【第八話】今日はするのではなく見たい気分なんです
病院みなさんは得意な方ですか?
私は苦手ではないですが、唯一歯医者が苦手です。
キイイイイイインって音…怖い…ってなわけで今回もお楽しみください!
「…ん……。」
朝目覚めるとそこは自分のテーブルだった。そこには飲み干したレモンサワーの
缶が二つ。
…そうか、俺は昨日、、
ふと、俺はスマホ画面を見る。目的はやはりTwitterトレンド。
やはりか…案の定【がぶりえる・るーらー】という文字や【がぶ 友達】など
上位を占める話題は俺関連のものだった。
そしてLINEはというと、、
リア友たちからの大量の驚きの言葉やサインを求める言葉、
中には最近YouTube始めたからコラボしてほしい
というものまであった。
……どうしてこんな俺はやらかしてしまうのだろうか。
最近、なんかイライラが鳴り止まない。疲れているのか、
もしくは精神ストレスだろうか。
…うむ、今日は病院へ行くこととしよう。
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そういえば俺、会社辞めてから病院なんて一度も行かなかったな。
久しぶりのこの風景、この匂い。久々すぎて、なぜか緊張がすごい。
こうして名前が呼ばれた俺は恐怖のドクターが待ち受ける密室へ歩を進める。
…一瞬本名で呼ばれたとき気づかなかったが、Vtuberならではの職業病なのだろうか。
なんか身体にいろんな異常がありそうだ、という医者の圧倒的偏見から
全身を見てもらうことになった。なぜだ。
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こうして全身をぐるぐるされてひたすらに吐き気を耐えていた俺はリバースをせずに終え、
後は結果待ちだ。
こうして家に無事帰還した俺は今回は久しぶりに【見る側】として
ゆっくり過ごす判断に至った。
今日は時雨夢ゆら、しぐちゃんの配信を見ることにした。
通常配信で同接が10万いるのが恐ろしい。
どうやら俺のことについて彼女は話していた。
「がぶさんね、最近色々あったけどやっぱりあの人柄だと許しちゃうよねw
リアルでも関わりあるけど普通にいい人って感じ。
歳の離れた兄もしくは比較的若いお父さんみたいな感覚かなあ?
ゆらは優しい人に懐くからw」
○俺、優しくなります
○可愛いはすはすはすはす…
○はすはすすな
○がぶは男の方がすき
○↑いやわかる
なんだか、『いい人』と直接はあまり言われない俺は不覚にも照れてしまう。
そのお返しと言ってはなんだが…俺の手がマウスへと伸びる。
そして。
いつもお世話になっています
¥100000
「がぐりえる・るーらーさん10万あり…え、10万!?本当にいいんですk…
えええ!?がぶさん!?!?やーー恥ずかしいーー!!!
配信聞かれてたーー、!!!!???!?」
○おいがぶいたんかいwww
○ざぁここんばんは!!
○奴隷と飼い主逆転してて草
別の人の配信にも俺がいると反応してくれるんだ。そういうのって素敵だな、と思う。
配信しなくてもこうやってリスナーたちとノリを共有できるのは楽しいな。
しかし、だ。しぐちゃんの様子がおかしい。
アバター越しだったが、逆にアバター越しからでもわかるほどに
顔をプルプルと震わせている。まずい、さすがに人の配信で
ここまではやりすぎか、そう思ったが。
「おおおい私の可愛い子供たちいいい!!!(リスナーのこと)
がぶは私の所有物だぁあ!!!!!」
…え?
独身ニートにようやく春が…!?訪れる…のでしょうか
次回をお楽しみに!