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らぶゆっ!  作者: 璃瑠@
20/92

18話→小さな森の中で!



「いらっしゃい、いらっしゃい!!安いよ〜」



俺は、学園内にある商店街に来た。



学園の街だけあって、学園の敷地内に商店街や公園などかなり充実したものがたくさんある。



この世界に来てから、まだ商店街をあんまり歩いたことなかったから歩いてみたかった。



いい暇潰しだ。



「・・・・暇は潰れるが、これは・・・・・・」



さっきからすれ違う学生のほとんどがカップルなのはなぜだろうか。



確かに今日は休日だし、天気も曇り。



いい買い物日和だが、カップルの多さが異常だ。



何かあるんだろうか?



ちなみに俺は金を持ってない。

この世界に来てまだ日も浅いし、しょうがないだろう。



(なんか居づらいな・・・・)



俺はどこかゆっくりできる場所がないかフラフラと歩く。



ちっ、カップルとか滅びろ、なんて思いながら歩いてる俺はかなり痛い子だろうな。



少し歩くと商店街を抜けて、外に出る門のとこまで来た。



外に出るには許可が必要らしい。

そんな許可をとってるはずがなく、俺は左に曲がって適当に歩いた。



商店街を抜けると、門まで一本道。

左右は木や草が生えた小さな森みたいになっている。


俺は森の中を歩いていくうちに昔のことを思い出した。



昔、小さい頃はよく森とかに入って探険ごっことかしてたな。



なつかしい・・・



歩いていると、少し拓けている場所にでた。



せいぜい小さな公園くらいだろうか。

小さな池みたいなのもある。



ここでのんびり過ごすかな・・・・



俺はそう思って池を見渡せる位置まで歩き、適当な木に背中を預けた。



ふぅ・・・かなり落ち着く。

この世界に来て割とドタバタしてたし、たまにはこういうのも悪くない。











どれくらいたっただろう。


寝てたみたいだ。



俺は背中をグッと伸ばす。


そういや膝が重いな・・・・・・



膝を見ると、猫耳をピコピコ動かしながら女の子が寝ていた。



腰くらいまである黒い髪。少し暑いのか、紅く染まった頬。胸はBくらいか



可愛いな。



この台詞何度目だっけ?

可愛い子多すぎだよな、この世界。



そんなことを思っていると、ふと疑問が浮かぶ。



この子はなぜ俺の膝で寝てるんだろうか。



取り敢えず起こして聞いてみようか。



俺はその女の子の肩を優しき揺らす。



「・・・・むにゃむにゃ、もう食べられましぇぬゅ」


寝言か・・・・それにしても可愛い寝言だ。



俺は起こすためにちょっとしたイタズラをすることにした。



まずほっぺをつついてみる。



ちょんちょん。



ほっぺに触れるたびに動く猫耳はなんて可愛いんだ。


しかも、ほっぺた柔らかいし。



よし、まだ起きないか。



少しレベルを上げよう。



俺は、女の子の耳に口を近づける。

耳は、4つあるみたいだ。


頭に付いてる耳と顔に付いてる耳の4つ。



ちなみに、顔に付いてる耳に顔を近づけた。



だって、頭の耳聞こえが良さそうだし。今起きてもらっては楽しめない。



「ほら、朝だぞ。起きろ、朝ご飯食べて学校行くぞ」


俺が囁くと、こそばゆそうに口をゴニョゴニョさせる。



可愛い可愛い。

こりゃやばい、お持ち帰りしたいぜ。



さて、まだ起きないか。



そろそろ膝も疲れてきたので最終手段を使うか。



俺は女の子のスカートを少しだけ捲ると、内太ももを指でなぞる。



これはあくまで起こすためであって、欲を満たすためじゃないよ?



「うひゃあっ!!」



触って5秒もたたないうちに女の子が飛び起きた。



「お、起きたか。」



俺が声をかけると、女の子は自分の体をギュッと抱き締めて涙目になる。



「へ、変態さんがいました!!」



俺は辺りをキョロキョロ見回すと首を傾げる。



「・・・・どこに?」



俺を指差す女の子。



このままじゃ痴漢扱いされかねないので話を変えることにした。



「ところで、なんで人の膝の上で寝てたんだ?」



俺が質問をすると、女の子は何かを考えるように顎に指を当てる。



「・・・・あっ!あの、すみませんでした。つい寝心地が良さそうだったので・・・・・・」



女の子は慌て頭を下げる。


俺が寝心地の良さそうな膝をしているとは・・・・初耳だな。



「まぁ、頭下げなくていいよ。俺も起こすために色々イタズラしたし」



俺がニヤッと笑うと、女の子は顔を真っ赤にする。



「や、やっぱり変態さんです!!イタズラするなんて・・・・お嫁に行けないじゃないですか!」



おい、俺はそこまでいやらしいことはしてないぞ。



と言おうとした時。



「せ、せ、責任とってください!!」



ちょっとしたイタズラ心からかなり話が発展したな。



「おい、俺は別に変なことはしてないぞ?ただほっぺをつついたり、耳元で囁いたりしただけだ。」



最後にやったことは黙っておこう。



「・・・・・・本当ですか?なんか、ふ、ふ、太ももあたりがムズムズしたような・・・」



俺をジト目で見てくる。



「そんな馬鹿な。あっはっはっは」



「・・・・わかりました。信じます。」



よし。騙せた。

アホな子で助かった。



「ところでこんなとこに何しに来たの?」



「ここですか?えっと、この場所静かで落ち着きませんか?」



俺は、確かに、と頷く。



「やっぱり落ち着きますよね。実はここ、私のお気に入りの場所なんです。」



「なるほど、いつも通りお気に入りの場所に来たら俺が居た、と。」



「そうです。」



まぁ、こんな場所なら気に入る理由もわかるな。



「ってことは、俺は邪魔かな?帰ったほうがいい?」


「い、いや、あの、よければまだ居てもいいですよ?私、一人じゃ何もすることないですし。」



女の子が慌てる。



「なら、もう少しここに居るわ。」



俺がそう言うと、ホッと胸をなでおろして俺の横に座った。



静かだ。

俺は目を瞑って息を吸い込む。



空気もうまい。



「あの・・・・」



女の子が話しかけてきた。


「・・・ん?」



「名前・・・・教えてくれませんか?あ、えっと、私は、ルミナスっていいます。呼ぶときはルーちゃんか、ルミナスちゃんで。」



自分をちゃんで呼べとは変わってるな。



「俺は、池谷葉雇。呼ぶときは葉雇で。よろしく、ルミナスたん」



「た、たんって何ですか!?な、なんか恥ずかしいです。」



「なら、ルミルミで。」



「・・・・ルミナスたんより良い気がするので許可します。じゃ、はやと君のことは、はーくんって呼びますね。」



「・・・まぁいいが。」



はーくん。懐かしい響きだ。

妹と従妹からそう呼ばれてたな。



「そういえばルミナスは俺がにんげんだって知ってるか?」



ルミルミは言ってるほうが恥ずかしいので普通に戻した。



「・・・・そうなんですか?今年は異世界人〈にんげん〉の生徒が居るって聞いてたんですけど・・・はーくんがそうだとは思わなかったです。」



「なんで?」



俺の疑問にルミナスは笑顔で答える。



「女たらしみたいに見えなかったです。」



「そうか。」



俺は苦笑する。

たらし=にんげんの図はやっぱりみんな知ってるらしい。



「実は私も猫と魔族のハーフですから、あんまり種族にこだわるのは好きじゃないんですけど。」



ルミナスの顔が曇る。



種族に関してなんかトラウマがあるっぽいな。



イジメとかそんな感じか。


「別にルミナスが何属でもこだわる必要ないんじゃないか?だって、ルミナス可愛いじゃん」



偉い人が言ってたな。



可愛いは正義だって。



「か、可愛いですか?私が?」



「あぁ、かなり可愛いと思うが。」



「そ、そうですかぁ・・・」



ルミナスが顔を赤らめる。


どうやらまたフラグを立ててしまったらしい。



・・・・・・沈黙がなんか気まずい。



「そ、そういえば、今から暇ですか?」



ルミナスは少し裏返った声で質問してきた。



「まぁ、暇だが・・・」



「そうですか。ならついてきてください。」



ルミナスが俺の手を引っ張る。



さて、どこに連れていってくれるのやら。


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