身バレには気を付けよう
「これ、ソーダ達?」
「あらぁ?セントレアちゃんもいるわねぇ……それにその装備、見覚えあるわねぇ」
「あら、ばれてしまいましたの?」
「ま、SNSでもだいぶ伸びてるみたいだしな。ななこさんのやつ海外でもバズったのか4桁万見られてたし」
「ソーダ、意外と、かっこいい、じゃん。ゲームばかりだし、豚系ソーダかと思ってた」
「がっはっは、豚系ソーダかァ!いい名前じゃねぇか!」
「絶対リアルで使うなよ?!」
「大丈夫ですわ!使うとしてもゲームの中だけですわ」
それも辞めて欲しいんだけど。てか、せめて豚系じゃないソーダにしてくれない?
「というか、今更だけど、セントレアと一緒にコスプレするならどうしても身バレは避けられないよな」
「まぁ俺は顔隠れてるから全然身バレしてねぇけどな!」
「ななこちゃんとは別の所で、『ゴリラ装備の子、ヘルム取ったらギャップ萌え』って盛り上がってるわよぉ?ほら」
「ほんとだ、アプリコットがこんな可愛かったなんて……なんで、ネナベ、それもガチムチ漢気キャラ?」
「う、うう。そ、それはかっこいいし」
「おーいロールプレイ崩れてるぞ」
「あ、そりゃあ俺がかっこいいからに決まってんだろぉ?」
ま、それはリアルでもそうなんだけどね?椎名さんは誰よりもアプリコットなのは間違いない。
「なんにせよ、バレちゃったもんはしゃあない」
「そうねぇ、でも、どうせ私もサトウちゃんもセントレアちゃんとは定期的にリアルで会ってるしバレても問題ないわよぉ?」
「ん、でも、確かに、こっちだけ一方的に知ってるっていうのも、気が引ける」
「つまり、ですわ?」
「ん、オフ会、やってもいい。と言うか、楽しそうで、我慢できなくなった」
「やったぁ、ですわ!」
まじか、コスプレをしただけなのに意外な方向に転んで行ったな。ついに秘密のヴェールに包まれていた筋肉オネェことハニーさんと無口イケメンことサトウさんのリアルが明らかになるのか……。ちょっと怖いな。
「でもいいのかぁ?あんだけリアルを避けてたのによぉ?」
「過ぎたるは及ばざるが如し、たまに青春を聞くくらいなら微笑ましく見れていたわよぉ?でも、アプリコットちゃんも、ソーダちゃんも、セントレアちゃんもみんないい子で、純粋で、とても無邪気に、楽しんでいる……そうするとねぇ、どうしても羨ましくなって「私も混ざれるかも?」なんて、考えちゃうの!」
「ん、わかる。正直この喋り方だと喋りにくいのよ」
「ネタバレは禁止ですわ!」
「……喋りにくい?むしろ、喋り、易いのに?」
女性って確定しちゃったけどね?まぁ、分かってたからそれはいいんですけど、全然ベールに包まれてなかったからな。
あと、無駄にダメージ負ってる人いるから。もうロールプレイぐっちゃぐちゃだよ。いかんせん椎名さんとサトウさんの口調が同じなのが分かりにくい。もしこれがラノベ化したらごめんね?見にくくて!
「でも、この、清楚そうな子と、ギャルっぽい子とも、会ってみたかった。ソーダとアプリコットの、話を聞いてて気になってた」
楓のことも忘れないで上げて……多分楓について話したこともあるし、その写真にも楓映ってるでしょ?
「それにしても、この写真、何?ソーダ、ハーレム?なの?」
「確かに鳳花ちゃん、百合ちゃん、セントレアと美少女に囲まれてて、傍から見てたら爆ぜろってのは思うよなァ」
「……アプリコットちゃんも大概だと思うけどねぇ」
それはそうだな。椎名さんだってファンは多いんだから。というか、俺がハーレム野郎扱いなのはよくない。
「俺が、ハーレム野郎に見えます?」
「見えない、けど、そういう人の方が、怪しい」
「分かりますけどね?セントレアもなんか言ってくれよ」
「別にいいじゃありませんの!」
「よくないが?セントレアの実家的にも問題あるでしょ?!」
「そうですわね、流石に側室だと問題がありますので、事実は置いておいて、他の方には申し訳ありませんが正室にしてもらわないといけないですわ」
「そうねよねぇ、一条だと要らない噂が立ってしまう可能性があるのがめんどくさいわよねぇ」
いや、問題はそこじゃないだろ?
「実際周りから見たらそう見えてんだァ。そもそも、少なからず皆お前に対して好意を持ってんだからなおさらそう見えるに決まってんだろオ?」
「ですわねぇ、好きですわよ?」
「やっぱり、ハーレム」
「ソーダ、許せねぇよなァ?百合ちゃんだけではくセントレアまで……」
「この扱いである」
俺泣いていいかな?結構誠実な行動してると思うよ俺?いやね、確かに他の人から見たらハーレムに見えるかもだし、キープしてるくそ野郎に見えるかもだが、俺だって頑張ってるんだぞ?
「はぁ、萎えたわー、落ちるわ」
「あら?今日はちょっと早いわねぇ」
「まぁ、楓も高宮さんもいるからな……」
「……ソーダ、そういうことは、早く言う。ゲームなんてやってる場合じゃないでしょ?」
「俺もそう思うんだけど、それはそれで気を使わせるみたいだから、少しだけな」
「そういうことねぇ、仲がいいからこそ、相手のことわかっちゃうのねぇ。アプリコットちゃんとセントレアちゃんは一緒に遊ばないの?」
「うぅ、わたくしは本日実家の方にいるのですわ……」
「俺は今日、叔母と叔父の家に行っててなァ。ま、時間が空いたからインしてるってわけよ」
俺だって友達が来てるのに普通に無視して自分だけでやるゲームしないぞ?
「そういうことなんで、落ちます、じゃ、お疲れ様です」
「「「「おつ!」」」
「それで、杏華さん、色々と吹っ切れたように見えましたけど……もう大丈夫ですの?」
「うん、大丈夫」
「本当ですの?色々と抱えているように見えましたわ。もし、悩み事があるのでしたらどうぞわたくしの胸を……」
「ありがと、セントレア。本当に大丈夫。でも、今度胸は借りる」
「存分にどうぞ、ですわ。わたくしはアプリコットの、ソーダのリーダーですわ!」
「ん、頼りにしてる……っし、じゃあ俺も落ちるとするかなァ、親孝行しねぇとなァ」
「わたくしも落ちますわ。乙ですわ」
「「「おつ」」」
「青春ねぇ」
「うん、ソーダも中々うまくやっているようで安心した」
「難儀な子よねぇ、楽しむことに全力だからこそ、楽しませることにも全力。それでいて鈍感系ってわけでもないから」
「色々考えてる、単純な頭してるくせに」
「そこが彼のいい所なのよねぇ。でも、今回のアプリコットちゃんの思いにはやっぱり単純だから気が付いてなさそうなのよねぇ」
「本当に、難儀な子。アプリコットはアプリコットでまた、難儀してたみたいだし」
「でも流石はアプリコットちゃんねぇ。ソーダちゃんへの気持ちに気が付いたみたいだけど……すぐに自己解決しちゃうんだもの」
「やっぱりアプリコットは、漢気あるから……」
「となると、ソーダは時間が解決するだろうし、現状やっぱり一番問題があるのは、セントレアちゃんよねぇ……」
「ん、でも、昔と比べるとマシになった」
「そうねぇ、昔の学校の時はセントレアちゃん変わってるから、友達も出来なかったみたいだけど、ソーダちゃんたちと会って変わるかもって思ってたけど、むしろ悪化したわねぇ」
「それほどまでに、今の楽しい環境を崩したくないってこと」
「セントレアちゃん、自分のことはすぐ後回しにしちゃうからねぇ」
「今度、セントレア争奪バトルロワイヤルがあること知ってるの?」
「そんな名称じゃないわよねぇ?!」
「同じようなもの、セントレアに釣り合う男性は誰か決める大会」
「……不遇よねぇ気が付いたらどこかで話が大きくなっていて、参加したいという人が多くいる状態。セントレアちゃんが断れるわけがないわよねぇ」
「……最終決定権はセントレアにあるみたいだけど」
「セントレアちゃん断れるかしらねぇ……」
「なんで、友達はいないのにこんなにモテてるのか……一条って大きすぎて逆に敬遠されてなかった?」
「セントレアちゃんの人徳がなせる業よねぇ」
「本当にどうしようかしらねぇ……」
おかしい……プロット上ではハニーさんとサトウさんはリアルで合わないミステリアスなキャラクターにしようとしていたのに、どうしてこうなった?プロットが、プロットが機能していません!!




