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らぶゆっ!  作者: 璃瑠@
69/92

67話→ツンデレ生徒会長!



「とりあえず、避けてくれぇぇぇぇえ!!」



俺はそう叫びながら、正面、つまり生徒会長の方に飛んだ。



髪の毛の天辺あたりが燃えるような感触はしたが、どうやら無事みたいだ。



ほっ、と安堵のため息を吐ける・・・わけもなく、次の危険がひしひしと迫っていた。



「ちょ!?どこ触ってるの!?」



俺は、その言葉に自分の手元を見る。



「っっ!?すまんっ!!」


俺は急いで手を退かす。



まぁ、胸を触ってしまっていたのはお約束ってな。



肝心な凹凸がなくて胸と気づかなかったというのは、言ったら死にそうだからやめとこう。



「いや、別にわざと触ったんじゃないんだよ。俺はツルペタには興味なゲフンゲフン」



興味ないと言おうとしたら、また魔力を練り始めたので誤魔化してみた。



「・・・・・・・」



生徒会長が、俺をジーッと見てくる。



「・・・・・・・・・」



俺はそれを沈黙で返す。



・・・・・・あるぇ?なんか妙な空気になってるよ?


「・・・・どうして避けれたの?」



呟くようにボソッと喋る生徒会長。



口調は素のままみたいだな。



「??別に、普通に避けただけだが・・・」



俺の言葉に、唇を噛み締める生徒会長。



「嘘だ!!わたし、頑張って練習して誰にも避けられない速さにしたのに・・・・それを避けるなんて・・・・・・」



「いや、まぁ、その・・・・たまたまだよ。ほら、火事場の馬鹿力ってやつ」



俺の言葉にう〜んと唸る生徒会長。



俺は生徒会長の次の言葉を待ちながら空を仰ぐ。



屋根の上で座りながら、正面には可愛い女の子の分類に入る生徒会長が居て。



学生は授業中だし、色々あったがなんだか気分がいい。



いつのまにか時間は昼前になっていた。



なんか腹も減ってきたし、そろそろ飯食べに行くかな。



俺は財布を取り出して中身を確認しつつ、ゆっくりと立ち上がる。



「生徒会長さん、俺、昼飯食うからそろそろお邪魔するわ」



ズボンについた汚れを叩いて、鞄を抱える。



さて、行きますか。



俺は足に魔力を集中させる。



ジャンプ力強化しないと、この家の庭に落ちてしまう。



それだけは絶対にいやだ。


「・・・・・・カルア」



ふと生徒会長の声がして振り向いてみると、生徒会長は立ち上がってスカートを叩きながらこっちを見てくる。



「わたしのこと、カルアって呼んで」



なるほど、自己紹介か。



確かに名前を知らないのは不便だしな。



「わかった。俺の名前は、知ってるよな?」



俺の言葉に頷く生徒会長、もといカルア。



「それと、その・・・・・・あの・・・・・む、胸を触った責任をとって」



そう言ってツンと顔を背けるカルア。



は?何ですか?



あんな事故同然のことに、責任をとれ、と?



「ぐ、具体的に何をすれば?」



俺は恐る恐る聞いてみる。


カルアはそんな俺の言葉にゴホンと咳き込むと、横目で俺を見てきた。



「そ、そうだな。もうすぐ昼時だし、昼飯をだな・・・・」



なんか、口調が生徒会長っぽくなってるなぁ。



似合ってないのに。



「あのさ、昼飯は奢ってやるからその口調はやめてくんねぇ?俺は素のカルアの方が可愛いと思う」



俺の言葉に、顔を真っ赤にしてぎこちなく頷くカルア。



なんだろう。軽く誉めただけなのにこっちも恥ずかしくなってくるな。



「と、とりあえず行こうか・・・・」



俺は恥ずかしさを紛らわすために、わざとらしく大きな声を出して屋根を蹴った。



そんな俺を恨めしそうに睨む犬の桃太郎を視線で追いながら、無事に地面に着地。



数秒遅れてカルアも降り立つ。



俺たちは気まずい雰囲気のまま、食事をするための店がある商店街に向けて歩き始めた。

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