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らぶゆっ!  作者: 璃瑠@
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68話→生徒会長の暴食!



とりあえず商店街に着いた俺は、12時を知らせる鐘の音を聞きながらどの店に入るか悩んでいた。



カルアに聞こうにも、こっちの世界のことはあんまり知らないだろうし。



ブラブラ歩いていると、とあるレストランを見つけた。



全国にチェーン店もあるし、値段も学生には高いか安いかの中間辺りの店だ。



そろそろ腹の虫が暴れだしそうなので、それを抑えるために店のドアを開けた。


「いらっしゃいませ〜」



ウェイトレスさんが駆け寄ってきて、ニコッと営業スマイルを見せる。



「何名様ですか?」



「・・・2名です」



「かしこまりました〜。では空いている席へどうぞ」


ウェイトレスさんの格好と態度を物珍しそうに見ていたカルアは、俺が歩き始めるとゆっくりとそれに続いた。



平日の昼、ということもあって人はかなり少なかった。



混雑は嫌いだしありがたいけど。



俺が適当な席に座ると、カルアが俺の横に並んだ。



おいおい、普通は正面だろ・・・・。



まぁ、別の世界の人なのだ。



こっちの常識もわかるはずないし、仕方ないね。



俺は気づかれないようにそっとため息を吐くと、メニューを手にとって何を注文するか考える。



「・・・・さっきから妙におとなしいな・・・」



なぜか店に入った瞬間からカルアは全然喋らなくなった。



腹でも痛いのか?



「・・・別に。ただ、少し緊張するだけだ」



あらま、口調が生徒会長になってるし。



何か知らんが相当緊張しているみたいだな・・・。



「いや、別に緊張なんてしなくていいからさ。ほら、学食みたいな感覚でいいんだぜ?」



俺がそう言うと、カルアは1回頷いてスーハースーハーと深呼吸をし始めた。



「よし、大丈夫」



カルアはそう言うと、俺を見てにぱっと笑う。



なんだその兵器並の笑顔は・・・・萌え死にかけたじゃないか。



「と、とりあえず何食べるか決めてくれ」



俺は誤魔化すようにメニューをカルアに渡す。



「?この中から選ぶの??」



俺はカルアの言葉に頷く。


カルアはページをパラパラと捲り、あるページを見て目をキラキラと輝かせ始めた。



「コレッ!!わたし、これがいい!!」



そう言ってカルアはメニューのある1点を指差した。


そこには、『お子様ランチ780円』と書かれていた。


俺は吹き出しそうになるのを堪えつつ、コレコレうるさいカルアを宥める。



まぁー、あれだろうな。



盛ってある炒飯に刺さっている旗に釣られたんだろうね。



俺は苦笑しつつ、ウェイトレスさんを呼ぶためのボタンを押した。



俺とカルアはしっかりと学生服を着ているわけで。



ウェイトレスさんも、注文を聞いて吹き出しそうになるのを堪えているみたいだった。



きっと、俺とウェイトレスさんが、『お子様ランチ』という単語とカルアを合わせて思った感想は同じだろうな。



高校生だけど、似合いすぎる。



まぁ、本人に知られたらあの世へまっしぐらなんだけどね。



注文をして、5分も経たない内に料理は運ばれてきた。



人が少ないってやっぱいいなぁ。



とか思いつつ、お子様ランチをどれから食べようかとあたふたしているカルアの姿に自然と笑みがこぼれる。



なんかいいよね。こういうの。



「美味しいか?」



俺の言葉に、食べ物で頬を膨らませながら頷くカルア。



自分で頼んだハンバーグをつまみながら、俺はそんなカルアを見てかなり癒されていた。



最近、ストレスとか蓄まりまくってたしありがたいことこの上ない。



俺がゆっくり箸を進めていると、カルアが目をキラキラと光らせてこちらを見ている。



どうした?と首を傾げると、カルアの視線が俺のハンバーグに向いていることに気づいた。



俺は空になっているカルアの皿を見ると、苦笑しながらハンバーグを差し出した。



それをうまそうに食べる姿を見ると、なんか満たされた気分になる。



食事を食べ終えて店を出た俺達は、これからどう時間を潰そうか話し合いを始めた。



いつのまにか、カルアも学校さぼっちゃてるな。



なんて思いながら、カルアの意見を聞く。



俺はカルアとの会話に夢中で気づかなかった。



後ろに迫る彼女達の存在に。


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