13.5話→二日目の夜に!
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「なぁ、俺帰っていいか?」
だるそうに呟く俺をよそにグリムとケンが盛り上がる。
現在は、夜9時。
晩ご飯を食べ、風呂に入った(昨日壊された柵は元通りになっていた)俺たちは、クラスの親睦を深めるためのレクレーションに参加していた。
というか強制参加。
昼寝していたグリムとケンは元気そうだが、頑張って魔法の練習をしていた俺は疲労困憊。
体力的に限界だった。
レクレーションの内容は一人一芸。
簡単なようで難しい。
司会は、担任のエレナ先生と理事長。
二人とも無駄にテンションが高かった。
というか俺以外みんなテンションが高く、ついていけない。
「はやと、お前ノリ悪いぞ?もっと盛り上がれよ!」
「ダメだよケン。はやとは僕らと違ってまともに勉強してたんだから。でも、もうちょっと盛り上がれば?せっかくなんだし」
二人の言葉にわざとらしくため息をつく。
「はぁ・・・・こっちは眠さとだるさがかなりやばいんだが・・・」
特に風呂に入った後ってのが問題だった。
かなり眠い。
「いいじゃねぇか、おっと・・・俺らの番か」
そう言うとグリムとケンがステージに上がっていく。
順番はクジで決めていて、俺の番はまだ後。
誰と組んでもいいらしいが、俺は自分の番の前に抜けだす気だったしどうでもいい。
ケンとグリムは、初歩的な魔法を使った芸だった。
ケンが手のひらサイズの氷を作り、グリムがそれを砕いて風の魔法で氷の欠けらをさらに細かく刻む。
それを観客、もとい俺たちの方に風で飛ばす。
まぁ、人工雪みたいな感じだな。
で、一礼してステージから降りてくる。
二人は、拍手をあびて照れながら俺の隣に戻ってきた。
「なかなか良かったな。案はケンか?」
俺の質問にグリムが頷く。
「あぁ。ここまでウケるとは思わなかったな。やったかいがあるよ。なぁ、ケン。」
「だね。人前であんな風に魔法使うの初めてだったし緊張したよ。」
ケンが照れながら笑う。
「いやぁ、よく頑張った・・・・っと次はアリスか。」
次はアリスの番らしい。
「おぉ、ドラゴンのお姫様か。」
グリムが興味深そうにアリスを見る。
ん?お姫様?アリスが?
俺は、聞き間違えじゃないことを確かめるためグリムに質問する。
「なぁ、グリム。アリスが姫ってまじ?」
「ん?あぁ、だって自己紹介の時テラって言ってたしな。あれは王族にだけ名乗ることが許された名前だ。」
そういえば、アリスは王族の部屋にいるしな。
それに、グリムが前にそれっぽいこと呟いてた気もする。
「アリスが王族ねぇ〜。」
俺が一人疑問に思っていると、「アリスさんと知り合いなんですか?」なんてケンが聞いてきた。
「ちょっとな。」
そう答えて話をはぐらかす。
俺みたいなにんげんと知り合いなんてしれたら、アリスに迷惑かかるしな。
アリスの芸は歌だった。
あれはまさにビックリしたね。
だって、見た目のロリとは対照的な綺麗な歌声で歌うんだぜ?
思わず見惚れてしまったのは俺だけじゃないはずだ。
アリスが歌を唄い終わると、グリムたちの時とは比べものにならないくらい拍手があがった。
これが実力の差か。
「さて、俺部屋に戻るわ。」
俺としては、知り合いの芸は見れたし満足だ。
「はやと、まじかよ・・・・今からドラゴニスのお姫様たちの番だぜ?見ないのか?」
「興味ない。」
グリムは呆れた顔をしていたが、ケンは苦笑しながら「おやすみ」と言ってくれた。
レクレーションが行われている部屋から出る時、ステージに上がったお姫様4人と、何人かの女子の視線を感じたがそこは無視。
俺は自分の部屋に戻ると、布団に倒れこみゆっくりと眠りを貪った。