三矢家with八重百合
「さてと、それじゃあそろそろ、ご飯でも作ろうかな。せっかく材料持ってきたし」
「新菜さん、私作りますよ?」
「え?百合ちゃんがご飯作ってくれるの?」
「はい、新菜さんは久しぶりに家族水入らずでお話していてください」
「そうね、それじゃあお言葉に甘えて」
まさか、マリパを2日連続してやることになるとはね、それも2日目は家族と八重さんと4人で。面白かったからいいけど。楽しいときは過ぎるのが速い、気が付いたらご飯の時間になっていた。
「いい子ねー、彩雫にはもったいないくらい。楓くんが「面白いことになってるから彩雫の家行った方がいいですよ?」って言うものだから気になってきてみたけど、ねぇ?」
また、あいつか。
「学校生活はどうなんだ?ほら、色々あるだろ?」
まぁ、そりゃあ八重さん見たいな人と仲良くしていたらあるよな。
「結構仲良くやってるよ。ノリがいい奴が多くてな」
「それならよかった。何かあったら楓くんが教えてくれるだろうけどやっぱり親としては心配なところだからね」
「友達は出来たのー?」
「まぁ、ぼちぼち。いつも八重さんと含めて6人でよく遊んでるよ」
「あら、そうなの?お母さんも安心するわー」
「そういえば、テストの点数あがってたね。それも友達の影響で?」
「まぁ、友達っていうか、八重さんのおかげかな。付きっきりで勉強教えてくれたし」
「百合ちゃん頭もいいんだ」
「学年1位だぞ?」
「まぁ、属性てんこ盛りね」
否定はしない。
「友達はどうなのよ?」
「普通だよ普通、ゲームやったりする友達」
「ふーん?」
「何だよ」
「いやー別にー?」
「はぁ……そっちはどう何だ?」
まぁ、SNSでたまに流れてくるけどな。
「そうねぇ、この間VTuberから依頼が来たわねぇ」
「え、母さん漫画家でしょ?そういうのってイラストレーターに頼むもんじゃないの?」
「そうなんだけどねー、出来るし引き受けちゃった」
「そして、僕がモデリングすることになった」
父さん小説家だけど、クリエイティブ系なんでも出来るから……たまに仕事も来てるみたい。それが母さんとたまたま同じ仕事なことある?ないよな。
「それがねー?私達当ての仕事だったのよー」
「好きなグループだったし、色々おまかせでいいみたいだったからね、つい受けちゃったよ」
「ほぉーいいじゃん」
「さすがに守秘義務あるし、彩雫にも言えないんだけねー。子供が新しく増えちゃうわねー。彩雫の妹になるかなー」
「いやいや、確かに絵師を親に例える文化がVTuberにあるけど、そうはならないだろ」
VTuberは好きだけど、電子の妹とか嫌だよ俺?
「いや、でもVTuberを妹に持つのも悪くないのか?」
「彩雫くん、ごはんもうすぐだからね?」
おっと、冷房が効きすぎてる見たいだな。
「あら、百合ちゃん。もう出来るの?」
「はい、あとは盛り付けるだけですので」
なんか、八重さん(優等生ver.)見るの久しぶりで、ちょっとドキドキするわ。
「はい、お待たせ致しました」
「あら、美味しそうじゃない!」
「八重さんの料理まじ美味いから」
「そうなの?どれ、いただきます。おぉ、こりゃ美味いな。ひょっとしたら新菜さんが作るご飯より美味いかもな」
「それなら、もう作らないわね?」
「じょ、冗談です」
「でも、本当に美味しいわねー。たまに編集長に連れて行ってもらえる料亭のような細かい料理って感じがするわ」
「そうだな、薄味なのにしっかりと味を感じられる確かな技術がある」
「八重さんの実家がそういう技術教えるところらしいから」
「え、もしかして百合ちゃんって結構いい家のお嬢様?」
「そうですね……お嬢様とは言えませんしいい家かどうかは分かりませんが、伝統のある家ではあります」
セントレアがいるしお嬢様って単語は取られちゃったけど八重さんも十分お嬢様だろ。八重家って名家なんだし。
「……ちょっと和哉さん、お嬢様ですわよ?」
「お嬢様が伝染してるよ、新菜さん」
お嬢様感、隠しきれてないよね。
改めて考えると、お嬢様2人もいるのか。
「でも、彩雫と話してるの見るとお嬢様とは感じないよね。僕たちと話すときもそれぐらい気楽でいいんだよ?」
「そうねー、同じ釜の飯を食べたしもう家族みたいなものじゃない……いや、でも普段は優等生、でも特定の人の前でだけ見せる気さくな笑顔、ギャップ萌えもいいわね。やっぱりそのままでも……」
「八重さん、母さんの後半の言葉は無視していいから。本当に気楽でいいからな?むしろそっちの方がこの人たちは喜ぶと思うぞ?」
「うん、でも……わかった!」
八重さん成長したな。
「ごちそうさまでした!百合ちゃんとても美味しかったわ。うちのレシピとか彩雫の好きな味付けとか教えようかなーって思ってたんだけどその必要もなさそうね。今度教えてもらおうかしら」
「いいかもね。僕も新菜の料理が美味しくなるに越したことはないからね」
「それは美味しくないって言ってるのかしら?」
「そうじゃなくて、ほら、新菜の料理は強引なのが多いじゃん?だからもう少し百合ちゃんのような繊細さをね」
「そうね。それじゃあ今度から定期的に彩雫の家に顔出すようにしようかな。そしたら百合ちゃんとも会えるだろうしね?」
「はい!是非来てください!」
「うん、じゃあ、僕たちは帰ろうかな」
「百合ちゃん、ご実家の許可は貰っているようだけど、22時には帰るのよ?高校生は高校生らしく、ね?約束よ?」
まぁ、流石に普段からその時間には帰ってるしな。それ以上遅いと流石に八重家の人たちが不安に思ってしまう。
「彩雫ちょっと……彩雫のことだから自分の感情も、百合ちゃんもしっかりと理解しているでしょう?しっかりね?」
「……あぁ」
「それじゃあ、百合ちゃんを送ってあげてね?夜に女の子一人じゃ危ないから」
「大丈夫、いつも通りだから」
「ならばよし!じゃあ百合ちゃん何かあったら連絡してね?おやすみなさい」
「じゃあね、おやすみ」
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「まさか、彩雫が本当に青春を送ってるとは僕も想像してなかったわ」
「そうねぇ、もう恋人通り越して夫婦見たいなものだったわね」
「夫婦?」
「えー、気が付かなかったの?地面に髪一つ落ちていないし、料理の時もどこに何があるか把握しているし、彩雫の顔色も良かった。毎日一緒にいるんじゃないかしら?」
「え、そうなの?」
「多分、ね?」
「ふーん、なるほど。彩雫がらしくもなく、今みたいな関係でずっといるのかちょっとわかった気がするよ」
「まー私たちは見守って行きましょう?」
「そうだな」
「そっちの方が想像もはかどるしね……ムフフ」
「そ、そうだね……新菜らしいな」
「あら、和哉さんだってメモ取ってたくせにー」
「あれ、ばれてた」
「まぁ、そんな私たちの息子なら今の状況も楽しんでいるだろうし、ね?」
彩雫、色々考えているんだろうけど、一つだけ言わせてくれ。
「「羨ましいッ!」」
とね。




