7話→友達!
長いから誤字脱字あるかも・・・見つけたら報告よろですm(__)m
「はやと、お前異世界人〈にんげん〉だったのか?」
席に着いた俺にグリムが話しかけてくる。
「にんげんって、そんなに凄いのか?」
「当たり前だろ。異世界人〈にんげん〉は滅多に会えるもんじゃないし、それに・・・・。」
グリムが何か言うのを躊躇ってる。
さて、無理に聞くか流すか。
「言いたくなかったら言わなくていいが?」
「あ、いや。俺も噂にしか聞いたことないんだが・・・・」
グリムは唾をゴクッと飲み込む。
「実は、異世界人〈にんげん〉にはこの世界の女を誑かす能力があるらしい。」
なんじゃそりゃ?そんなエロゲの主人公的な能力が俺に?
「確か、なのか?」
「いやあくまでも噂だが、前、三百年前くらいに来た奴はそりゃあすごい勢いで女を妊娠させていったらしい。」
誰だそいつは。
なるほど、クラスの大半を占めてる女子から変態を見るような目で見られているのはそのせいか・・・・。
「多分、そのにんげんが特例なんだと思うぞ?ほら、証拠に」
と、グリムに周りを見回すように促す。
キョロキョロと辺りを見たグリムは「そうみたいだな」と苦笑するしかなかった。
そんなこんなで無事(?)自己紹介を終えた俺は、次の授業が始まるまでの休み時間にグリムから元の世界について色々聞かれた。
アリスの方をちらっと見たが、さっそく友達を作ったようで楽しく会話しているみたいだ。
「で?そっちの世界の食い物で何が好きだった?」
「ん〜カレーとか?」
「かれぇ?何それどんなの?」
グリムとの会話でわかったことが2つある。
一つ目は、基本が俺みたいなにんげんの姿をしてるやつが多いから、米という食べ物はあるらしいが主食は肉であること。
二つ目は、米、方面でもそうだがあまり食文化が進んでないことだ。
「材料があったら今度作ってやるよ。」
そう、俺はエロゲ大好きのオタクだが、家の環境的に料理をするのは俺の仕事になるわけで。
俺も料理を作る事が好きだったから腕前はなかなかだと自負している。
「本当かよ!?期待してるぜぇ!」
グリムがぺろりと唇を舐める。グリムは見た感じワイルドって感じのやつだ。
今の仕草は似合いすぎる。そう思い、笑いを堪えていると横から、「あのぅ」とおどおどした感じで割り込みがあった。
俺とグリムが声の主を見ると、このクラスのもう一人の男子。ケン・シロウが話しかけてきていた。
「あの、男子僕たちだけだし良かったら仲良くしてくれないかなぁって。えへへ」
こりゃあ一部のショタ趣味のやつなら一発で墜ちる笑顔だな、と思いつつグリムの方を見る。
グリムはニコッと笑うと、「俺は、まぁ自己紹介したからわかるか。呼ぶときはグリムで。」
と手を出して握手を求めている。
「俺は、葉雇って呼んでくれたらいい。にんげんだがよろしくな」
と、俺も手を出す。
「僕は、えと、ケンって呼んでください。あの、よろしく。」
俺とグリムの手を掴んで嬉しそうに笑うケン。
この笑顔はアリスの次に癒されるなぁ、などと思っていると、教室に先生が入ってきたのを見たケンが自分の席に慌てて戻っていった。
授業は『数学』『古代学』『生物学』『実演学』『美学』『帝王学』『魔法学』と、全部で7教科あるということは朝メイドさんから説明してもらっていて、教材も受け取っているので理解していた。
『帝王学』『実演学』『魔法学』以外は、大体元いた世界の教科と変わらなかった。
一限目は数学。元いた世界の数学を経験してる俺にとっては、楽な内容だった。
内容としては中学一年程度の内容といったとこだろう。
元高校二年生の俺にとっては楽すぎた。
次の時間の生物学も、理数系の俺としては簡単すぎたし、次の古代学も知らない歴史ばかりで楽しかった。
実演学と帝王学、それに魔法学は三限分の時間を使うくらいに力を入れてるらしい。
この学校は六限授業で終わりなので、その3つは一日ごとに受ける事になっている。
今日は魔法学。と、その前に昼休みになった。午前が3時限。午後3時限といった感じだ。
俺とグリムとケンは、学食に向かった。学食は生徒なら無料解放されているらしい。
「こっちの料理がどんな味か楽しみだ」
俺の言葉にグリムとケンが笑う。
「期待しないほうがいい」とはグリムの言葉だ。
この二人は中等部からの入学らしい。
ちなみに、中等部では魔力でクラスが分けられていたわけではなく、普通にランダムのクラス編成だったそうだ。
「これ、まじ?」
俺の言葉に二人は苦笑する。
今日のメニューは肉と野菜だけ。
しかも、肉はほぼ素の味で美味しくない。野菜は新鮮で美味しかったが。
見た目的にも味的にも、元の世界と大差ないのは有り難かったが味はダメダメだ。
「お前ら、よくこんなん食べてられたな。」
俺の質問にグリムが自分の肉を頬張りながら答える。
「しょうがねぇだろ。これがこっちの普通なんだ。美味しい物を食べられんのは王族だけだろうな。たぶん」
確かに朝飯はかなり美味かったな、と思いつつ気になることを聞いてみる。
「食べられないって、調味料とか高いのか?」
その質問にはケンが答えた。
「そういうわけじゃないんだけど・・・・むしろ調味料の類は安いよ。ただ、一般家庭にそういうものを使って料理するって考えがないだけだと思う。美味しい料理の作り方は王宮料理人に口伝されるらしいしね。」
と諦めたようにケンが笑う。
むぅ、料理人の血が騒ぐな。
「今日の夜、なんか作ってやるよ。美味いもの。」
俺の言葉に二人は目を輝かせる。
「まじで?」「本当に?」二人の声が重なる。
「ただ材料と調理場が問題だな。どうしようか?」
「あぁ、材料なら任せとけ。商人の知り合いがいるから声かけてみる。」
と、グリム。
「調理場なら学食の人知り合いだから借りれるかも」と、ケン。
なるほど、二人はなかなか友達の輪が広いらしい。
俺は、グリムにどの材料を使うか伝える。
さて、今日忙しくなりそうだ。