表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/35

④ 無償の愛を君に

 あと10分でどうこうなるなんて無理ゲーよ! ひたすら数字のイリュージョン語られて終わる! でもこのまま雨が上がって屋敷に戻って分かれたら、また運命は交わらなくなるかも? ラインホルト様のこのヘタレっぷりじゃ、ここを逃したらどうなるやら。


「のりえ~~、のりえももうプレイ時間長いピコ。自分じゃ気付かないかもしれないけど、プレイヤースキルも上がってるピコよ?」

 恋シミュゲーのプレイヤースキル、と言いますと。

「こういう時は告白させるように仕向けるんだピコ!」

 し、仕向ける……。

「つまり“誘導する”ピコ!」

 ゆっ、誘導!! それは恋愛達人だけが持つ特殊コマンド!!

 私にはまだ無理だよ~~そんな上級技……。

「エンディングの手前で使わなかったらいつ使うピコ。あ、そうだ。マリーヤルートに来てから、まだプレボ開けてないピコね」

 そうそう、来たばっかの時はそんな余裕なかったし、その後は働いてばっかだったし。というか4次元空間のロッカーとして便利使いしてたから忘れてたけど、これ“プレゼント”ボックスだったね。

「誰かからプレゼント届いてるかもよ~~。あ、メッセージカード入ってるピコ!」

 これは……ハンカチ?

「ええっとぉ。【ずいぶん長いことハンカチーフをお借りしていましたわ! ちゃんとお洗濯をしてお返ししますの。幼友達マリーヤの幸福を、全力でお祈りいたしますわ! BYエリザベース】だって~~」

 ちょっとこのハンカチ、エリザベースって名前書きこんであるよ! マリーヤがあげたんじゃなくて、エリザベースが借りパクしたんじゃ……。

「疑惑の目を向けないであげてピコ」

 これ、まさか名前書いてあったせいで、ラインホルト様が拾って届けられたのでは。


「とにかく、これでラインホルト様の目を覚まさせるピコよ」

 どうにかなるかな?


「ラインホルト様、私を探しまわったせいで、上着がびしょ濡れになってしまいましたね」

 拭き拭き。ハンカチ見て気付いて! あなたが今何のために、ここにいるのか。

「私のためにありがとうございます。迷子の私を、今度はあなたが助けてくれるんですね」

「マリーヤ、私のことを思い出してくれたのか?」

「ええ。あなたのようにすてきなお方は、何年たっても忘れるはずありません」

「嬉しいよマリーヤ。私も君のことを忘れたことはない」

 エリザベースには常に違和感を持って付き合ってたんだろうなぁ。なんか切ない。

「マリーヤ……」

 あ、彼の私を見つめる目が輝いてる。真剣な瞳…。ラインホルト様、覚醒した?

「あの頃は、私は何もできない子どもで君を頼ってしまったが、これからは私が君を支え、守り抜く。どうか、私と結婚してくれないか」

 プロポーズきたぁぁ! でもね、すぐにはOK出せないわよ。マリーヤって異性に対してどうも不信感あるっていうか、モテ過ぎる弊害なのかな。ちゃんと言質も取っておかないと。

「私はただの村娘です……令嬢ではなくて」

「私はそんなこと気にもしない。どうか私の妻に……」

「あなたはそうでも、ご家族が反対されるわ」

 今思うとエリザベースはカビローンロンまでは認められてたのか。頭ゆるふわでもあくまで令嬢だからな。

「私の家族もきっと君が好きになる。君は美しい。可憐な容姿に佇まい。悠然とした身のこなし、気性の気高さ、優しさ、そして賢さ。君こそ世界が認める令嬢の中の令嬢だ」

 そのフレーズ聞いたことあるぅ……! こっ恥ずかしいけど、他人から言われると悪い気はしないかも。でもまだマリーヤは落ちないわよっ。

「でも、私、忘れられない大好きな人がいます」

「何……!? 誰なんだ、それは!」

「おじいさんです」

「は?」

「私の父の父です」

 乳……もう思い出したくない。

「最近旅立ちました。享年83」

「大往生だなそれは。お悔やみ申し上げる」

「お気遣いありがとうございます。私はおじいさんが大好きで大好きで。全財産投げうってしまうほど好きでした。それはひとえに、無償の愛をくれていたから」

 こんなこと言うと引くかな。そりゃ引くよね。でもマリーヤはそれを求めてるんだから仕方ない。こんなマリーヤを受け入れてもらえなきゃ、結婚できない。

「あなたは私に、無償の愛をくれますか?」

 すると彼はとても優しい目で私を見つめて……。

「もちろんさ! 君には私のすべてを差し出そう、無償で!!」

 やったぁ! 彼とならきっとマリーヤも幸せな結婚生活を送れるね!

「ラインホルト様、雨が上がったみたい。お屋敷に戻りましょう」

「ああ」


 彼の優しい微笑みがまぶしい。ああ~~もうマリーヤ羨ましいな~~ピータンも言ってくれないかなぁ、すべて君に捧ぐ!って。

 るんるん歩いていたら、森に出るというところ。

「あ、見て! ラインホルト様、虹が出てるわ!」

 その時、彼は私を突然抱き寄せて、私のあごを指で持ち上げて、そしてその綺麗な顔を寄せてきて……あああだめぇぇぇ!!

「ああ~~せっかくキッスチャンスだったのに、突き飛ばしちゃったピコォ……」

 いやだって、なんか浮気になっちゃいそうで! 私のファーストキスになっちゃうし!

「ご、ごめんなさい、ラインホルト様!」

 ああラインホルト様、捨てられた小犬みたいな目をして……。

「あの、そういうことは、あの、結婚してからでよろしくお願いします!!」

「そうか……」

 あ、安心した顔になった。

 けっして嫌なわけじゃないんです、ただちょっと事情が、ね。

「では近日中に結婚しよう!!」

「えっ」

「さぁ! 三日以内に結婚しよう!!」

「そんなやる気満々なの――!?」

                 ~FIN~



 とりあえずの帰宅。

「ふたつ目のルートクリアおめでとうピコ~~!!」

「ありがとう~~! 私もこれで満足よ」

「で、もうのりえはエリザベースに転生を決めたピコね?」

「うん! ピータンと結婚して幸せになりま――す!」

「本当に変更はないピコね? じゃあ最後の歯車でエリザベースルートにレッツラゴー!」

 最後の某配管工ジャンプよ!




お読みくださりありがとうございます。

ラインホルト×マリーヤは今回メインカップルではなかったのでなんだか不完全燃焼で、マリーヤが主役の短い話(1.2万字)を書きました。体裁整ったら載せようと思っております。主人公が違うし(たぶん)ノリも違うので別タイトルですが、アップしたらあらすじのところに書き込んでおきますので、お時間ございましたら見ていただけたら♡などと願いつつ。(でも女の罵り合いレディーファイッがメインな、とっても不愉快ストーリーですけど!←

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ