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らぶゆっ!  作者: 璃瑠@
35/92

33話→勘違いの嵐!



「グリム、はやとに何言ってるのかな?」



その一言に固まったまま動かなくなったグリム。



俺とケンは苦笑しながらグリムに手を合わせた。



「な、ななななな何も言ってませんです、はい」



言葉遣いが変になるグリム。

相当動揺してるらしい。



「・・・・まぁ、いいや。それより・・・・・・はやと!!」



「はいっ!!」



アリスがダークオーラを纏ながら、グリムを押し退けて俺の目の前にぐいっと顔を近付けてきた。



「・・・・・・アリス、近い」



「・・・・・・」



俺をジッと睨むアリス。



アリスの視線が、俺の体をなぞるように見る。



「はやと、なんであんな無茶をしたのかな?」



「・・・・秘密」



「はやと!!」



アリスが俺の言葉に怒鳴る。



ちょ、顔近いからうるさいんですけど。



「てか、理由言いたくないから」



グリムやケン、もちろんアリスとかの為に無茶した、なんて恥ずかしくて言えるわけがない。



「なんで?ぼくは、こんなに心配してたのに・・・・・はやとはそうなった理由も教えてくれないの?」



アリスが下唇を噛みながら質問してくる。



おいおい、泣きそうな顔すんなよ・・・・・・



アリスは今にも泣きそうな顔で俺を睨む。



俺は、ケンかグリムに助けてもらうべく二人の方を見るが、見事に目を逸らされた。



くそぅ、どうしようか・・・・アリスの泣き顔なんて見たくないし・・・



「アリス、そんな顔するなよ」



俺はアリスの頭を包帯グルグルの手で撫でる。



「なら、教えて・・・」



「いや、だからこれだけは無理だ」



別に教えてもいいが、やっぱり恥ずかしい。



だから、この事は誰にも話さない。

俺の心の中にだけ・・・・・



「・・・まさか、仲間の為とか?」



グリムが突然呟く。



おいおいおいおい、なぜ知ってる。



「グリム、何で知ってんの?」



俺の一言に、にやりと笑うグリム。



「言ったろ?盗賊団のやつがはやとの真似したって」


なるほど、そいつのせいで俺が秘密にしておきたかった事がばれてしまったのか・・・・・



「はやと、もしかして、ぼくの為に戦ってくれたの?」



アリスが驚いたように目を見開く。



「いや、まぁ、アリスだけを助けようと思ったわけじゃ・・・」



「はやとは、ぼくの為に・・・・」



人の話なんか聞いちゃいねぇ。



顔を赤くしながら俺を上目遣いに見つめてくるアリス。



「あの、はやと、ぼく、その・・・・・はやとがそんなにぼくの事を思ってくれているなんて・・・もちろん、ぼくもはやとの事ーーーーーーーー」



「はーくん!!」



「痛い、痛い!!離せコラ!」



どこから現われたのか、アリスの言葉を遮るように、ルミナスが俺に飛び掛かってきた。



ぎゅぅっと抱き締められるが嬉しさが全くない。



全身を鋭い痛みが走る。



「あ、ごめんなさい・・・」



しょぼんと落ち込むルミナス。



「まぁ、悪気があったんじゃないだろうし、許すよ」


俺の言葉に、ぱぁっと笑顔を見せるルミナス。



「うぅ〜はーくん、心配してたんですよ?最近あんまり喋れなかったですし・・・・・・」



まぁ、1ヶ月前くらいからギクシャクしてたから仕方ないね。



「そうだな・・・とりあえず、心配してくれてありがとうな・・・っっ!?痛ぇ!?アリス何すんだよ!?」



俺とルミナスが会話していると、アリスが俺の体を叩いてきた。



「はやとの馬鹿!!何いちゃいちゃしてんの!?」



どうやら俺とルミナスが仲良くしているのが気に入らなかったらしい。



これはツンデレの初期症状か?



「あの、アリスさん?私とはーくんの邪魔をしないでください」



「あれ?何言ってるのかなルミナスさん。もしかして、はやとの彼女気取り?」



言い争う二人。



(ケン、グリム、なんとかしてくれ)



この状況を打破するべく、再び二人に助けを求める。


ブンブンッ!



大きく首を横に振る二人。


くっ、やはり期待できないか・・・・・



「そういえば、はーくんは私を守るためにそんな傷を負ったんですよね?」



ルミナス、突然話をふらないでくれ。



「いや、だからそれはな・・・仲間を守るためにだな・・・・・・」



「やっぱりそうなんですね?はーくん、ありがとうごさいますっ!」



こいつも人の話を聞かないのか・・・・



「ぷっ、何言ってんの?その猫耳は飾り?はやとは、ぼくを助けるためって言ったじゃん」



言った覚えはないが・・・


「くすっ、アリスさんこそ頭大丈夫ですか?もしかして言葉がわからないとか?」



そこから言い争いがヒートアップ。



やばいよ、誰か助けてくれ、まじで・・・・・



「コラッ!あなたたち、保健室では静かにしてください!」



今度は姫様達が来た。



声から察するに、注意してくれたのはリリィか。



「はやとさん、この度は私達を守るためにそんな傷を・・・・」



瞳を潤ませるリリィ。



他の3人も、俺を見る表情がいつもより柔らかい気がする。



「いや、俺はだな・・・・」



「さすがドラゴニスのお姫様達だね。はやとが守りたかったのはこのぼくだっていうのに・・・・幸せな頭をしてるよね」



「そうですね。はーくんは私を守ろうとしたのに勘違いも甚だしいです」



「ちょっと、二人とも何言ってんの!?」



二人の挑発な最初にのったのはルナだった。



そこから、姫様達を含めアリス、ルミナス、と三つ巴の言い争いが始まった。



グリムとケンは見てみぬふりをして、二人で会話している。



「はやと・・・大丈夫?」


今度は生徒会副会長のユアを先頭に生徒会の面々がやってきた。



「あの、その、あの時は色々言ってすまなかった」



ペコリと頭を下げる生徒会長。



ほぉ、謝ってくれるとは意外だったな。



「いや、気にしないでくれ。俺も怒鳴ったりして悪かったな。あと、生徒会室の壁とか」



「あぁ、謝らなくてもいいぞ?今回は、私達生徒会を守るためにーーーーーーーーー」



生徒会長の言葉から、またまた言い争いに発展したのは言うまでもないだろう。


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