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チートとの出会い

基本不定期でやらせていただきます。どうかよろしくお願い致します…

やあやあ皆様初めまして。僕はイアン・フリーディヒ。しがない転生者でございます。


ここで「いやいや転生者って?」なんて無粋なツッコミは入らないことを願うよ。ぶっちゃけみんな知ってるよね?トラ転、特典、魔法にチート。まあ僕はトラ転じゃあなかったけれど。寝て起きたら異世界だった。もはや理由すら無くてウケる。ていうか、あれ?実は前世まだ死んでなかったりしない?現代日本人の記憶だけコピペされて僕が前世だと思い込んでるだけだったりしない…??


…それはそれでいいか。どうせもう別人だし、いい思考ツール貰った程度に考えとこ。


「イアーン!朝ごはんできたわよー!」

「今行くー!」


さてさて話を戻すけれど、僕はいわゆる異世界にいる10歳にも満たない少年。つまり子供だ。

もしここが中世なナーロッパだったり、魔王だの魔物だのが跋扈している某勇者世界だったとしたらメチャクチャ危険だし鍛えなきゃとも思ったけれど、実際はそんなことなかった。バリバリの現代風ファンタジーだった。いやまあ教会も魔法も魔獣もいるし、昔話に勇者が出てくる世界線ではあるけどね。

そして僕には、そんなデタラメふわふわな世界でも周りに話せない能力があった。それは…


「(あ゛ー!!ダルイ!メンドクサイ!!なんっで私が甥っ子のために5時起きしなきゃなんないのよ…こちとら彼氏もいない喪女ぞ…やっぱ糞兄貴に任せればよかったわ…いやダメ。ギャンブル漬けなDVオジサンに幼気な子供を預けちゃ駄目よ…ああでもダルイ。朝ツライ。あ~いっそ甥っ子の頭に隕石降ってこないかなぁ~…それなら合法殺人よ………合法殺人ってナニ?)あっ、おはようイアン」

「おはよう、叔母さん」


めっちゃ疲れてるね。言っちゃダメなことまで考えてるし…言ってない時点で偉いけど。


そう、僕は心の声が読めるのだ。…この世界に読心系の魔法は、無い。いやもしかしたら闇の魔法とかそういうのでならあるのかもしれない。まあ闇魔法とか完全なる現代知識であって巷に溢れてる情報とかにそれらしい単語は一つも無いけど。間違って口にしないようにしなきゃね。

それにしても叔母さん、見た目はさっぱりしたいい人なんだよなぁ…内心ではぐちぐち言ってるけれど意地悪をされたことは無いし、ガサツでも根っこは良い人だ。だから、本当なら朝飯くらい別に代わりにやってもいいとすら思っちゃいるんだけど、この世界では家電ならぬ家魔道具を使って調理するから、魔力が発現していない10歳以下の子供じゃあその手の道具は軒並み使えないという悲しい現実があるのだ。…僕が周りに話せない理由がよく分かってくれたと思う。ちなみに、僕だけ例外的に魔力を持ってるとかそんなことも無かった。一回叔母さんの目を盗んで魔道具を試してみたけれどうんともすんとも動かなかった。…つまり、そういうことです。


さらに、僕が読めるのは心の声だけではない。


僕は眼に少し力を込めた。そのままさりげなく叔母を盗み見る。伝達魔法が染み込んだ羊皮紙を顰めっ面で読み込みながら(あのくそ上司また仕事投げやがって…いい加減こっちの成果ばっか奪って尻拭い押し付けんのやめろ)とか思っている彼女が気付く様子はない。そこやめれば?

そんな彼女のすぐ近くに、薄い黄緑の膜が現れた。


<ミキティ・フリーディヒ>二日酔い

HP:72/90 MP:235/250

種族:ヒューマン

属性:火魔法

スキル:<火炎魔法・下><魔力操作・中><速記魔法・中><魔法結合・壬><杖飛行><キシンの宝印>

加護:なし

特記:なし


一言でいうと、ステータスだ。むしろそうとしか言えない。そしてこれは人だけにではなく、魔道具から服にまで発動させることができる。…モノ相手は起動が重いから疲れるけど。つまり、僕はいわゆる<鑑定>スキルを使いこなすこともできるようになっていた。そんな僕自身のステがこれ。


<イアン・フリーディヒ>フィクサーの呪い

HP:42/42(50) MP:なし

種族:ヒューマン

属性:影

スキル:なし

加護:<幼子の女神>キシン

特記:転生体。特典スキル<読心><鑑定顔>あり


…………………うん。正直色々ツッコミたいけどひとまずこれだけは言わせてほしい。


『フィクサーの呪い』って何!?


正直、物心ついた頃…すなわち前世を思い出した頃からあったこの謎過ぎる状態異常は、かかった理由とかその原因とかこれっぽっちもわからない。

ただし、一つだけ、確定していることがある。忘れもしない…僕がこれを見つけたとき、僕はまだ2歳だった…そして、


その時のHPは、既に47/48(50)になっていた……


言わずもがな左の数字が現在のHP値、右がHPのステータス、そしてその隣にあるカッコの中身が…本来のステータス、だと思う。つまり、


(年食うごとに生命力が1ずつ目減りしてってるうううううううううう!!!)


なお断っておくと、この世界のHPの上限は本来成長と共にある程度増えるし、普通の2歳時の体力なんて20に行くかいかないか程度なんだ。つまり、呪いとは言え、幼児の頃からある程度のステータスを確保してくれてはいることになる。その代わり、時が経つと共に確実に劣化していくっていう……いややっぱイヤだそんな呪い!!

というか50って!!人生五十年ってこと!?HP:zeroになった人とか見たことないけどどう考えても良くて寝たきり悪くて死だよね!?


「どうしたのイアン、手ェ止まってるわよ(仕事あるんだからさっさと食べなさいよクソガキ)」

「あ、ゴメン」


綿で首を閉められるような焦りで、つい止まっていた食事を再開する。ちなみにこの世界にはいわゆる魔法学園的なものはあるけれど、小学校は存在しない。いや、学び舎が無いわけではないんだけれど、学校というよりは塾や寺子屋に近い感じがするんだよね。遅刻がどうのとかないし。授業についていけるのなら休んでも問題視されないし。逆だと強制合宿されるけど…こういうとこが異世界だよなぁ。

まあそんなわけで、特別急ぐ必要のない僕と違って、叔母さんはガッツリ仕事があるし、蛇口ひとつ捻るのにも魔力がいるこの世界と今の叔母さんのイラつき度的に、僕は皿洗いすらできそうにないのでせめてもの義理立てで急いで食べた。ご馳走さまでした!ぱちんっ!と。


「はいはい。じゃあもう図書館なり学舎なりいってきなさい(そして魔煙草キメてやるわ)」

「いって参りますッ!!」


魔タバコの煙は魔力なしが吸うとマジでヤバイのですたこらさっさと家を飛び出した。





とは言え、なにしよっかな~。


前世知識の賜物あって、勉強ではそう苦労していない僕は定期テストを受ける日以外に学び舎へ行くことはほとんどない。というか、普通に図書館で自習してる。こう言うのって自分のペースでやる方が早いし?


うーん、次のテスト範囲は大体やったし、また図書館に行くのもなぁ…僕いうほど勤勉じゃないんで。あとこっちの小説はつまらない。正直純文学が過ぎる……うう、ラノベェ…


(__は_だな___…で……_……とすれば…)

「うん?」


遠くから、何やら少年のテレパスが聞こえてきた。まあ<読心>スキルは常時発動型だからそれ自体は何もおかしくないし、特に気にすることでもないけれど…


なんだろう、なんか今、すごい違和感が……


(あー、やっぱり秘密結社がいいな…『秘密』ってのがカッコいいし、下手にボスボスしなくていいし、それでいて地下道でかしずかれてぇ…何より中立でいられるのがいいよな。やべ…<リアルユウシャ>……こっちじゃ勇者(リーゼクト)だったか…ソイツの目の前で、『何者、か。フッ…我等は闇をさすらう者だ』的なセリフとか言ってみてぇ…!)

(に、日本語で思考してる…ッ!?)


間違いない。日本語だ。リアルガチのマジで日本語だ!!

僕が脳内翻訳してる共通語の語順じゃない…!というか勇者ってユウシャって読むよねそうだよね!ぶっちゃけ勇者(リーゼクト)に慣れすぎててちょっと読み方忘れてたよ!!!時々イサミモノって読んでたよ!


「あ、あのっ!」

「(何はともあれ配下っつーか四天王は欲しいよなぁ)「あのう!!」おわっ!?」


あれから。居ても立ってもいられなくなった僕は流れ込んでくる声を便りに例の少年を探し出した。

正直、見た目はごくごく普通の黒髪少年…にみえた。最初は。何せ前髪が長い分気弱そうに見えたんだよ。なんやかんやグレイヘアーに金&紫なオッドアイなんて異世界カラーで生まれ変わった僕とは大違いだなぁなんて…いや、確かに大違いではあったけど、けど…うん。


あの、スゴく…いっちゃなんだけどドチャクソ和風美人でしたごめんなさいッ!!いや男の子に美人はおかしいかもしれないけどさ!


え、僕?僕はまあ…自分で言うのはなんだけどハンサムってやつだよ。でも笑顔がちょっと怖い。子供の頃から怖いって…将来どうなっちゃうんだろうね……マウントとってる場合じゃないよねごめんなさい…orz


(ってそんなこと考えてる場合じゃない!確かめないと。鑑定鑑定…!)


彼は一体、何者なのか__





<エルガン・ダークライト>

HP:5000/5000 MP:MAX/MAX

種族:ヒューマン

属性:虹

スキル:<大剣豪・丙><赤魔術・中><気魔術・上><緑化魔術・中><橙火魔術・上><青魔法・上><紫眼><紺魔術・上><黒魔法・中><神体化><身体強化・中>

加護:なし

特記:魂魄転生体。特典スキル<天啓>あり


ど、どチートだああああああああああああああああああああああああ!!!

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