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らぶゆっ!  作者: 璃瑠@
77/92

75話→登校!



寮に帰ると、流さんが何も言わずに出迎えてくれた。



俺は心の中で感謝しつつ、自分の部屋のシャワーで砂を流す。



風呂場から出ると、控えめなノックの音とともに流さんが部屋に入ってきた。



「制服、汚れてたみたいですから。洗濯しときましょうか?」



俺は2回頷くと、言葉に甘えて制服を渡す。



流さんはニコッと笑いながらそれを受け取ると、一礼して部屋から去っていった。



俺はもう外に出ることもないだろうと思いパジャマに着替えると、パソコンを起動させて趣味の為に時間を費やし始めた。













次の日の朝。



2日連続で学校をさぼった俺は、強制連行という名の登校をしていた。



「お、おい・・・・・・手、放さないか?」



俺は手を握って放そうとしないアリスと夏凪に抵抗してみるが、どこから力が湧いてるのかというくらい強い力で手を握られているので、振りほどくこともできない。



二人は、「逃げるからダメ」と言って放そうとしないし、話し合いじゃ解決できないだろうな、たぶん。



いい加減、通りすがりの人の嫉みの視線がきつい。



それに加え、後ろの方からはニタニタ顔の優達と般若みたいになっている梓含め異世界のみなさんの視線が痛すぎる。



学校に行きたくないです、まじで。



教室に到着すると、数人のクラスメイトが俺を睨んできた。



朝早いし、あんまり人はいないけど10人近くから同時に睨まれるのはさすがに堪え難いな・・・・。



教室に入ると、夏凪とアリスが解放してくれた。



俺はノロノロと自分の席に着くと、机に突っ伏した。


ゆっくり顔を上げると、アリスの姿がまだあった。



どうやら同じクラスらしいな。



「はやと、大丈夫?」



優が、自分の席に鞄を置いて俺の方に駆けてきた。



「・・・だるぃ」



俺は目を細めて優を見ると、だるそうに欠伸をする。


「よかった。元気そうだね」



・・・・今、元気な素振りなんて見せてないよな?



「・・・ったく、まぁいいか」



俺は苦笑しながらも、優との久しぶりの会話を楽しんだ。



チャイムが鳴り、先生が来てHRが始まる。



優曰く、同じクラスになったのはアリスとカルアだけで、他はそれぞれバラバラのクラスに別れているけど、もう学校に馴染んでいるらしい。



それどころか、すでにファンクラブまで存在するとか。



まぁ、そりゃそうだろうな。



逆に変な扱いされる方がありえないし。



朝のHR中にそんなことを考えていると、教室のドアが荒く開かれる音がした。



担任の教師とクラスメイトの視線が集まる中、ドアを開いた主はおたけびにも似た声で俺の名前を呼ぶ。



「ゴミトはどこだぁ!?来てるのは知ってるんだぜぇ!!」



俺は聞き覚えのある声に、現実逃避したくなった。



俺がゆっくり立ち上がると、そいつらが教室に入ってきた。



いつかの校舎裏のヤンキー達か・・・・。



担任の先生は、運悪く新任の女先生だ。



めっちゃきょどってるし。


「あ、あ、あの!今はHR中だから教室から出ていってください!」



お、よく言えました。新任の割りによくやるな、あの人。



名前は覚えてないけど。



「あぁ!?犯すぞ糞がぁ!!」



「すっ、すみません!」



あぁ、今の謝罪で先生の株が俺の中で大暴落したな。


ヤンキー達はズカズカと教室を闊歩して俺の近くまで歩いてきた。



みんなビビリまくってるな〜。



特に男子、俺をいじめてた時の威勢の良さはどうしたんだよ。



ヤンキー達は俺の机をグルリと囲むと、ガンガン机を蹴ってきた。



前は3人だったが今日は5人いるし。



マジで目障りだな。



「オイ、聞いてんのか?あァ?」



いや、何にも聞いてなかった。



これ以上教室に居てもらったら邪魔だし、アリスと夏凪と梓とカルアがまじで殺しかねない。



だって、こっち見てる目がめっちゃ恐いんだもん。



ヤンキー達、殺気くらい気づこうよ・・・。



俺は上半身に魔力を練ると、にやりと笑って挑発する。



「群れなきゃ何もできない雑魚ですね?わかります」


しょうがなく命だけは助けてやるか。



「っっ!?てめぇ!!」



挑発に乗って一人が殴りかかってきたけど、軽く避けて返り討ち。



残りの四人もボコボコにしてやった。



教室には、誰だコイツ?という目で俺を見てくるやつばかり。



まぁ、今までは虐められても気にしてなかったからな。



俺の強さに驚いたんだろうな。



俺は得意気に笑うと、ゆっくり着席して欠伸を1つ。


HRが終わるまでの数分、教室は静けさに包まれていた。

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