24話→惚れ薬の驚異!〜序章〜
今回のネタは3話くらい続けて使います。 誤字脱字あれば指摘お願いします。
教室に戻った俺は、グリムに呼び出されたわけを話した。
まだ授業中なので大きな声を出せないが、にやにや笑っているグリムを見ると怒鳴りたくなる。
人の気も知らないで・・・・
「グリムさぁ、お前が俺の立場ならどうすんの?にやにやすんなよ」
「悪い。でも、いいんじゃないか?もう高等部なんだし、ヤっても。プフフッ」
笑いを堪えるグリム。
う、うぜぇ。
「ふ、グリム。覚えとけよ?俺の立場をわからせてやる。」
俺はグリムを見ながらニヤッと笑う。
「あぁ?やれるもんならやってみな?自慢じゃないが俺はモテないぜ?」
その言葉を後悔させてやる。
俺はノートを取り出すとペンを走らせる。
さて、作戦は成功するかな・・・・?
その日の魔法学の授業はグリムへの嫌がらせ、もとい仕返しの計画をたてることで時間が潰れた。
・・・・何やってんだろ。
「はやとぉぉぉ!?てめ、何した!?」
夜。
いつものように、学食に来て3人分の料理を作っている俺のとこにグリムが走って来た。
「・・・どうだった?」
俺がニヤリと笑うとグリムが苦笑する。
「女って、恐ぇな。」
「だろ?簡単にヤるとかキスするとか、そのキツさがようやくわかってもらえたな」
「あぁ、それより何したんだ?」
俺はちょっと待っとけ、とグリムに言って急いでご飯を作る。
作り終わるとほぼ同時にケンが来た。
俺たちは人があまりいない学食で適当な席に座りご飯を食べる。
ちなみに今回の料理は、ラーメンだ。粉から作るのは手間がかかるけど楽しかった。
「で?どうやったら女の子があんなになったんだ?」
グリムの言葉にケンが苦笑する。
「はやと、アレ使ったんだぁ・・・・」
ケンにはグリムを懲らしめたい理由を話して、協力してもらった。
「アレ?なんだそれ?」
グリムの疑問にケンが答える。
「・・・惚れ薬だよ。」
そう。ケンに頼んでちょっとした過激な惚れ薬を作ってみた。
作り方はこの前の合宿でたまたま見つけた本に載ってたんだよね。
ケンには材料を頼んだんだだけで、作ったのは俺。
うまくいくとは思わなかったが。
「正確には、モテ薬かな?飲んだ本人に少しでも気がある異性は無性に薬を飲んだやつとヤりたくなるって薬なんだが。」
「・・・・恐ろしい薬だな。」
グリムは身震いする。
「3人で水を飲みに行ったときにこっそり混ぜたんだよね。」
ケンがニコッと笑う。
なんと無邪気な笑顔なんだ・・・・
「・・・ケンは怒る気しないから、はやとに怒っていいか?」
「はぁ?何言ってんだ?グリムは別にいいって言ってたじゃん。」
俺の言葉にグリムは口をつぐむ。
図星ざまぁ
「・・・・・まぁいいけど、効果はどんくらい続くんだ?」
「確か・・・・早くて1日で効果が切れるって書いてあったな。」
「は・・・早くて?・・・・まじで?」
「たぶん、な。」
俺の曖昧な一言にグリムがうなだれる。
「ま、まぁ。グリム、折角なんだし楽しまなきゃ」
プツン。
ケンの一言にグリムの何かがかキレた。
「ケン・・・他人事と思って・・・・」
グリムはゆらりと立ち上がると、目にも止まらぬ速さでケンの後ろに移動する。
「はやと、その薬まだ残ってるか?」
「まぁ、残ってるが・・・・」
なるほど、グリムの考えがわかった。
「ケン、ちょっとこっち向きなさい。」
グリムがケンの顔を自分を見せるように固定させる。
俺はその隙に、ケンのラーメンの残りに惚れ薬を入れる。
何かに使えるかも、とポケットに忍ばせといてよかった。
「ごめんなさい〜」
ケンが謝るとグリムが仕方ないなぁ・・・・とケンから手を離し自分の席に戻る。
「ケン、さっさと食べて戻ろうぜ?話はそん時だ。」
ほぅ、以外とグリムは演技派だな。
惚れ薬を飲ませるための誘導が上手い。
「わ、わかった」
急いでラーメンを食べるケン。
俺は思わず吹き出してしまう。
同じくグリムも。
「二人とも、どうしたの?・・・・・・・って、まさかさっきグリムが僕の気を逸らしたのって・・・」
ケンも気付いたらしい。
空になったラーメンの器を睨むケン。
「ざまぁみろぉ!!ハハハハハ」
ケンを指差して笑うグリム。
「グリムとはやとのバカぁ!僕、どうしよう・・・」
半泣きで顔を青くするケン。
ケンは結構もてるっぽいし、かなり貞操の危機だろうな。
「どんまい」
俺の言葉にケンが睨んでくる。
そしてゆらりと立ち上がった。
このパターンは・・・・
俺は身の危険を感じ、席を立つ。
「俺、先に帰るわ」
「はやと?自分だけ飲まないつもり?」
やんちゃで無邪気なケンが今や病んでる人になってしまった。
「さぁ?何のことかなーーーーーーーーーーーーーーーーーゴホッゴホッ、み、水」
逃げようとした俺の口の中に自分のラーメンを突っ込んできたグリム。
う、裏切りやがったな!?
「ぷはぁっ・・・・て、まさか・・・」
俺はポケットを探る。
予想通り惚れ薬がない。
「水に入れといたよ。」
笑うケン。
冗談じゃない。
俺にこのまま部屋に戻れと?
無理。何となくだが戻っちゃダメな気がする。
「これで、三人とも、だな。」
グリムが呟く。
あぁ、確かに三人ともだが・・・・なんだ、この虚しさ。
「とりあえず部屋に戻るか・・・・」
「そうだね。部屋は僕とグリムだけだし、何も起きないよね?」
そう言いながら歩いて行く二人。
ちょ、俺どうしようか・・・・
考えてる間に時間は過ぎていく。
消灯時間まであと1時間か・・・・。