表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/35

⑤ ※あくまでプロポーズです。

 お屋敷のバルコニーに連れてきてくれました。えっとえっと、その、返事……をしなきゃいけないのよね、ここは極めて令嬢的に。

 でも不思議だなぁマリーヤじゃなくて、エリザベースで彼と一緒にいるのは。どんなご縁でこうなってるんだっけ……? そういえば彼、私をカビローンロンって呼んだし、お姉さんも彼が中の人を知るのが遅かったって言ってたな。これはちゃんと聞いておかないと。

「あなたはどうして私のことを……」

 カビローンロンが好きなことは、まぁ知ってますよ?

「ん?」

「カビローンロンが好きで、それを私がたった1回演じたから、気に入っていただけましたの?」

「カビローンロンが好き? あぁ、今は好きだけれど、元々はツーパンウーマン派だったんだ」

 なんだか話がおかしな方に向かいそうです。放置して大丈夫でしょうか。

「カビローンロンが好きになったのは、君が中の人だったその1回のおかげだよ」

「……??」

「あのバザーでの観劇は通常どおり、ツーパンウーマンを応援しに行ったんだ。それでも、カビローンロンの内部がいつもと違うのはすぐに気付いた。最初は正直、まるで素人だなと思ったのだけど」

 (※注)プロポーズ真っただ中の会話です。

「たった2時間の物語の間に、中の人の成長が見て取れたんだ」

 飛び入りなのに2時間も演じてたのエリザベース……。

「それこそ終いには、中間管理職の悲哀を見事に表現していたのさ」

 そんなの表現できる令嬢なんて嫌です。

「上演中、感じていた。この中の人はきっと真面目で努力家、人間関係においては一途でひたむき、ひいては損得勘定のない人間だろうと」

 スーツアクターの性格分析までしてしまったのね。

「幕が下りた後、俺は賞賛と激励の辞を述べたくて舞台裏へと足を運んでいた。もちろんその時は性別がどうこうなど考えてもいなかったよ。ただ一ファンとして、今後の活躍を期待しての行動だった。しかし、俺がカビローンロンを見つけたのは……中の人が着ぐるみの頭を脱いだ瞬間だったんだ」

 み、見ちゃったの!?

「度肝を抜かれたよ……中から現れたのは、こんな麗しい乙女だったんだから」

「ピータン、エリザベースの頬に指を添えてきたピコ~~。キッスいくかピコ~~?」

「その美しさに、俺は雷に打たれたような衝撃で身動きすら取れず、話しかけそびれた。その後、劇の主催者に君の素性を尋ねたんだけど、彼も分からないと話していて……」

「残念、不発だピコ。ボクも楽しみにしてるから~~キッスキッスぅ!!」

「もしかしたらあれは妖精だったのかもと諦めた。以降は中身が戻ったカビローンロンを応援する日々で……。だから今、本当に感動しているんだ! 幻の妖精を見つけられてさ」

「ピータン!!」

「あっエリザベースから抱きついちゃったピコ!」

「君を永遠に愛するよ。俺と結婚して欲しいエリザベース!」

「そうですわねぇ…令嬢だけじゃなくて、村娘ともメイドとも未亡人とも舞台女優とも東洋人とも、誰とも浮気しないって約束してくださるなら……よくってよ!」

「もちろんさ!」

 やったぁ! お父さんお母さん、私幸せになります! この子に転生決めました!!

「ご婚約おめでとうピコ~~!!」

 ん! 思わず抱きついちゃったから、ピータンの顔こんなに近い! あれ、これはもしや初キッスの流れ!?

 エリザベースはきっとキス待ち顔を鏡の前で練習してただろうけど、私はしたことないよ、どうすれば!?

「目をつぶればいいピコっ!ひそひそ」

 アドバイスありがとうピコピコ!

 ぎゅっ。はい!どうぞ!……あれ、こない。ていうか鼻!鼻つままれた!

「エリザベース、それは君のご両親に挨拶を済ませてからだよ」

「ええ~~拒否!? 両親の許可を得るのは大事だけど、もう!何時代の人よ!」

 あ、思い余って声に出しちゃった。

「まぁ……だってここ、ギャラリーが……」

 あ、バルコニーの植木に隠れてるお姉さんたち……向こう側の部屋でオペラグラス装備してるお姉さんたち……。

「だから、またふたりきりの時に」

「……了解ですわっ」

 ああ胸がそわそわする~~。今夜しばらく眠れなさそう。


「ところで、俺、爵位ないから君のご両親に認めてもらえる気がしないんだけど」

「えっ、ああそっか、そういう問題が……」

「爵位はないし、俺はいつでも田舎に引きこもって大工をしていたいんだけど」

 爵位より大工の方が問題じゃないかな。

「君、家族構成は?」

「父と母、私は一人っ子ですわ」

「じゃあ俺が君の家に入ることを許してもらえないかな。そして子どもが生まれたら、できるだけ早く爵位を譲って、田舎で大工がしたい!」

 とにかくⅠターンしたいんですね!?

「うちはそこそこの子爵なので、婿が来るならそれはそれで問題ないですし、私も社交界よりチ口ノレ村で乳絞りの方が性に合ってると思いますわ!」

 そこで彼は私を思いっきり抱き上げましたの!

「じゃあ早く子ども作ろう!」

「えっっっ!?」

                ~FⅠN~




「祝エリザベースルートクリアピコ~~。帰宅してからもふわふわしてるピコ~」

ほわぁ~~ん。しばらくこのウキウキを噛みしめていたいけど、やっぱりマリーヤルートもクリアしなきゃね。

「転生先決めても行くピコ?」

「ゲーマーとしては全ルートクリアしたいし、マリーヤも幸せになって欲しい! ラインホルト様と!」

「そっち行ったら、やっぱりラインホルト様と結婚したくなっちゃいました~~マリーヤに転生しま~す!ってなっても知らないピコよ。まぁピータンはエリザベースと幸せになったので、別にそれでも問題ないけどぉ~~」

「それはないかな。ラインホルト様は確かに超美形だけど、単純に私、ピータンがめちゃくちゃ好みだもん! 性格も外見も、もう名前以外はぜ~~んぶ!」

「もう彼には改名してもらうピコよ……」

「でもね、マリーヤのハッピーエンディングは簡単なんだ。ラインホルト様の想いが分かってるんだから、私がマリーヤになって彼に会いに行くだけでプロポーズイベント始まってクリアでしょ」

「まぁそうだピコね」

それではさくっと行ってきましょう! マリーヤルートのラス1に!




お読みくださりありがとうございます。

もし万が一、続きが気になるかもしれない??ということもありましたら、ブックマークお願いいたします。

評価、感想、ダメ出しも大歓迎です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ