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椎名杏華の休日

椎名杏華視点

「ふぅ、ようやくクリアできた」


結構昔のギャルゲーだったけど、流石名作なだけあって面白かった。登場人物がお嬢様、和風美人、ギャルなのも、最近仲良くなった人たちと重なるところが合って少し考えさせられた。主人公もオタクタイプで、その親友はチャラいけどとても優しい。これもあの2人に重なった。


「ふー、ゲームの後のお水は美味しい」


「あら、杏華。朝からゲーム?相変わらずねぇ」


「やりたいゲームいっぱいあるから夏休みと言えど朝からやらないと」


「全く、友人と遊びには行かないの?「友達出来た!」ってはしゃいでたのは誰だっけ?」


「毎日会うようなものでもないじゃん」


三矢くんの家行けば遊べるだろうけど、多分百合ちゃんがいるだろうし……あの2人の邪魔はしたくない。鳳花ちゃんは忙しそうだし、セントレアもやることがあるって言ってた。ゲームでたまに話すくらいしかしていないけど、予定が合わないならしょうがない。


「とか言って寂しそうなくせに」


「ほっといて」


「昔から変わらないわね、積極的に行きなさいな。夏なんだし海とか誘ってみたらいいじゃない」


「……うん」


さっきやったゲームでもみんなで海に行って、楽しそうだった。でも、そこに私に似たキャラクターがいないことに一抹の不安を感じて……なんて、ネガティブに考えるのはよくない、三矢くんから学んだこと。そう、不安になることなんかない。でも、このままじゃ良くない。主人公は過去友達が居なかった。でも、自分を変えてハーレムを築いた。私も変わらなくちゃいけない。


「ほら、あんた、水着持ってないでしょ?お小遣い上げるから水着とついでにおしゃれな洋服でも買ってきなさいな。いっつもジャージじゃない、たまにはおしゃれしなさい」


「……うん、ありがと」


「あら、今日はやけに素直じゃない」


「このままじゃ良くないのは分かってるから」


「はぁ、なら誘えばいいのに。この子は変なところで頑固なんだから」




~~~~~




「う、人が、多い」


平日だと思って油断してた。


「えっと、まずは服買わないと」


うーん、どこで買えばいいのかわからない。改めて考えてみると、自分で自分の服選ぶの初めてかも。ファッションは好きだけど、自分を対象としていなかったから、お店の名前は分かっても自分に似合うかどうか全然わからない。


「百合ちゃんとか、セントレアのような、スタイルだったら、なんでも着れるのに」


私の身長にあう服は少ない。というより、この身長のくせに無駄に胸があるから合う服が限られる。ふふ、こんな事言ったら百合ちゃんに怒られそうだけど。


「うーん、どうしよ、下手に入ると、店員さんのしゃべりかける攻撃が、痛いし」


外から何となく自分に合う服を見つける必要がある。つまり、


「潜入ミッション、外からターゲットを認識して、狙撃、そして鍵とかを奪う系」


ならやることは一つ、気配を消そう。そして品定め……


「あ、あの服可愛くてかっこいい、鳳花ちゃんに似合いそう。」


「これは、セントレア」


「あれは百合ちゃん」


だめだ……私に似合うのって何だろう。難しい。男物の方が……いや、でも流石にお母さんに怒られそう。


「この後どうするか、そろそろ飯でも食べる?そういえば前に高宮さんがここの鈴木のハンバーグ美味いって言ってなかった?」


うん?この声、それに……


「高宮さん……?」


あ、三矢くんと百合ちゃん。


「ん?椎名さんじゃん。どしたの?」


まさか、たまたま出かけた日に同じく引きこもりの三矢くんと出会うとは。あまり、期間は開いてないはずなのに久しぶりに会ったかのような喜びがある。でも、百合ちゃんと、デートなのかな……だったら、私、邪魔しちゃったかな?なら、申し訳ない。


「杏華1人?」


「ちょっと、お母さんに、洋服買いに行きなさいって言われて」


「ブルータス、お前もか……」


「お前もかってことは、三矢くん、も?」


凄い偶然。やっぱり、相棒。言わなくても思った事はわかるし行動も似てくるのかも。


「あぁ、どうよ?この格好。八重さんにコーディネートしてもらったんだけど」


言われて見たらいつもはアニメのコラボTシャツとかなのに今日はちゃんとした格好をしていて、今までは友達として、相棒として見ていたのに不覚にもドキっとしちゃった。三矢くん元はかっこいいから、百合ちゃんの完璧なコーディネートが合ったら無敵かも。


「かっこいい」


つい言ってしまったけど……ちょっと恥ずかしいかも。


「やっぱ?椎名さんにそう言ってもらえると嬉しいな」


でも、やっぱり百合ちゃんのファッションセンスはすごい。いつもはあんなにダサいのにこんな……かっこよくなるんだから。


「流石、百合ちゃん。だ彩雫(ダサいだ)が、かっこよく見える、なんて」


「杏華ちゃんありがとう!」


「そうだ、椎名さんご飯食べた?」


そういえば、まだ食べていなかった。


「高宮さんオススメのハンバーグ屋があるんだけど椎名さんも一緒に行かない?」


「いいの?」


「もちろん、な、八重さん」


「うん!一緒に行こ?そっちの方が楽しいもん」


デートの邪魔じゃないかなって思ったけど、そういってもらえると、すごく嬉しい。


でも、やっぱり誘われ待ちだったし、頑張らないと……




~~~~~




「ふぅ、美味かったな」


「うん!」


「今度は、鳳花ちゃんとセントレアも誘って、来たい」


「楓も忘れてやるなよ?意外とさみしがり屋だからあとで拗ねてめんどくさいぞ」


ハンバーグ美味しかった。鈴木くんがいるのは想定外だったけど。でも、楽しかった。鈴木くん、あと田中くんと佐藤くんのサッカー部3人。ちょっと前まで苦手だったけど、三矢くんと話してるの見たり、騎馬戦をやってからいい人ってわかったし、話せるようになった。


「あ、椎名さん服買いたいんだっけ?俺たちは買い終わったから椎名さんの一緒に買いに行くか」


「え、いいの?正直、私に似合う服分からなくて、お店も、入りにくかったから」


「それなら、私が杏華の服選んであげる!」


「お、いいじゃん。良かったな椎名さん、八重さんに任せときゃあ間違いないからな」


「やった、ありがと」


でへへ、百合ちゃん見たいな美少女が、私に服を選んでくれる。こんな嬉しいことはない。


あ、危ない。良くない欲望があふれ出るところだった抑えなければ……


私が入れなかったようなお店をいくつもはしごしてあらかじめ買うものを決めていたかのように全身の洋服を集めていく。


「じゃーんこれで最後!どう?」


もう何店舗目かも忘れたとき、全身そろったようで更衣室で全身着替えるように言われる。


「これが、私?」


全然私ってわからない……すごい大人びて見える。


「椎名さんめっちゃいいじゃん。超かっこいいわ、まさに椎名さんって感じで」


「ふふん、杏華はちょっとかわいい系の服を普段は着てるみたいだけど、かっこいい系の方がいいかなって思って!」


「うん、すごくいい!さすが百合ちゃん!お母さんは、かわいい系ばかりだし、たまにはこういうのも、いい」


自分にはかっこいい系は似合わないかもって思ってたけど、結構行けてるかも。


「いやー、俺がいえることじゃないけど、前の服よりも全然かっこいいし、かわいくなってるな。八重さんの力ってのもあるだろうけど、椎名さんっていう素材がいいんだろうな」


……照れちゃう、かも。八重さんがいるのに三矢くんはすぐにこうやって真っ直ぐ言ってくる。


「じゃ、じゃ、じゃあ、買ってくるね」


「なんか、様子おかしくないか?」


「そう?いつもの杏華じゃない」


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