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らぶゆっ!  作者: 璃瑠@
18/92

16話→お礼!



「つか、アリス。いい加減退けてくれないか?危ないから、色々と。」



俺が頼むとアリスがハッとする。



「わ、わわわわわ・・・・ごめん。ぼく、えと、何してんだろ」



アリスは慌てて俺の上から降りようとする。



ガヤガヤ。

声がかなり近い。



「ご、ごめんね!!」



アリスは俺の上から降りると、自分のベッドに飛び乗った。



(ふぅ・・・・もう少しで俺の中の何かが弾けそうだった・・・・)



ガチャ。



お姫様達が入ってくる。



今までだったらこのままスルーされて、俺とアリス二人で寝るまで喋ったりするんだが・・・・



「あ、あ、あのぅ」



裏返ったような声で誰かが話しかけてきた。



視線を向けると、チョコとリリィが俺のベッドの近くまで寄ってきていた。



「・・・・・何?」



俺がだるそうに返事をすると、リリィがネグリジェの裾をギュッと掴む。



格好的に風呂上がりらしい。



「あ、の、今日は助けて頂いてありがとうございました。」



ペコリと頭を下げるリリィ。



あぁ、黒龍の件か。



「いや、そっちの金髪ツイン・・・・じゃなかった、チョコにも言ったが、自分の身の危険を感じたからやっただけなんだ。だからお礼なんて言われてもなぁ・・・・・」



「で、でも、助けてくれました。」



リリィが瞳を潤ませて俺を見てくる。



か、可愛い・・・・



「うぅ、まぁ結果的にはそうなったかもだが・・・」


「はい、そうなんです!!ほらチョコ。あなたもお礼を!」



リリィに手招きされて渋々といった感じでチョコが頭を下げる。



「き、今日はありがとっ!べ、別にわたくしは、これっぽっちも感謝してませんわよ!?お姉様が頭を下げろと言うから・・・・」



俺はチョコの言葉に吹き出してしまった。



リアルでツンデレの代名詞的な言葉を聞けるとは思わなかった。



「な、何笑ってますの!?お姉様の時だけ真面目に聞いてわたくしの時は笑うなんて・・・・・」



あぁ、あぁ。

また泣きそうになってるし。



泣き虫ツンデレとかどんだけだよ。



「いや、すまん。笑ったのは謝るが、そうだな・・・もっと素直になった方がいいんじゃないか?」



チョコは不満そうに涙を溜めた目で俺を睨む。



「わたくしは、いつも素直ですわ!!」



「・・・・・そうか?」



俺がリリィを見ると、リリィは首を傾げて苦笑した。


「とりあえず・・・・えっと、はやとさん、でしたっけ?」



俺は頷く。



「はやとさん、私たちに何かお礼をさせて頂けませんか?」



「あー・・・別にいらないけど」



「あ、あなた・・・は、はやと、だっけ?えっと、お姉様がお礼をしたいと言ってるんですから、素直に従うべきですわっ!!」



「だから、いらないって・・・・」



お礼の押し売りは迷惑だよね。



「は、はやとさんは、私たちのお礼なんてほしくないんですか?!今まで話しかけてこなかった癖に・・・・なんて思ってるんですね?!」



まぁ、多少は思ってるさ。


助けた・・・・結果的にだけど。



助けたとたんこの態度。

虫が良すぎる。



「お願いします。私たち、ドラゴニスの家にはこういう家訓があるのです。゛お礼は必ず返せ゛と」



なんかその家訓胡散臭いな・・・・



「いや、だからいらな・・・・・・うっ」



いらないと言おうとした瞬間、俺の手をつかんできて、上目遣いに瞳をウルウルさせている。



やめてください。

上目遣いは最強兵器です。あらがえません。



だって男の子なんだもん。


「わ、わかったから、手を離してくれ。」



俺の言葉に、リリィは顔を赤くして手をサッと離す。


流石に恥ずかしかったんだろうか・・・・



「わ、わかってもらえて良かったです。で、では、明日お礼をしますのでよろしくお願いします。」



ペコリと頭を下げてリリィが去っていった。



「さぁて、寝るか・・・・・・ってチョコ、まだいたのか・・・・」



なぜかまだチョコがいた。


まだなんか用あるんだろうか?



「ま、まだいますわ!!それより、わたくしのお礼も受け取ってもらえますわよね?」



「・・・・え??」



俺が首を傾げると、また泣きそうな顔をする。



反則だろ、それは



「わかった、わかった。受け取るから。」



俺がそう言うと、チョコは、ぱぁっと笑って去っていった。



お姫様たちは、今日も別の部屋でお茶会をするらしい。



俺は、やっと一息ついた、と欠伸をすると、布団に転がってアリスの方を見た。


「・・・・女たらし」



アリスはそう言うと、頬を膨らませてそっぽをむいた。



はぁ、なんか疲れた。



俺は目を閉じる。



意識がゆっくりと暗やみに落ちていった。


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