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らぶゆっ!  作者: 璃瑠@
16/92

14話→合宿最終日!



「今日、合宿最終日は実際に敵と対峙して戦ってもらいます〜」



担任のエレナ先生の一言で始まった実践訓練。



場所は合宿所内の闘技場。闘技場と言っても、牧場みたいな原っぱなんだけど



戦闘の順番は名前順。

二人一組、もしくは三人一組で行われる。



敵は、そのチームの合計魔力によって変わるらしい。


最初のグループは、三人一組。

敵は、仮想ドラゴニスだ。


三人とも覚えたばっかりの魔法を使って戦っていたが、やはり実戦不足なのか惜しいとこで負けていた。



三人が気絶、もしくは降参を宣言すると同時に理事長、エレナ先生、合宿所の管理人のおばちゃんが止めに入る。



敵は幻想魔法で作られているので、一定以上のダメージを与えれば消滅する。



「グリム、自信は?」



俺がグリムに聞くとグリムは肩をすくめる。



「わかんね。敵次第だな。」



「そうだね。このクラスの場合低くてもドラゴニスくらいは出てくるかな。」



俺たちのクラスは一定以上の魔力があるやつしか入れない。最低でもドラゴニスって、きついな。



「でも、俺がいるんだぜ?もしかしたら犬か猫出てくるかも」



俺が苦笑しながら言うと、二人とも苦笑する。



「その方が楽でいいや」



ケンの言葉に、確かに、と頷く俺とグリム。



もちろん、俺たちは男子三人の三人一組だ。



「お?誰か勝ったみたいだな」



グリムの一言に、俺とケンは闘技場の方を見る。



そこには、アリスと他2名がいた。



アリスの魔力が高く敵はドラゴンだったが、普通のドラゴンが姫に勝てるはずなくアリスの圧勝だったらしい。



「すげぇ、さすが姫様。」


「だよな。あんなロリな体にどんだけ力秘められてんだよ。」



「確かに。」



俺とグリムが笑っていると、ケンがあたふたしながら俺の腕をつかんできた。



「ふ、二人とも。笑い声あっちまで聞こえてるよぉ!アリスさん、こっち見てるよ!?」



「まじか?」



俺がゆっくりアリスの方を見ると凄い剣幕で俺を睨んでいた。



こぇぇぇ。

次会話した時に何言われるか・・・・。



「はぁ・・・・・なんで俺ばっかり。」



「どんまいだな。」



グリムが笑いながら俺の肩をたたく。

痛いし。笑い事じゃない。


「はやとも大変だねぇ。やっぱりアリスさんとただならぬ関係なのかな?はやとなんか必死だし」



「だから違うって。」



じと目で見るケン。

俺嘘つくの下手だなぁ



「お、二人。ドラゴニスのお姫様の番だぜ?」



闘技場に金髪ツインと、金髪サイドポニーの二人の姿が。



名前は、チョコとリリィだっけか?



「グリムはお姫様好きだなぁ。」

俺が苦笑気味に笑うと、「ち、違うって」と照れるグリム。



どうやらお姫様が好きなのは本当らしい。



「二人とも、始まったよ。」



ケンの一言で、俺たちはお姫様たちを見る。



管理人のおばちゃんが何かを呟くと、お姫様たちの前にドラゴンが顕れた。



王族だけあって魔力は高いらしい。



アリスの時は緑っぽいドラゴンだったが、今度は黒いドラゴンだった。



「黒龍か・・・・ありゃきついな。」



グリムが呟く。



「黒龍ってやばいのか?」


俺の質問にグリムが頷く。


「あぁ。ドラゴンには段階があってな。緑、青、黄が下級ドラゴン。赤いドラゴンが中級、上級が黒と白。最上級が光るドラゴンなんだよ。」



「成る程、じゃあなんで赤のアリスが王族なんだ?」


「あぁ、それはドラゴンの色はそのドラゴンの魔力の高さを表してるんだ。だから元々王族の血筋なら赤でも王族になんだよ。」



ちなみにアリスの敵が緑だったのは、現在のアリスの魔力がまだ未発達だからそうだ。



「なるほどな。なんとなく理解できたわ。」



「うひぃっ!!」



俺とグリムが喋っているとケンが変な声を出した。



原因は黒龍と戦ってるお姫様たちだ。

二人とも見たこともないような魔法を使っているが、あまり致命傷を与えられてないらしい。



「グォォォォォォォォオ」


黒龍は一声吠えると、羽をはばたかせ炎を吐く。



なんとか防いだ二人だが虫の息だ。



「二人とも、早く降参しなさい!これは命に関わることなのよ!?」



エレナ先生の声がする。

どうやら途中で生徒に手助けしようとしても、理事長と管理人のおばちゃんに止められているみたいだった。



「いやですわ!!わたくしたちは王族。こんなやつに負けませんわ!誇りにかけて!ねぇ、リリィお姉様。」



「はい・・・・私たちはドラゴニスですから。負けられません。」



二人の言葉を聞いて俺はいらついた。



(くそが。誇りと命どっちが大事なんだよ)



「ぐっ!!」



黒龍のパンチをまともにくらったリリィが吹っ飛ぶ。


「お姉様!!」



チョコが気を逸らした瞬間、黒龍は見計らったように羽をはばたかせチョコに突進する。



「っっっ!!」



チョコはギリギリで避けたが、風圧に飛ばされ体を地面に叩きつけたみたいだ。


黒龍は勢いにのってどんどん近づいてくる。

もちろん俺たちの方に。



どうやら勢いつきすぎて止まらなくなったらしい。



「おい、ケン、グリム。なかなか危険な状況じゃないか?」



「あぁ、周りの女子が慌ててのたのた動くから逃げられないな。」



「僕、まだやり残したことが・・・・」



「グォォォォォガァァァァァア」



やり残したこと?そうだ、何かないか?俺に今出来ること、そうだ。にんげんの俺にしか出来ないことがあるじゃないか。



俺は体中の魔力を右手に集める。



そして、深く、自分を落ち着かせるために深く深呼吸をする。



(・・・・今だ!!)



俺は全魔力を右手に注ぎ、その手で黒龍を思いっきり殴った。



ドンッ!!!!



大気が揺れる。



黒龍は消えていくが、俺の体は後ろに思いっきり吹っ飛ぶ。









「セーフ、だな。」



「うん。よかった。」



とっさにケンとグリムが支えてくれたお陰ですぐに止まった。



「ありがと、二人とも。」


周りを見ると、泣きそうになってるアリスと偉そうに笑ってる理事長。



あとはポカンと口をあけて俺たちを見ているクラスメイトと、信じられないといった感じでこっちを見ているお姫様たちがいた。


もう1話だけ続けますね。

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