【第二話】大人気のメスガキVtuber②
文章がおかしいところあればなんなりとおっしゃってください!
みなさんの楽しい暇つぶしになれれば幸いです
そして翌日。賑やかな通りでレモンサワー缶を爆買いしてレジ袋に入れて歩いている不審者の姿があった。
そうだ、俺だ。
俺は配信後にレモンサワーで晩酌をするのが日課なため、こうして配信前に溜め込んで買っている。
ニートではあるが、前の職場ではなかなか良い位置にいたため貯金はたっぷりある。
そしてリスナーから合法的にもらった金銭の数々。努力の賜物である。
まあいざとなれば親の脛をかじってでもこのレモンサワー晩酌は続けていくが。
そんな年間生活の両親を養う心の欠片もない俺のスマホくんに通知がひとつ、
今にもはち切れそうなくらいにパンパンなズボンのポケット越しから伝わってきた。
「あぁ、しぐちゃんからか」
しぐちゃんこと時雨夢ゆら。俺と同じくVtuberであり、
国内で二番目に登録者数の多い超人気配信者である。
(もちろん時雨夢ゆらはVでの活動名だ)
ちなみにVtuber仲間は俺が男だと言うことを知っているが、
リスナーの夢を壊さないが第一。設定を守り抜くのが暗黙のルールである。
『やぁ元気〜?明日あんたのとこの配信見にいくね〜』
国内トップクラスの配信者が来てくれるのは嬉しい…が…嬉しいのだが
俺の本性を知っている人が見ている中でのVの口調は限りなく恥ずかしい。
……しぐちゃんはどんな気持ちで配信をみているのか……
そうこうしているうちに愛しのマイホームに到着する。
駅から徒歩15分の微妙な立地ではあるが、2LDKと一人暮らしにはむしろ広すぎる空間である。
「ただいま〜」と玄関で叫ぶが返答はもちろんない。独身だ。
いや、これはマイホームに向かっての発言であり、
俺の奥さんはマイホームである。俺は1人を愛せば他の人は眼中にない。
故にいつまでもこの家に女は入らせない。
………と自分に言い聞かせて日々生きている悲しい男である。
さぁ配信予定時刻の7時になった。
俺はPCを起動させ、お決まりの挨拶を決める。
「よわよわ奴隷ちゃんのみんなこんにちはぁ♡飼い主のがぶりえるだよぉ♡」
○今日もかわいいね♡ん♡
○1日の疲れが吹き飛ぶわほんとに
○もはや薬物並みの効果と依存性
○↑そのうち罪に問われそうww
○がぶりえる罪wwwww
今日もリスナーたちのコメントを微笑ましく読み上げながら配信を進めていく。
雑談配信だったため内容は割愛する…として
「今日も飼い主にご奉仕してくれてありがとぉ♡最後に私の明日の運勢を
占っちゃうぞ♡」
そういって占いアプリを起動する。
「『明日の運勢は最悪です。あなたにとって最も恐れた事態が訪れるでしょう』…?
だってぇ、よわよわな占いさんは口でしか強くないもんね♡
奴隷たちがいれば私はいつでも最高だよ♡お金もらえるし♡」
○ぁぁあ神
○がぶりえる罪になってもいいから推し続けます
○例えどんなことがあってもお前が好きだ。
○↑フラグ?www
「じゃあまた明日も会おうね奴隷さんたち♡檻の中でおやすみなさい♡」
配信を切ったのを確認した俺は深呼吸をし、レモンサワーの皮を開け、一口。
「ぁあ…最高だな。明日は運勢最悪なのかぁ。雨でも降られたら困るな」
雨が降られるだけなら、どれだけよかったか。今になってそう思う。
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