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らぶゆっ!  作者: 璃瑠@
60/92

58話→準備!



「嘘ついてすんませんでした」



仁王立ちで黒いオーラを放っている二人に土下座をする俺。



その様子を複雑な感じで見ているアリス達。



とりあえず、1ヵ月前に話したことが嘘で本当はどこに行っていたかを話した俺は、話を進めるたびに黒くなっていく二人に謝りまくった。



「・・・信じられない話だが、証拠となる人物達が目の前にいるわけだし」



母さんはそう言うとアリス達を見回す。



「っと、みなさん初めまして。この星満島にある学校の理事長をしている、池谷真里逢だ。みなさんがよく存じている葉雇の仮の母親でもある」



仮の、というとこには誰も突っ込まなかったな、さすがに。



「で、母さん。一つ頼みがあるんだけど」



俺は土下座状態から立ち上がりながら問い掛ける。



「・・・住む場所か?」



おぉ、さすがに察しがいいな。



俺は関心しながら頷く。



「こいつら、まぁケンやグリムは泊めてもいいんだが・・・」



俺の言葉に母さんが視線を巡らせて、それに気づいたケンとグリムが表情を引き締める。



俺は思わず吹き出しそうになりながらも、ケンとグリムに笑いかける。



二人は俺の笑顔に気づいて、少し表情が和らいだ。



「なるほど、あのイケメン二人(一人は猫耳)か」



かっこの中まで読み上げるとは・・・・強者だ。



てか、確実に付けてるんじゃなくて付いてる猫耳に驚かないとこはすごいなぁと、まぁ母さんだし、といえばそこまでだが。



「女の子はさすがに泊めれないっしょ?俺は別にいいんだ・・・・いや、よくないです。はい。」



背後に感じる二つの視線が痛すぎて即訂正した。



「まぁ、確かに家の広さ的にもきついな」



「うん。だから、星満寮を使わせてほしいんだが」



学園、ということもありもちろん寮がある。



しかし、学生のほとんどが親戚の家から通うか地元の子供で、現在、寮には3人しかいないとか。



寮といってもそこまで大きくなく、星満寮より星満荘と言ったほうが似合うくらいの大きさだ。



「・・・まぁ、いいが。条件が1つあるな」



母さんはそう言うと、アリス達の方を見て数をかぞえ始めた。



「いち、に、さん・・・・ご、はち・・・・・・じゅうよんか。よし、なんとかなるな」



母さんは1人で納得したように頷くと、ニヤッと笑った。



「とりあえず、寮に入るのは許可しよう。だが、生徒でもない奴を寮に入れるわけにはいかないだろ?つまり、条件はうちの学校に編入することだ」



俺は関心したように唸った。



母さんにしては珍しくいい提案だ。



「俺は、別にいいけど。なぁ?」



「そうだね〜。むしろ楽しそうだから感謝しないと」


肯定の意を示すグリムとケン。



他のみんなも戸惑いながら肯定の意を示す。



これで決まりだな! と手を叩く母さん。



「でも、こちらも1つ条件をつけてもよろしいですか?」



そう言って手を上げたのは姫様達の中で一番乱暴なルナ。



さすが長女。裏表、もとい公私の切り替えがすごいな。



「ふむ。私のことは、真理逢ちゃんか真理逢様、もしくはオヤシロ様と呼んでくれ」



心の中で、そんなシュークリーム大好きな神様とはミジンコ程も関係ないだろ、と突っ込んでしまった俺は負け組ですね。わかります。



「で、では真理逢さん。条件を言ってもいいですか?」



少し頬を引きつらせながら丁寧な口調で言うルナ。



「さん、か。まぁいい。で?言ってみてくれ」



ルナは1回頷くと、はっきりした口調で言葉を紡いだ。



「はやと・・・さんも、寮に入れてもらえませんか?」



「・・・・・・理由は?」


母さんは腕を組ながらルナを見据える。



「はい。私達はまだこの世界に来たばかりですし、こっちの世界のことはまったくわかりません。ですから、私達のことを知っていて尚且つこの世界のことも知っているのは、はやとさんだけしかいないかと」



「そうだな。もし何かあった時にはやとが居てくれると助かる」



横から口を出したのは、生徒会長だ。



てか、生徒会長の名前知らないな俺。



そんなことを思いつつ、話の流れ的にまた俺の意見は無視されそうだな、とため息をつく。



「・・・まぁそうだな。自立するいい機会だし、許可しよう。じゃあ早速寮長に電話するから、葉雇は準備をしろ」



ちょ、今からかよ!?



いくらなんでも急すぎるだろ・・・・・。



何か言い返そうと思っていた俺は夏凪と梓の声に開きかけた口を閉じる。



「「意義ありっ!」」



夏凪と梓がそう言うと、母さんが二人の耳元で何か囁いた。



「「意義なしっ!」」



な、なんだと!?唯一の防衛線が一瞬にして崩れてしまうとは・・・・・・。



俺は母さんが何を言ったのか聞き出そうと思ったが、準備を急かす皆の声に渋々と自分の部屋に足を進めた。


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