71話→プリンセス・アタック!
誤字、脱字、気になる点があったら、気兼ねなく報告してくださいね。
コンコン。
突然のノックの音に、いい感じのところまで進んでいたエロゲを中断させる。
ふとPCの時計を見ると、22時を少し過ぎていた。
明日も学校あるし、こんな時間に誰だろう?と不審に思いながらドアに向かった。
ドアをゆっくり開けると、姫様4人が立っていた。
今日はアイリスを追い出すことに成功したし、ゆっくりできると思ったのに・・・・と心の中でため息をつく。
「・・・何か用?」
俺が質問すると、姫様達はそれぞれ顔を赤くしながら挙動不審になり始めた。
「と、とりあえず中に入れてくれない?」
最初に声を出したのはルナ。
俺は首を傾げながらも頷いた。
とりあえず、点けっぱなしになっているPCの電源を切るために、適当に座っといてと言い残してPCの前に向かう。
ガチャ。
PCがシャットダウンし始めたので、ディスプレイの画面を消した瞬間、部屋の鍵の閉まる音がした。
恐る恐る振り返ると、俺の逃げ道を封鎖するかのように姫様達が横並びに立っていた。
「な、何したいんだ?お前ら」
俺の一言に、さっきよりも顔を赤くしながらルナが宣言した。
「夜這いをしにきたっ!」
・・・・・・・ぇ?
「い、いやぁ、そんな冗談は笑えないよ?本当に」
「じ、冗談じゃない!他の人に負けない為に一番有効な手段だ・・・・・と思う」
なんだろう、コレ。
いつも強気なルナが、弱気な顔してるのは何かそそられるものが・・・・・・・・・いや、ダメだ。
きっと罠なんだ、コレは。俺の男心を打ち砕くための巧みな罠なんだよ。
俺は自分に言い聞かせて、ルナの魅力に耐える。
「それに、お母様も言ってたし。『欲しいものがあるなら奪え。その為にはどんなことでもしろ』って」
おいおい、ルナのお母様。
自重してくれよ・・・・・。
「いや、しかしだな。お前、俺のこと好きとかじゃないんだろ?あとニルも」
チョコとリリィはフラグ立てたかもだが、残りの二人は知らない。
「確かに、私とニルはあんたのこと好きじゃないけど・・・・・・・・・あぅ」
ルナは何か言いたそうに口をパクパクさせている。
「私とルナ姉さんは、妹の為に体を張るのです」
そう宣言したのはニル。
そういえば、ニルとはあんまり喋ったことないな・・・・なんて思いつつ、ニルの宣言を否定する。
「妹の為って、それでいいのか?普通、そういう行為は好きな人とするもんだろ?」
俺の言葉に、ニルはニコリと微笑む。
「やっぱり、はやとは優しいです。私とルナ姉さんもきっといつかはやとを好きになる気がするのです。だから、大丈夫」
ルナも同じことを言いたかったのだろう。さっきからニルの言葉に頷いている。
「俺を好きに、ねぇ・・・・・・俺はそんなにいい男じゃないし、好きになるなんてありえるのか?」
俺の質問に、ルナとニルは大きく首を縦に振る。
「・・・・まぁいいか。ないと思うけど・・・・・・・てか、それじゃあ妹達の手伝いになってないよな?」
俺の言葉に、黙っていたリリィとチョコが反応する。
「確かに、ですわ。お姉様達に騙されましたわ・・・・」
「そうですね。やはり、身内から敵視するべきでした・・・・」
二人はメラメラと闘志を燃やしている。
「・・・・・・とりあえず、俺は寝たいんだが。そろそろ電気消すぞ」
俺は欠伸しながらベッドに倒れこむ。
そんな俺の言葉に、4人はあたふたし始める。
「も、もうですの?ま、ま、まだ心の準備が・・・・・・」
「ううっ・・・・とても緊張してきました・・・・・・」
「・・・や、やっぱり、最初は痛いのかな?」
「たぶん、です・・・・みんな初めてだから、よくわからないですけど・・・・・」
ええっ!?ちょい待ち。
まさか、寝るって単語を別の意味で捉えたんじゃないのか?
ゲームでも4人同時に相手をするとか聞いたことないし。
って、そういう問題じゃなくて!!
貞操の危機だよな!コレ。
いや、嫌じゃないよ?そこんところ、ヨロシク!
って何言ってんだ、俺・・・・。
そんな風に俺がテンパっている間に、部屋の電気は消されて月明かりだけとなった。
静まり返る部屋に、自分の心臓の音と、姫様達の服を脱ぐような音だけが耳に残る。
俺は生唾をゴクッと飲み込むと、月明かりに照らされた姫様達の体に見惚れてしまう。
夜はまだ、始まったばかりだ。