26話→惚れ薬の驚異!〜開幕〜
「ね、眠いぃぃ〜」
俺は今中庭の木の影に隠れているところだ。
なんでこんなとこに居るかというと・・・・
遡ること30分前。
いつもより早く起きた、もとい目が覚めた俺はアリス達を起こさないようにゆっくりと学校の準備をした。
「おはようございます。」
学校の準備を終える頃にメイドさんが朝飯の準備をしに来たので小さな声で挨拶した。
前にも言ったと思うがここは王族部屋だ。
メイドさんが朝食を作りに来るのにも慣れた。
「お、おはようございます、はやと様」
メイドさんは驚いたように目を見開くが、何事もなかったかのように挨拶をする。
「びっくりさせたかな?まぁいいや。朝飯、手の込んでない物作るから台所先に使っていいかな?」
部屋の中に台所がある。
さすが王族部屋。
「い、いえ、朝食は私が作りますよ?」
少し焦ったように台所に向かうメイドさん。
俺はメイドさんに追い付くと手をつかむ。
「いや、俺に作らせて。まだアリス達起きるまで時間あるし暇なんだよ。」
「わ、私の仕事は仕えることですから。はやと様の手を煩わせるわけには・・・・・・」
「まぁまぁ、いいからいいから。なら命令ね。」
“命令”という言葉に抵抗を止めるメイドさん。
俺はメイドさんを近くの椅子に座らせて調理を開始する。
調味料は一応買い揃えてある。
メイドさんも使うみたいだしね。
俺は、簡単なスクランブルエッグと肉を炒めて朝食にした。
「・・・・・・どうかした?」
朝食を食べ終えて水を飲んでいる俺をメイドさんがポーッとした目で見てくる。
「はやと様・・・食後のデザートとか欲しくないですか?」
「・・・・まぁ、あるなら欲しいな。」
簡単な料理でお腹が満腹になるはずもない。
なんたってまだまだ成長期だからね。
「・・・・そうですか・・・・・・」
そう呟くと、顔を赤くしながらおもむろにメイド服のボタンを外していくメイドさん。
おいおいおいおい。
何してんだ?
さっきデザート食べたいかって聞いてきたんだよな?
なのに、なぜメイド服を脱ぎ始めるんだ!?
これはあれか?
私の体が食後のデザートですってパターンか?
「あの、何してんの?」
俺は顔を赤くしながら尋ねる。
だって、胸が見えそうなんだもん。
顔赤くなって当たり前だよね?
目を逸らせばって?
バカ野郎。見なかったら男じゃねぇ・・・・って何言ってんだ俺。
あまりの事態に思考がぐちゃぐちゃになる。
「何って・・・・私のデザートを食べていただこうと・・・・・・」
自分の胸を指差すメイドさん。
桃だな!?桃って言いたいんだな!?
大きさ的にも桃くらいだし、それを比喩的な表現でデザートって言ってるんだな!?
「ちちちちちち、ちょい待って、あの、あれだ・・・・・・そう!俺あんたの名前も知らないしいきなりそういう行為に及ぶのは・・・・」
俺の言葉を聞いたメイドさんはコクッと頷く。
わかってくれたか?
「私の名前はアイリス・シフォニィ・マルハウと言います。メイドである私の名前を知りたがるなんて・・・・はやと様って優しいんですね・・・」
そう言うとボタン外しを再開するメイド・・・もといアイリスさん。
えっと、なんだ今の状況は!?何が起きてる?
そうか、あれか。
あの惚れ薬とやらの仕業か!?
なんかわからんがアイリスさんが俺に少し好意を抱いてくれたのか?
だから薬の影響を受けてしまった、と。
「ストップ!!止め、止め!!」
俺はメイド服を完全に脱ごうとしていたアイリスさんを止める。
ボタンが外れてヘソまで見えてるが気にしない。
というかお腹いっぱいです。
それ以上服を脱がれたら理性が飛んじゃいます。
「な、何するんですか?まさか・・・・・・はやと様は私のことが嫌いなんですね?私の汚い体なんて見たくないんですね?」
およよ〜とへたりこむアイリスさん。
「い、いや、嫌いとかじゃなくて、むしろ好きだよ?うん。本当に。でもさ、あれだよ、ほら、年齢とか違うから」
たぶんだがアイリスさんの年齢は俺より上だろう。
顔を見るかぎりじゃ俺より幼いっぽいけど。
実際年齢なんてあんま気にしないけど、この場をしのぐためだ。
「・・・?年ですか?私ははやと様と同じ17歳ですよ?まさか・・・・私が老けてるって言いたいんですか?そうなんですね?」
まじ泣きを始めるアイリスさん、いや同い年っぽいしアイリスでいいか。
別に見た目で言ったわけじゃなくメイドっていう仕事に就いてるんだし、なんとなく年上かなぁって思っただけなんだが。
「いや、老けてないから。むしろ若々しいから。」
「ぐすっ・・・・美味しそうな体してますか?」
「してます、してます。だから泣かないでくれ。」
女の子が泣くのは反則だよな、やっぱ。
こっちが悪いことしてしまったみたいに感じてしまう。
・・・・・・っと、何だって?体が美味しそう?つい肯定しちゃったけど、大丈夫か?
「だから、止め!!服脱いじゃダメだって!!」
アイリスは機嫌を戻したのか、鼻歌を歌いながら服を脱ぎ始める。
ダメだ。これ以上ここにいたらどうなるかわかんない。
惚れ薬恐ろしい・・・・
というわけで中庭まで逃げたしてきたってわけですよ。
とりあえず教室に行くのは危険すぎる。
今日は授業さぼるか・・・・とか思いつつ空を仰ぐ。
空は青く澄み渡っている。今日もいい天気だろう。
俺は授業の開始を告げる鐘の音を聞きながらうとうとと夢の世界への扉に手をかけた。
すんません。 なんか書いているうちにテンション上がって危ない方向にいきつつあります。 自重してほしい人がいれば書き込みしてくれるとありがたいですね。そん時は自重します。 逆にもっとやっちゃえ!という人も書き込みよろしくお願いします。 15禁にならないくらいで頑張りたいと思うので(笑)