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らぶゆっ!  作者: 璃瑠@
11/92

10話→過去!

今回の話は少し暗い感じですね〜。あんまり暗いのは好きじゃないんですけど。



俺が部屋に戻ると、アリスはベッドの上で布団に包まっていた。



どうやら、寝ているみたいだが・・・・。



四人のお姫様はまだ起きているらしく、ベッドがある部屋の隣の部屋で話し声がする。



ちなみに部屋の間取りは、廊下から扉を開けるとゆったりできる居間みたいなとこ、その奥の扉を開けるとベッドがある部屋に出る。


で、ベッドのある部屋から4つくらいの部屋に行ける。



さすが王族部屋と言ったところか。



俺が自分のベッドに腰をおろすと、声がした部屋から金髪ツインが出てきた。



「ん、あぁ異世界人〈にんげん〉さん、帰ってましたの。」



「俺には葉雇って名前があるんだが。」



「・・・・へぇ」



そう言うと、金髪ツインは別の部屋に入っていった。どうやらお茶を飲みたかっただけらしい。



カチャカチャと食器を重ねる音がする。



部屋から出てきた金髪ツインはおぼんの上にティーカップなどを乗せて歩いてきた。



「落とすなよ、金髪ツイン。」



俺がそう言うと、金髪ツインは目をカッと開いて睨んできた。



「金髪ツイン?あなた、わたくしの名前を忘れた、とか言いませんわよね?」



「ん〜?あぁツンデレチョコだっけか?」



俺の言葉に顔を赤くする金髪ツイン・・・・いや、チョコか。



普通に忘れてた、とは言えないから、少しからかうように言ってみた。



チョコは早足でお姫様たちが居る部屋に入っていくと、おぼんを置いてすぐに出てきた。



「あなた、第三王女であるわたくしを侮辱しましたわね。」



ドス、ドス、と足音をたてながら俺の方に近づいてきた。



「お?ツンデレの意味わかったのか?つか、デレてないからツンツンか。」



「な、なんですの?さっきから。わたくしに何か文句でもありますの?!」



俺の目の前に来たチョコは顔を赤くして怒っている。


「・・・・すまん。暇だったからからかってみただけだ。」



めっちゃ本気で怒っているので、正直に答える。



「ひ、暇だからって、そんなこと・・・・わ、わたくしは誇り高いチョコ・トルム・ドラゴニスですのよ?!」



「だから、ごめんって。謝り方が足りないのなら土下座でもするよ?今回は完璧俺が悪いし。」



「・・・・・わかりましたわ。わたくしは、心が広いから許してさしあげますわ。ただし、これからわたくしに関わらないでください。たらしの異世界人〈にんげん〉なんかと仲がいいとは思われたくないですから。」



「・・・・わかった。」



俺が頷くと、チョコは他のお姫様たちが居る部屋に戻って行った。



「・・・・ふぃ、やりすぎたな。ありゃ完全に嫌われた」

俺は一人愚痴ると、ベッドに転がり布団をかぶる。



(やっぱ、予想通りか。)


俺はそっとため息をつく。


(あんな、誇りなんて、偉そうにしやがって。)



苛々しているうちに、俺は眠りについた。



そして、夢を見た。

俺が一番嫌いな者の夢。





名家に産まれた俺の父は、その名前、代々引き継がれる名前という誇りを守るために、俺と妹、母さんを捨てた。



俺はあんな父親が大嫌いだった。

母さんは平気なふりしてたけど、こっそり泣いてたのを俺は知ってる。



学校の理事会という仕事をしているのも、気を紛らわせるため仕事を頑張りまくった結果だ。



たぶん、母さんは父親のことはもう踏ん切りがついてると思う。

妹は小さかったし、父親を憶えてないだろう。



でも、俺は憶えてる。忘れようとしても忘れられない。



だから、チョコの事も嫌いだ。誇りを持つことは悪いことじゃないが、それが過度の誇りだった場合、その誇りが誰かを傷つける事を知らない。



俺は傷つきたくない。だから自分から嫌われるようなことをした。チョコに近づかれないために。



でも、それで良かったのか?



そこまで考えたあたりで頭の中が真っ暗になる。

レム睡眠からノンレム睡眠に切り替わったのだろう。


俺はゆっくりと思考を停止していった。


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