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② それほんとやめて!

今うっすら覚えがあるんだけど、私は確かに転生した。この今の力を使って転生したてでも立ち上がって、走って……。

「そう、愛するマリーヤの元に! 彼女を全力で守るため!! って、え???」

何言ってんの私??

「ああ~~そう、おじいさんに転生しちゃったピコね……。しかも、あのベッドに眠る彼に……余命3日の彼に……」

はぁ~~~~!?? なにそのバグ!! っていうか、あの時バグだと思ったアレか! バグだけどおじいさん(私)がマリーヤ(私)を助けたのは現実ね!


「大丈夫ピコ! 運営が把握しててこちらの不手際だと判明してるから、ちゃんとリトライできるピコ!」

ならまぁいいけど……。こんなバグ、あり得ないでしょ。転生して一瞬でもう人生終わっちゃったよ!?

「バグってるのは、エリザベースルートにいるのにマリーヤルートに転生しちゃったってことだけだピコよ」

「? どういう意味?」

「おじいさんに転生したのは、のりえの意思ピコ」

「え??」

「のりえ……とぼけるなピコ……」

「へ?」

「ボクは知ってるピコ……実はのりえはおじいさんの人生、鬼かっこよくね?イカしてね?って思ってることを……」

「あ……」

「おじいさんのプロファイル……若い頃は豪快にやんちゃして、小さな村では一匹狼。いずれ外の世界に出て、いつしかどこかで作った息子を地元に連れて帰ってくる(子の母親は不明)……これって少年漫画の主人公の親父みたいじゃね?わくわく。ってほんとは思ったピコ――っ!!」

「あああ見抜かれてる~~!」

「だからルートの問題以外はバグじゃないピコ。でもルートは大問題だからリトライ案件だピコ」

「いやおじいさんの人生は、その上可愛い孫に看取られ大往生なんてガチの勝ち組だと思ってるけど、やっぱり私はピータンと巡り合いたいので、早くちゃんと転生したい……」

「すぐいけるピコよ。そういえばのりえさっき転生する前、なんかボクに言いかけたピコ?」

「あ、そうそう、私名前思い出して……あれ? なんだっけ。ああもうまた忘れちゃった!」

確実にオシャンティな名前だったのに。



 転生仕切り直しですわ。どうやら私、今、生まれたばかりのようです。1日の9割を眠って過ごしていますの。これはこれで最高ですわ。夏休みは事故って無しになってしまったけれど、寝正月を堪能してる気分です。

「ママ~~ベビー触るぅ~~」

「私も抱っこするぅ~~」

「私もベビーで遊……ベビーと遊ぶわ!」

「私が先よぉ~~ベビかっわいい~~」

ん??まどろんでいた私のところに、可愛らしい娘さんたちがなだれてきました。そして即座に囲まれてしまいましたの。可愛らしい娘さんたちですが、なんだか圧がすごくて怖いですわ……。

「おお~~わしもベビーで遊ぶのじゃ~~」

「おじいさますぐベビーを落っことすからダメよ!」

落っことさないでください! とか言ってたら、娘さんたちに転がされて遊ばれてる!

「おお~ベビー可愛いのぅ、ココナッツの果肉食うか? ほれほれ」

ココナッツはちょっと……。

「なんじゃこんなにうまいものを……南国からわざわざ取り寄せておるレアアイテムじゃぞ」

本当にそれレア度高いです?


その時、メイドが私を抱きかかえて鏡の前に座らせました。ああ、私はなんて美しいベイビーなのでしょう。まるで宗教画の中の天使ですわ。この綺麗な緑色の瞳なんて特に、エメラルドみたい。あ、鏡の前で布おむつ替えられちゃいました。心は大人なので恥ずかしいけど仕方ありませんわね。……あれ? 今、股間に見慣れないもの付いてなかった?? その前にちょっと待って、確かエリザベースって青色の瞳だったよ? この私を囲む威圧的な娘さんたち、やたらおねえちゃまアピールしてくるんですけど?? エリザベース一人っ子なのに? なんかおかしい。


あれ、窓の向こうでガラスを叩くのは……ピコピコ? なに慌ててるの?? ピコピコが来たということは??

「運営からまた連絡きたピコ~~!」

またバグ!? ねぇこれエリザベースじゃないよね?

そんな気してた!……じゃあこれ誰?

……そうだ! この瞳、思い出した。この瞳に映る私が美しかったから!


まさかの……ピータン!!

「ピ、ピコォ……ま、まぁ、ある意味もう再会できたし、生涯毎日彼を見つめて過ごせるピコよ!」

ちょっとちょっと!! 確かに私、こんなイケメン毎日見つめて過ごせたら乳絞りはかどる~って言ったよ!? でもこれじゃ、私とエリザベースが恋に落ちちゃう運命じゃない! ありえない! 百合カプになっちゃう!(?)

「うん、まぁ運営がまたなんとかするから……でも今サーバーダウンで、すぐにとはいかないピコ」

いつになるの!? リトライ早く早く~~!!

「SEさん頑張ってくれてるけどぉ、異世界だから時間の流れが感覚的に違っててぇ……ま、気長に待つピコ!」

そんなぁ~~!!?


「さーて、そろそろ我が孫に名を付けてやらんとなぁ」

……えっ。

「うむ、このココナッツ見ていたらイメージが湧いてきたわい。この食欲をそそる茶色に球体……よし。この子の名は、ピ……」

「あ゛あ゛あ゛ぶぅぅぅ!!(ピータンはやめてぇえええええ!!!)」



                 END




お読みくださりありがとうございました。評価、感想、ダメ出し、慰めなどなど年中無休四六時中大歓迎です。(慰められたい……)


こんな終わり方してしまいましたので……主人公がラブラブしてるような番外編、その前にせっかく身体は男/心は女な主人公になれたのでそれを生かす番外編を、短かく書きたいなぁ~と思っています。予定は未定といいますか、書くとしても今メインで書いているものの完結のメドがたった頃のつもりです…。書いたらこの続きに載せる予定ですので、もし見つけたらまた読んでいただけると嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[一言]  完結おめでとうございます! そして、ありがとうございました! 最後まで面白く読めました。少し斜め上な結末(想像と何か違う~♪)も良かったです。  番外編、スピンオフも、是非楽しんで書いてく…
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