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らぶゆっ!  作者: 璃瑠@
83/92

81話→体育祭、其のよんっ!



中庭に到着すると、先に到着していたのかグリムとケンが手を振ってきた。



俺はそれに手を振り返して、母さんとかがいないことに気づいた。



「??あれ?母さんとかは?」



「あぁ・・・なんか飲み物を持ってくるの忘れたとかで買いに行った」



グリムが苦笑しながら答える。



俺も苦笑いするしかない。


「アリス、座って待っとくか」



俺の言葉にアリスが頷くのを確認すると、靴を脱いでケンとグリムが座っているシートに腰かける。



アリスは当たり前のように俺の横に座り、それを見たケンとグリムがニヤニヤする。



「・・・こっち見んな」



俺の言葉に、さらにニヤニヤ度を増すケンとグリム。



「ケン、なんかリア充がぼやいてるよ?どうしようか」



「グリム、そうだねぇ・・・・とりあえず見守ってやろうか」



・・・・うざぃ・・・つか、なんでリア充って言葉知ってんだよ・・・・・・。


たぶん原因は優か。



「俺、別にリア充じゃねぇし!」



俺の言葉を、ハイハイと流す二人。



くそぅ・・・こいつら・・・・。



「もういいや。アリスぅ、二人で絡もうぜ?」



「・・・・うへっ!?な、ななななななな何言ってんのさ!?」



俺の言葉に顔を真っ赤にするアリス。



「おいおい。なんか熱いな」



「そ〜だね〜。なんか、本当に熱いよね〜」



グリムとケンの囃したてる声に、自分の顔が少しづつ赤くなるのを感じる。



確かに、なんか変なこと言ったかも・・・。



「なぁ、俺が言った絡むってそういう意味じゃないからな?誤解すんなよ?」



「・・・・・・・・・・・・わかってるよ?」



アリスは、当たり前じゃん、という感じで首を縦に振る。



・・・今のは絶対嘘だろ。



さっきの妙に長い間はなんなんだよ。



「おい、はやと〜。フラグ立てたんなら、ちゃんと責任持たなきゃ・・・・・・って優が言ってたぜ?」



優のやつ・・・・なんて余計な知識を教えたんだ・・・・・・。



「グリム、いいか?フラグはな、時には折らなきゃいけないときもあるんだ。」


グリムは理解出来ないとばかりに首を傾げる。



俺は、その理由を説明してやる。



「フラグを立てまくって殺される某ゲームの主人を見てみろ。アニメ版では無残に殺された上に、コメントが自由に投稿できる某動画サイトでは『誠死ね』のコメントが流れまくってたろ?つまりだ、フラグは時には折ることも大事。コレ、テストにでるからな?」



俺の言葉に、フムフムと頷くグリムとケン。



アリスはわけがわからないといった感じで首を傾げている。



まぁ、オタな会話だし仕方ないか。



今度アリスに適当にアニメでも見せてみるかな、とか考えていると、飲み物を抱えた母さんが歩いて来ているのが見えた。



その後ろには、姫様達やアイリス、ルミナスと、カルア以外の生徒会メンバーがいた。



それぞれ自分のクラスで食べればいいものを・・・・。



周りの視線がめっちゃ痛いじゃないか・・・・・。



母さん達はそんな視線を気にすることなくシートに腰を下ろすと、テキパキと弁当の用意を始めた。



弁当の用意途中にカルアと夏凪がやってきたけど、弁当には目もくれずに俺の方を睨みまくっている。



無言でのプレッシャーってのが一番怖いよね、まじで。



俺が二人の睨みに怯えている間にも、弁当の用意は進められていきあとは食べるだけとなった。



それぞれが作った弁当を中心置き、円になって、いただきますの声とともに弁当を口に運ぶ。



外で食べているのと、滅多にしない運動をした後というのもあり、食がどんどん進む。



それに自分で作ったから好物ばかり詰めてあるのだ。


いやぁ、食べるっていいね。



母さんはみんなで食べる用に少し大きめの弁当に料理を詰めてきている。



それの殆どが俺と夏凪の好物で、自分の弁当を食べながらもそちらに箸がのびる。



食べることに夢中になっていると、不意に体操服の袖が引っ張られた。



「どうした?」



袖を引っ張った人物はアリスだ。



アリスは、母さんが作った料理に箸を刺すとそれを俺に向けてきた。



これはまさか・・・・・・。



「えっと・・・・あ〜ん」


・・・ですよねぇ。



その態勢から考えられる行動はそれしかないし。



「突然、どうしたんだ?」


俺はこっちに集まる痛い視線を無視しつつ、アリスに問い掛ける。



「本で、読んだから・・・・好きな人にこうしたら喜ばれるって」



あえて何の本かは聞かないが・・・・。



「いや、まぁ間違いではないけどな・・・その行為は恋人同士とかがするもんであってだな・・・・」



「・・・・・・食べてくれないの?」



上目遣いで見るとか・・・・反則だろ・・・・・。



俺は覚悟を決めると、アリスが差し出してきた料理に噛り付く。



それを咀嚼していると、今度は自分の番だと言わんばかりにアリスが口を開いている。



「あれ?フラグ折るとか言ってたよな?」



「グリム、それ、僕も聞いたよ」



ケンとグリムがこっちを見てニヤニヤしている。



・・・後で殴る。



俺はそう思いながらも、自分の弁当から適当におかずを選び、アリスの口に運ぶ。



それをパクッと口に入れて、美味しそうにモグモグしているアリスに癒されながらも、目が病んでるみなさんをどうするか悩む。



俺は全員を見るように視線を動かす。



笑っている母さん。



にやけている、ケンとグリム。



我関せずといった感じで弁当を食べている、ユアとカルアを除いた生徒会メンバー。



そいつらに助けを求める視線を送るが、全員スルー。



さて、この状況どうしようか・・・・。

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