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らぶゆっ!  作者: 璃瑠@
88/92

86話→アイリスの作戦、一つ目!



「・・・なるほど、つまりここのXにこの値を代入すればいいわけだな?」



「はい。そうです」



俺は全くと言っていいほど解けなかった問題が、かなり解けるようになった。



あっちの世界でも数学はあったが、俺でもわかるレベルだった。



そんな世界の同い年のメイドさんが俺より頭いいのは少し落ち込みたくなるが、まぁ、教え方はかなりうまいし、とりあえず気にしない気にしない。



ちなみに、俺の勉強だけで、休憩を挟み4時間は費やしていた。



高校1年レベルの、簡単なとこから教わってたし。



そのお陰で、「今度のテストで赤点の心配はない」と、はっきり断言できるようになった。



俺はグッと背を伸ばすと、時計を見る。



18時28分。



早いけど飯にするかな。



「アイリス。そっちの現代文の勉強は晩飯後でもいいか?」



「はい。もちろんいいですよ」



アイリスが頷くのを確認すると、ゆっくりと立ち上がり部屋の出口へ向かう。



アイリスは、勉強道具で散らかっている机の上を少し整理してから俺の後に着いてきた。



「アイリス。お前、私服も似合ってるな」



ふと思ったことを言ってみた。



そういえば、こっちの世界に馴染み初めてからはメイド服姿のアイリスを見てない気がする。



「そ、そうですか?ありがとうございます」



アイリスは少し頬を赤くしながら、照れたように笑う。



可愛いなぁ、おい。



俺はほんわかした気持ちで、晩飯を食べに食堂へ向かう。



食堂に入ると、食べ物の乗った皿を机に並べている流さんがいた。



「あら?今日は早いね?」


少し驚いたような表情をしている流さんは、俺とアイリスを交互に見ると、にやにやと笑いだした。



「・・・・な、なんですか?」



まぁ、なんとなく言われそうなことは予想できるが。


「いえ、ただ、二人とも仲が良いな〜と思って」



・・・・はっきりとは言ってないが、言いたいことはだいたいわかった。



「とりあえず、ご飯食べていいんですか?」



俺の質問に、どうぞ、と席に座るよう促す流さん。



俺とアイリスは席に座ると、今日の晩ご飯の前でいただきます、と手を合わせて食事を始めた。










食事が終わって、アイリスと一緒に食堂から出ると同時に、アリスと夏凪と梓が食堂に入ってきた。



「あれ?はやと、もう食べ終わったの?」



「うん。まぁな。今日は色々とやることあるし」



俺がそう言うと、俺の後ろにいるアイリスを見て表情が暗くなるアリス達。



「なんか、怪しいですわ・・・・・」



いつの間に来ていたのか、チョコが訝しげにこちらを見ている。



なんか生徒会の面々や優達も来そうな雰囲気だったので、俺はアイリスに視線を送ると、逃げるように走り去った。



葉雇が走り去る背中を見ながら、アイリスがクスッと笑う。



「では、皆さん。くれぐれも邪魔しないでくださいね?」



アイリスはそう言い残すと葉雇の後を追った。



葉雇とアイリスを見送りながら、みんなの心がシンクロする。



『絶対、何かある』、と。









とりあえず部屋に戻ってきた俺は、先に風呂に入ることを提案した。



アイリスからも賛成の声があがったので、さっさと風呂に入ることにした。



「・・・・で、なんでこうなるんだ?」



俺の疑問に、アイリスはクスクスッと笑うと、「まぁ、いいじゃないですか」と俺の背中をパシパシと叩いてくる。



俺はため息をつくと、風呂場にも鍵を付けなきゃ危険だな。と頭の中にメモをする。



今回は油断してた。まじで。



俺が、先に入れば?とアイリスに勧めると、断固拒否されたのだ。



今思えば、それもアイリスの作戦の一つだったのだろう。



俺が風呂に入るとすぐに、アイリスが風呂に入ってきた。



しかもタオルで前を隠すなんてことしやがらないから、あちこち丸見えなわけで。



俺も俺で、アイリスが入ってくるなんてことを知るはずもなく生まれたままの姿。



血が下のある部分に集まる感覚を感じて急いで手で隠すが、アイリスの視線はしっかり俺の股間に。



・・・・・・たぶん見られたと思うが・・・まぁ、見られて減る程立派なもんじゃないし、まぁいい・・・・いや、よくない。



すると唐突に、アイリスが背中を流させてほしいと言ってきた。



前を隠せる俺にとってはかなり好条件だ。



俺はすんなりと背中を明け渡した。



で、今現在にいたるわけで。



とりあえず、このまま風呂場にアイリスといたら、理性が保たない。



確実に。



俺は風呂場から無事に脱出できることを祈りながら、時々わざとらしく触れるアイリスのふくよかな胸の感触に、心の中で感謝の涙を流した。

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