
『俺も見たい、どこどこ』
移動にも慣れてきたな。お、これね?ほんとだ、ひょこって顔出しててかわいいな。
『あっちには群れがいるね、ルリスズメダイかな』
『きれいな青色で美しいですわね……』
上で海遊びしているときはどこにでもあるような海だったけど潜ると世界が変わる。何事も正面上だけ見てたら何もわからない。深くまで潜ってこそわかることがあるってことだな。深くまで潜ったからこそ、こうして旅行に来れてるわけだしな?
『正直潜るまでは少し怖かったけど、潜ってよかった』
『だな』
『ナマコだ。ここをこうすると』
『あっはっは、とびだすなかみじゃーん。しかもめっちゃ固くなってしー』
『ちょっと、かわいそう』
『大丈夫、再生するからね』
『つまり、ぽけもんでいう特性、とびだすなかみ、技構成はじこさいせい、かたくなる確定、害悪戦法?』
『そういうことだね』
強くはないけどうざい奴な?
『百合、あそこのピンクの魚とかめっちゃ可愛くない?』
『可愛い、あっ、あそこの細い奴も!』
『本当だ』
めっちゃ楽しい。ダイビング好きな人は無言のコミュニケーションが好きかもしれないけど、初心者からするとしゃべることで楽しみを共有できるの嬉しいな。
『皆さん下をよく見られますが、私のおすすめは上になります』
上?確かに下ばかりに気を取られてたな。どれ……
『おぉー!めっちゃ神々しいな』
『うん、色んな種類のさかなが水面で乱反射する光の筋を浴びてキラキラしてる』
『なんか、浄化されそうだね』
『お前は浄化されても文句言えないだろ、一旦浄化されて綺麗な楓になれよ』
『僕が綺麗になるのは劇場版だけって決めてるから』
『ジャイアンかよ』
前にダイビングした時も感動した記憶はあるけど、やっぱり何度観ても感動するものは感動する。それに今回は友達と一緒に感動を共有……いや、共鳴してるからより感動する。
『見れてよかったな』
『うん』
~~~~~
「いやー楽しかったな」
「うん、いい経験が出来た」
「だね、僕も今度資格取ろうかな。もうちょっと深くまで潜ってみたいし」
「いいですわね。お教えしますわよ?」
確かにそれもいいかもな。語れることは多くはないし時間もそう長くはないけど、体験した人ならわかる。人生観が変わるような経験だ。海は俺らを包み込んでくれる。これが、母?
「いやーいい締めになったっしょ」
「ん、凄い楽しかった」
「また来たいな、全員で」
「……ですわね」
中々にぎっしりと詰まった2日間だった。ラノベにしたら1冊じゃ収まらないかもな。
「色々やったな」
「ん、最初はリムジン、すごかった」
「そんでーなんか一条ガールズコレクションしてからー海行って、水泳対決して?そんでーさいだっちがゆりっちに負けて、皆名前呼びすることになったっしょ」
「海で遊んで、スイカ割りもしたね」
「ん、そのあとはARサバゲー、楽しかった」
「そのあとはお風呂入ってバーベキューをしましたわね」
「そんで、今日はまた海で遊んでダイビングと」
「彩雫くんが告白もしてくれた」
改めて考えると色々したな。全部楽しかったいい思い出だ。
……百合とも付き合えたしな?
「これで彩雫もリア充の仲間入りだね」
「ん、陰キャ同盟解散」
「いやいや、海に旅行に来てはしゃぐなんて陰キャのやることじゃないでしょ、全員で卒業だよ」
「いやー楽しむのに陰キャ陽キャ関係ない気がするし?」
「それもそうだな」
陰キャ陽キャって括りわかりやすいけどあまり良くないよね。なんか自分で壁作っちゃう感じ?楽しいことしたいっていう本質はみんな変わらないのにな。
「正直またチキるかもって思ってたけど、まーひと安心って感じ?」
「私は彩雫くんを信じてた!」
「僕も信じてたよ?」
「私の方が信じてた!」
「いーや、僕だね。八重さんはまだちょっと付き合いが短いかな」
「付き合いの長さなんて関係ない!どれだけ通じ合ってるかだもん!ね、彩雫くん?」
「通じ合ってるか、なら、相棒が一番」
……どれ肯定しても地獄じゃね?ハーレム系主人公かよ。難しいもんだな。というか、楓と百合にはバレてそうだな。俺が近く告白を考えてたことを。だからそれを察してその場を整えてくれたんだろうな。
「はぁ、本当におせっかいな奴らだよ」
「うん?それは自分のこと言ってるの?」
確かに俺もおせっかいか。無駄に人のこと考えてる自覚はあるからな。ま、そのおせっかいのおかげではあるから感謝してるよ。
「それで、結局だれが一番なの?彩雫くん私だよね?」
……さて、帰るか。
当初の想定以上に長引いてしまったため大幅カットしたので、すこし消化不足ですがこれにて旅行回は終わりになります。




