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らぶゆっ!  作者: 璃瑠@
39/92

37話→復学!



あれから数日。



俺の怪我はなんとか完治した。



その数日中に、アイリスと姫様達の小競り合いがあったのは言わなくても察してくれるだろう。



俺は、久しぶりの制服に袖を通す。



ちなみに現時刻は6時30くらい。



普通の生徒ならまで寝ているくらいの時間だ。



制服着たさに早起き、なんて子供っぽいかもしれないが、それだけ嬉しかったんだよ。



言い争いばっか聞いてると、授業をする先生の声もいとおしく思ってしまう。



俺は、ちゃっちゃと朝飯を作ると急いで食べ始める。



早く教室に。

その気持ちが、食べる手を早めていく。



「っっ!?はやと様。何をしてるんですか!!」



朝食の準備をするべく台所に現われたアイリスが目を丸くする。



「何って、今日から学校だしな」



「・・・・なるほど。そういえば学校を休むのは昨日が最後でしたね」



そう言ってため息をつくアイリス。



俺はそんなアイリスを見て苦笑する。



学校を休み始めてからずっと俺の部屋に来てたしな。


たぶん寂しいだろう。



「そんなため息とかつくなよ。別に俺と会えなくなるわけじゃないんだし」



「・・・・そうですね。確かに少しは嫌だけど、我慢しますね」



そう言って姫様達の朝食を作り始めるアイリス。



「っと、ご馳走様」



俺は手を合わせると、食器を洗い始める。



「は、はやと様!皿洗いくらい私がしますよ」



料理を中断して、俺を止めにくるアイリス。



「いや、いいって。皿くらい自分で洗えるから」



俺は、アイリスを無視して皿を洗い続ける。



「はやと様は私に頼らなすぎです」



ジト目で見てくるアイリス。



皿を洗い終わると、アイリスが何かブツブツ文句を言っている。



「頼るってなぁ・・・・・まぁ、アイリスはメイドだし頼ってほしい気持ちはわからんでもないが、俺は自分の出来ることはなるべく自分でやろうと決めてるんだよ」



俺の言葉に、さらに不満そうに口を尖らせるアイリス。



「そんなの勝手に決めないでください。私は、もっとはやと様に頼ってもらわないと・・・・悲しいです」


なんだかなぁ・・・



そう思いつつも、悲しげな顔は見たくないからこう言ってしまった。



「わかった。今度からもっと頼るようにするよ。けど俺にも何かあったら頼ってくれよ?それが妥協案な」


女の子に頼ってばかりはどうかと思ったからそう提案してみたんだが・・・・・・



「わかりました。体が抑えられない時は、一人でじゃなくてはやと様を頼りますね!」



・・・・この時ほど自分の言葉を後悔したことはないね。



「あ!はやとがメイドといちゃついてる!」



というアリスの声から、姫様達がぞろぞろと起きだしてきて朝からかなり疲れてしまった。












「はやと、久しぶりだね!」



なんとか部屋から逃げ出してきた俺は、真っ先に教室にむかった。



誰もいないだろう、と思っていたが、ケンと何人かの女子生徒がいた。



こんなに早く来て何するんだろう。



そう思いつつも、ケンの挨拶に答える。



ケンは、俺の方にパタパタと走りながら寄ってきた。


「てか、ケンもグリムも薄情だよな。俺の見舞いに来なかったし」



俺の席の前の席に座ろうとしているケンをジトッと睨む。



「は、はやとぉ!行けるわけないじゃん!だって、王族部屋なんでしょ?」



うっ、まぁこっちの世界のグリムやケンには抵抗あるかもな。



休んでいる時にケンとグリムを罵っていたことを心の中で謝るか。



「まぁ、いいや。で、そっちはあんまり変わりなかった?」



「ん〜。まぁ少しはあったかなぁ」



苦笑気味にそう言うケン。


「何?グリムに彼女ができたとか、か?」



「ちげぇよ」



後ろから頭を叩かれた。



振り返ると、グリムが笑いながら立っていた。



「久しぶりだな、はやと」


「おう!元気そうでなによりだな」



まだ他の生徒はあまり来てないのにグリムがいるのは少し意外だった。



あんまり早く来そうなイメージなかったからびっくりだ。



「ところで、何の話してたんだ?」



グリムの質問にケンが答えると、グリムも苦笑する。


「あぁ、なるほど。はやとの事か」



・・・俺のことだと?



「グリム、ケン、詳細教えてくれ」



「あぁ、まぁなんというか。はやとがこの学園を守るために戦った、て噂が広まってな・・・・女子達のはやとに対するイメージがかなり良くなったんだよ。現金だよなぁ」



なるほど、変わったことってそういうことか。



「なんだ、また変な噂が広まったのかと思って焦った」



額を拭う素振りを見せると、ケンとグリムが笑う。



その後、担任の先生が来るまでの間俺たちは喋り続けた。











担任からも、名指しで呼ばれて誉められた。



少し恥ずかしかったけど、結構嬉しかったりもする。







その日の昼休み。







俺は、ルミナスから罰ゲームといっても過言ではない仕打ちを受けていた。



「はーくん、あーんしてください」



俺は、ケンとグリムを見るが、二人は仕方ないよ、みたいな顔をしている。



昼休みになると、ルミナスが教室にやってきて一緒に昼飯を、というとこまではまぁいい。



けど、「はーくんが休んでる間会えなかったから」という理由で、昼飯をあ〜んという羞恥プレイをするはめに。



色々抵抗してみたが、無駄骨だった。



クラスの視線(主にアリスや姫様達)が痛いけど、心配してくれていたルミナスの好意を無駄にはできない。



「はーくん、早く早く〜」


「うぅ〜仕方ないなぁ・・・・・・」



俺はため息を一つつくとルミナスが差し出しているおかずに噛り付く。



は、恥ずかしいぃぃぃ



たぶん俺の顔はかなり赤くなってるだろう。



そんな羞恥溢れる昼休みが終わりに近づいた頃、どこかで聞いたような台詞が聞こえた。



「生徒会長がお呼びだ」



・・・・はぁ。



俺は嫌な予感を感じつつ大きくため息をついた。


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