⑥ 最高報酬ゲットだぜ!
「お待たせみんな! ショーの開幕で~~す! みんなでツーパンウーマンを大きな声で呼びましょうね~~!」
「やぁぁぁあぁ!!」
すごい熱狂ぶり。子どもと老人の声が混ざってふしぎな感じに。
「やぁぁぁ!」
ピータンの凛々しい声も混ざってるのね。
ショーが始まって、お年寄りも子どもも楽しそうだわ。これだけ魅惑的なコンテンツ、他にもないかしら。子どもが好きなもの~~子どもが好きなもの~~。
あ――っ!! あった!
「何だピコ?」
「ボケモンGONE!!」
「ああ、あの伝説のゲームピコね」
「あれなら2時間はつぶせる!」
「この時代スマホないピコよ」
「そんなこと分かってるわ。そうじゃなくて、みんな何が好きかって、宝探しよ。町に宝物点在させといて、それを探させれば歩くだけで時間がつぶれる!」
「宝物~~?」
「それはこれ~~」
この木彫りの人形、ちらっと見たら動物系怪獣だったんだ~~。ピータンも子どもの頃、こういうので遊んだのかな?
「ピータン、ちょっと私、町の方に行ってくるから、ミチェイルお願いね。ショー終わったら、ここで待ってて」
「ん? いいよ」
町に走ってきました~~。
「子どもの足でくまなく歩いて2時間の町なら、そこまで時間はかからないと思うけど、疲れそうだなぁ。まぁ仕方ないね。まずスタート地点の近くに置いて……」
といっても、宝が箱に入ってなくてむき出しじゃ雰囲気出ないわ。開ける楽しみも欲しい。でも何も手持ちがないし……。
「あっ、ゲームマスターから連絡だピコ! ちょっと待つピコ」
ピコピコが電話をするようで、向こうに行っちゃった。ここで話せばいいのに。
「問い合わせの返事だったピコ~~。特別にポータブルプレゼントボックス借りれたピコ!」
「へぇ~」
ぽん!と現れたそれは、見た目普通のロッカーだけど。
「中は4次元空間になってるピコ! 超高性能ピコ」
「超高性能でも食べ物が入ってなければ凡個体以下よ」
「食べ物のことばっかピコ~~。まぁ仕方ないか」
さぁ開けたら何が入ってるかしら。
ってあわわわ、なだれてきた――!
「【手伝っていただいたのにお礼もできなくてすみませんでした。今更ですがお受け取りください、ココナッツ2ヶ月分です。あと包みと紐も良ければ。あと後妻で良ければ。農場経営の主人より】だそうだピコ」
「余ったのをそのまま送り付けただけじゃないか――!!」
あと後妻は良くありません。
「でも食べ物だピコよ」
「だからもう白い飲み物は~~……あっ! これ!」
ボケモンのボールと同じ形状! これ使える!!
「この研ぎ澄まされたナイフで切って、ばりばりすくうスプーンで中身を取り除いてっと!」
「中身は?」
「捨てるのもったいないから、この4次元空間で保管して!」
「宇宙船内で食品飛び散った感じになるピコ」
木彫りの怪獣を空になったココナッツの殻に入れて、それを一応紐でくくって、道端に転がしておいたり、ひとんちの垣根に埋め込んだり~~。そして町中2時間かけて置いて回ったわゼェゼェゼェ。
「歩き疲れたピコ~~」
ピコピコ飛んでるじゃん。さ、ショーも終わってるだろうし、ふたりを呼んでこよう。
「ああ~~ツーパンウーマンかっこよかったなぁ!」
「カビローンロンも良いパフォーマンスだった」
ふたりがライブ後の高揚感に包まれているわ。
「ピータンも満足?」
「ああ、今日のカビローンロンの飛んでいく様もキレがあって良かった」
それは良かった。
「じゃあ、ふたりとも町に着て。ミニ怪獣を捕獲するわよ」
「えっ怪獣!?」
「これ見て。私も一匹捕獲したんだけど。町全体にこのボケモンがたくさん生息してるの。だからミチェイルも探索して、捕獲してね」
「うん!」
「へぇ、これボケモンって言うんだ?」
「ピータンが生みの親なんだから、個々の名付けは任せるわ」
「わぁ~~い! ここにもいた!!」
半分は見つけたわね。ちょっと休憩しましょうか。
「ぜひココナッツの中身を食べて……」
「君はジュース飲まないのかい?」
「白い飲み物は……。うっ……」
「もう夢に出てきてもおかしくないピコ」
「さぁ残りもさくさく捕獲しましょう!」
そして、もう日も落ちるという頃。
「まぁ! ミチェイル! いったいどこへ行っていたの!?」
あ、ミチェイルの家の前まで戻ってきてた。
「帰ってもいないから心配していたわ。よしよし、可愛い我が子ミチェイル」
あなたが毎晩帰らないようなので心配です。通報したいわ。
「昨日から迷子になってたんだけど、このお兄ちゃんとお姉ちゃんが連れてきてくれたんだ。いっぱい遊んでくれたよ」
ミチェイル、7歳のわりにちゃんと気の付く良い子ね。
「おおそれはそれは。ありがとうございます」
あ、飲んだくれパパも出てきた。
「ぜひ夕ご飯を食べていってください」
やったあああああ!(大歓喜)
夕飯をご馳走になって、そろそろ帰る時間。
「息子が本当にお世話になりました。良かったらこれをどうぞ」
あら、なにかしら。……酒場で3時間飲み放題チケット2枚組。ああ、勤務されている酒場ですね、フランポフルトの。
「私の方からも、ぜひおふたりでどうぞ」
こちらは、ミュージカル招待券2枚組。ああ、勤務されている……。
「でも私、ここからフランポフルトに行く汽車賃すら持ってなくて」
「まぁ、それならハイ、汽車賃です。どうぞ」
「えっ、そんなお小遣いもらっちゃっていいんですか?」
「私『経理』なので、大丈夫ですよ」
会社の金ちょろまかさないで!!
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