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鈴木のハンバーグ

「おぉ、美味い!」


「ん、高宮さんの言うことに、間違いは無い」


「本当、肉汁が染み出して美味しい!」


椎名さんもまだ昼飯を食べてないようだったから、誘って一緒に鈴木のハンバーグに来た。


「どうよ、うちのハンバーグ美味いっしょ?」


「ん?誰だ?」


「はー!夏休み入ったからって忘れちまうなんて白状じゃん?鈴木な?」


「あ、鈴木か。え、なんでここに?」


「うちのって言ったっしょ?鈴木のハンバーグって名前にも入ってるしね?ここ、親父の店なんよ」


「ほぇーそうだったんだ」


「鈴木くん、美味しかった」


「はい、いいお店ですね」


「はぅ!あ、ありがとごぜぇやす!!御二方にそのような感想をいただけるとは!」


俺との対応に差がありすぎない?


「そ、それで3人はな、何をしに?もしかして3人でデートとか?」


「そ、そんな、じゃ!ないよ……ね、三矢くん」


「まぁ、ただ服買いに来ただけだしな」


「私はデートのつもりなのに」


「あ、おう、いつも通り見たいで安心するっしょ……彩雫がクソ野郎説ワンチャンあると思ったけど」


「いや、ねぇからな?え、何?だ彩雫しかり俺って嫌われてないよね?」


「ん、大丈夫、ダサいのは事実だけど、嫌われてはいない」


「彩雫くんはもしかしたら周りから見たら女をキープしてるように見えるかもしれないけど、そんなことない!」


「援護ありがとう、でもこのゲームフレンドリーファイアありなんだわ。味方にもダメージ入るんだわ……泣いていい?」


「おい、ゆうき!何話してんだ!こっち早く手伝え!」


「ごめんさい!っと怒られちまった。んじゃまぁ、楽しんでくれや」


「ゆうきか」


「ゆうき、?」


「そんな名前だったのね」


鈴木ゆうきか……普通だな。鈴木、すまん、多分またすぐ忘れる。それも全員。子供に名前をつける時は普通でもなくキラキラネームでもなくいい感じのを付けた方がいいな、うん。弄られるでもなく忘れられるでもない名前。


「彩雫、って、かっこいい、よね」


「え、杏華!ま、まさか!」


「ち、違くて!名前の話!彩やかな雫、かっこいいと、思って」


びっくりした。そういう事ね。


「ま、気に入ってるよ」


「新菜さんに感謝しないとね!」


「新菜、さん、?」


「俺の母さんね」


「は、もしかして、息子さんを、私に下さい、見たいなイベントで、仲良く?」


違うってわかってるだろ。いや……八重さんならありえるのか。違うからね?実質的には南の魔王と北の魔王が手を組むための会合見たいなものだったからな。


「彩雫くんの家で彩雫くんのご両親とお話しする機会がありまして……」


「なるほど、私も、彩雫くんの両親、会ってみたいと思ってた」


「そ、それってもしかして!」


八重さんその乗り今日だけ2回目だからね?


「漫画家と小説家、って、聞いて。気になってた」


ま、オタクなら気になるよな。漫画家と小説家で食べていける。それに一軒家を持っていて俺に一人暮らしさせる余裕もあるような人なんて限られる。有名な方かも?と大方の予想を付けることは可能だ。


「いつかな。多分俺の母さんも会いたがってるだろうし」


「そ、それってもしかして!」


「八重さん3回目ね?ほら、うちの母さん人と会うの好きだし、あの性格だろ?詳しくは話してないけど、だからこそ気になるだろうし、なんなら、今後ろから尾行してきていてもおかしくない」


このタイミングで顔出してこないってことはつけられてないとは思うけど。


「椎名さんみたいな小さくて可愛い子を前に正気を保てるとは思えないからな」


「確かに……正直初めてのタイプで困惑しちゃったもん」


「椎名さんにも迷惑かけるだろうね、それでもいいなら」


「……」


「杏華?」


「あ、うん、大丈夫」


「なら、今日はきつそうだけど今度タイミングあったら連絡入れるよ」


付けてきてないってことは仕事が忙しいってことだろうからな。


「そういえば、椎名さんはまだ服買ってないんでしょ?一緒に買いに行こうぜ」


取り敢えずお会計しないと、あ、鈴木美味かったぞ。商品券使える?良かった……え?会計は要らない?また来てくれ?鈴木……お前いい奴だな。




~~~~~




「彩雫くん、どうかな?」


「三矢くん、どうかな?」


どうしてこうなった?さっきまで俺ハンバーグ食べてたよね?どうして水着美少女2人を前にしてるんだ?俺はちゃんと見ていいのか?俺はなんていえばいい?わからない、何もわからない。こういう時は一度深呼吸して……


「すぅーはぁー」


落ち着くに限る。


まず、ハンバーグ屋を出たな。そして八重さんが椎名さんの服を選ぶ話になった。椎名さんも八重さんに選ばれるのは嬉しいだろう。そして、服を選び終わった時に水着屋を見つけたと。まぁ、あるよね、ショッピングモールだしね。そして、椎名さんが海いこうと言い出して、全員でその話に納得した。そこまではわかるな。んで、椎名さんが水着持ってない、スクール水着はあるけど、とアニメのロリキャラ見たいなことを言いだしたと。椎名さんだしおかしなことではないな。んで、椎名さんが八重さんの水着を選ぶことになって、椎名さんのを八重さんが選ぶ勝負をすることになったと。そして、その審判員に俺が選ばれた。


うん、やっぱりわからないわ。最後だけわからない、が!目の前にある一種の理想郷でもあり、禁断の果実が否応に目を引いてきて俺に事実だと認めさせている。


でも、このままでいるわけにはいかない。何か言わなくては。


「あー2人とも似合ってるんじゃないか?」


「もー彩雫くん照れちゃって」


「あ、ありがと。うぅ、でも、百合ちゃんかわいい、スタイルいい」


「私よりスタイルいい癖に。じゃなくて、杏華も可愛いから自信を持って、……彩雫くん、かわいいわよね?」


「そうだな」


「でも、やっぱり、三矢くんも、八重さんに視線、行ってるし」


「み、見てないし!……と言えばウソにはなるし、そもそも、いや、それがすべてじゃないしな。やっぱり全体のバランスでしょ。ほら、椎名さん全体的にいいバランスだし、そこに黄色のワンピースがいい感じに馴染んでかわいらしくなってるでしょ」


椎名さんは胸がね?他が小さい分大きい所が強調されるわけでね?口には出せないけどワンピースがいい感じに体系をごまかしつつも、低い伸長と小動物のような雰囲気に黄色の水着はよく似合う。まぁ、一部分はごまかすどころかサイズが小さいのか強調されているわけでして。八重さんの方に視線逃がしちゃうよね。


「むぅ、杏華にだけしっかり感想言ってる。私にももう少し具体的に……ほら、もっと見てもいいから、ね?」


「八重さん鬼畜すぎだろ」


だが、そういうのであれば仕方ない。具体的な感想を言うためにもじっくりと見させてもらおう。


八重さんは黒いホルターネックの水着だ。そのスタイルを活かすようなセクシーさを感じさせるような水着だ。あと、多分胸にコンプレックスあるのに気が付いてるだろうしちょーっと盛れる水着なのが椎名さんの気づかいを感じられる。これまた直接言えないけど。


……さて、どうまとめるか。男性諸君ここが重要だぞ?


「やっぱり、八重さんの黒くてきれいな髪に黒い水着がよく似合ってるね」


「あとは?」


「スタイリッシュな形の水着が八重さんのスタイルを引き出してる」


「ふふ、ありがとう、あと?」


「……いつもよりスタイルがよく見えるね」


「あとは?」


「勘弁してください」


「ちょっと、からかいたくなっちゃった」


「椎名さんからもなんか言ってくれよ、こういうのはゲーオタにはきつすぎるって」


「え?あ、うん。でも、意外。三矢くん、結構、いいこと言ってた」


「それなら、椎名さんが八重さんの水着に興奮しなかったのも意外だけどな。お前美少女好きだろ?」


「私は、三矢くんとは、違う。そんなキモイこと、しない……はず」


俺は言われたから見ただけだし、興奮なんかしてないから。というか椎名さんだって自信ないじゃん。


「じゃあ、彩雫くんちょっと、外で待っててね。水着、買ってくるから!いこ、杏華」


ふぅ、外で待ってるか。この空間は思春期男子には厳しい物がある。でも水着か……海行くのが楽しみだな。今度みんなと予定立ててみよう。

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