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らぶゆっ!  作者: 璃瑠@
63/92

61話→星満寮〜後編・嵐の前のエロゲ〜



流さんの料理はなかなかのものだった。



普通に美味かったし。



晩飯の後、とりあえず風呂に入りたいなぁと思って部屋の備え付けの風呂に向かう。



だって、大風呂、つまり備え付けじゃない方の風呂は露天風呂らしいのだが、1つしかなく混浴形式になってるらしい。



じょーだんじゃない。



人間は進化する生物だ。



混浴なんかに釣られないぜ。



前から寮にいた3人は女子ばかりらしく、何も問題はなかったのだが今は男子が3人いる。



ちなみに、優はちゃんと自宅通学だからな。



3人は、俺とケンとグリムだ。



とりあえず、自室の風呂でのんびりお湯に浸かる。



「ふひぃ〜なんか、風呂が唯一の癒しなんて虚しいな」



独り言をごちりながら、俺はゆっくりと疲れを癒し始めた。










「・・・・・なんで?」



風呂から上がり、頭をタオルでゴシゴシ拭きながらパンツ一丁で浴場から出てくると、ベッドの上にアイリスが座っていた。



「あ、はやと様。お風呂から上がられたんですね。では、私も入ってきます」



「お、おぅ」



俺は適当に返事をして、俺の部屋の風呂場に向かうアイリスをぼーっと見つめる。



アイリスの姿が見えなくなると、ベッドに腰をおろして頭を抱える。



(まて、待て、待てぇぇぇぇい!なんでアイリスがここにいるんだよ!!)



うーっ、と唸りながら頭を抱えているとあることを思い出した。



そういえば、母さんが部屋の鍵を配ってたな・・・。


今更思い出すとは、不覚だ・・・・・・。



俺はとりあえず落ち着くために、母さんから持ってきてもらった荷物の中にあるノートパソコンを取り出して、たちあげる。



よく知っている、お気に入りの待ち受けが表示されるとともにゲームを開始する。



この前購入したばかりの新作エロゲ。



まだ手をつけてなかったが、昨日、たまっていたゲームを全部処理できたのだ。


新作をすれば、きっと気持ちを落ち着けられるはずだ。



ゲームが起動して、OPが流れ始める。



やはりこの絵師の絵はいいよなぁ。



にやっ、と笑いながらなかなか神曲なOPを聞く。



女の風呂は長い。



まだアイリスがあがってくるまで時間はあるはずだ。


OPでテンションをあげつつ、ゲーム本編に入る。



・・・・・・カチッ。



・・・カチカチッ。



カチッ・・・・カチッ。



マウスのクリック音が部屋に響く。



『ご主人様ぁ〜』



「ぶほぉっ!?」



所々で声が出るのは、PC版のエロゲではよくあるのだが・・・。



俺はキョロキョロと不審に視線を動かして、今のを誰にも聞かれてないことを確認して安堵のため息を吐く。



・・・あっぶねー。誰かに聞かれたらやばかった。



特にアイリスとか。



メイドもののエロゲを、本物のメイドの前でやるなんて誘ってるとしか思えないからな。



てか、説明書をちゃんと読んでなかったのは俺のミスだな。



諦めて、ゲームを終了させようとして手が止まる。



ゲームの中のヒロインがこっちを見ているじゃないか・・・・・くっ・・・。



俺は覚悟を決めると、マウスのクリックを再開した。


ここでやめたら男が廃るぜ!なんて自嘲しつつ画面に集中する。



幸い、シャワーの音は聞こえるしな。



聞こえなくなったら赤信号。



ゲームをやめればいい。











何分たっただろう。



ゲームはなかなかやばいシーンに突入していた。



そういえば、ルート前から18シーンがあるって某掲示板に書いてあったな。



『んっ・・・・ふぅ、はぁ・・・ご主人様・・・・・わたし・・・いきますぅ・・・・・・』



卑猥な台詞とともに、声優さんの見事なボイスが。



・・・・カチッ。



俺は、にやけながらクリックを進める。



「はやと様〜、あがりましたよ〜」



「!!?ぬぁっ!?ちょい待てぇ!」



アイリスの声に反応した俺は、急いでセーブデータ保存を始める。



はやくしろぉ〜!!



祈りながら、風呂場の方に視線を送るとアイリスがタオルで髪を拭きながら出てきた。



『セーブ完了だよんっ♪』


その一言を聞くと、瞬時にゲームを閉じる。



「??はやと様?何ですか?それ」



そう言って近づいてくるアイリス。



そういえば、パソコンなんて見るの初めてか。



「あぁ、これはパソコンっていってだな・・・・」



パソコンの説明をしながらほっと息を吐く。



なんとか助かった・・・と。



俺はまだ気づいてなかったのだ。



アイリスが、いつ風呂からあがったのかということを。

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