4話→理事長!
学園は、一言で言うとやばかった。
映画とかでよく見る西洋の城って感じだ。
白を中心とした重くもなく、軽くもない感じの城。
やべぇ、なんか感動もんだわ。
「ほら、早く行こ〜。」
アリスに連れられるがまま学園の中に入る。
引っ張られつつも回りの景色を見ながら感嘆する。
学園の中はかなり広い造りになっているみたいで、清潔感がある。
「到着〜。」
そう言ってアリスが止まったのは理事長室とかかれた場所だった。
理事長ってのは校長より偉いからな。
ヘタな真似したら何されるか・・・・。ちなみに元いた世界で俺は高校に通っていたんだがその高校の理事長は腐っていた。
つか仕事してなかった。
なんでそんなこと分かるかって?
実は、その理事長は俺の母親だったりする。35歳くらいで理事長になった。回り曰くかなり異常な存在らしい。
ドアを開けると眼鏡をかけた女性がいた。
第一印象はエリート家庭教師、的な感じだ。
アリスはその人に勢いよく抱きついた。
「ユナ先生久しぶり〜」
む、アリスとこの眼鏡家庭教師(仮)は知り合いらしい。
「アリス、こんにちは。で、あっちの殿方は?」
凛とした声。
むぅ、顔とイメージぴったしな声だなおい。
「あ、あっちははやとって言うんだよ!なんと、異世界人〈にんげん〉なのです。」
アリスは自分の事のように誇らしげにする。
「異世界人〈にんげん〉!?」
眼鏡家庭教師は見定めるように俺を見る。
何この威圧感。Mの人が喜ぶような鋭い視線。
「あの、何か?」
「失礼、確かに人間のようですね。匂いが特徴的です」
なぜ確信が・・・・。
てか匂いって何よ匂いって。
とりあえず俺は、眼鏡家庭教師に自分が何故この世界に来てしまったかわからないこと、元の世界に帰る方法を知りたいことなど、この学園に来た理由を話した。
眼鏡家庭教師は考えるように顎に手をあててる。
「うん、たぶんだがこの学園に1ヵ年通う頃には出来てるかもしれないな。」
「出来てる?何が?」
俺の質問に眼鏡家庭教師はニヤッと笑う。
「これは学園の極秘事項だ。他言無用で。実は魔力を増幅させる機械を開発中なのだが・・・・」
話によると、その機械で魔力を小さな空間に貯める。すると、空間の魔力飽和量を超えて空間に亀裂が入り、別空間へ繋がる・・・・らしい。
俺的には魔力ってのもよくわからんが。
おそらくゲームとかで出てくる魔法を使う素的なもので間違いないと思う。
とりあえず、入学許可は貰えた。
俺はアリスと一緒に、寮、つまり俺たちが住む部屋に向かった。
「つかアリス。いいのか?」
俺の言葉にアリスが首を傾げる。
「ん?何が?」
「いや、一緒の部屋だし。」
そう、なぜか俺とアリスは同じ部屋になってしまった。
眼鏡家庭教師曰く、そういう間違いが起きたほうがおもしろいらしい。
何考えてんだあのエロ理事長は。
とか思いつつ俺も男だしかなり嬉しいわけで。
「ん、たぶん大丈夫かな。えへへ」
恥ずかしながら頬を掻くアリス。
・・・・やばい。1週間も保たずに襲いそうだわ。
「ん、ここか。」
寮の部屋とは思えないすごい豪華な扉があった。俺はドアノブに手をかけゆっくりとドアを開けた。
部屋はかなり広かった。
目測だが軽く20畳は軽くいく。
「広いなおい。」
「だねぇ。すごいすごいっ!」アリスははしゃいだ様に置いてあったベッドにダイブする。
「ふっかふかぁ〜」
アリスはほにゃあ〜と変な声をあげている。
あの・・・・襲っていいですか?
俺は自分の欲を押さえるためにあたりを見回した。
そして、ふと気付く。
「ベッドが・・・・・・6つ?多いな」
理事長曰く今日は入学、進学式だったらしい。
俺はアリスの横のベッドに腰を降ろす。
「アリス、まだ人来るっぽいぞ。」
ガヤガヤ。俺がそう言った途端、扉の向こうから声がした。
そうだな。あの理事長は絶対分かってて俺をこの部屋にしたはずだ。
理事長の言葉が頭の中でリピートされる。『励め、若いの。』
扉を開けた人物を含め4人の女の子が俺を見た。
その先頭に立っていた女の子が目を丸くしてこう言った。
「・・・・・・変態?」