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ハランバンジョー  作者: DAISAKU
18/20

17  情熱と使命

タケシはアパートに戻った。そこにアンダーソンが怒った顔で待ち構えていた。

「ボス、どこにいかれていたのですか。急にいなくなって心配しましたよ」

「すまない、いろいろあって、少し一人にさせてくれないか、

アメリカには予定通り今週中には戻るから頼む」

「わかりました。もう細かいことは聞きません。無事で本当によかったです。

明日また、来ます」

そう言ってアンダーソンは近くのアパートに帰って行った。

タケシはアパートの布団に寝っ転がり、この2か月という期間、

日本にいたこの短い時間を思い返していた。アメリカで起業して、

グラウドソーシングやアフリエイト、ホームページ作成・広告など、

企業側の希望をインターネット・パソコンを駆使し、対応して、

会社の売上げが上がり自分が気がつかないうちに優秀な人材がそろい、

あっというまに年間数億ドルを売り上げる会社に成長してしまった。

自分をもう一度、見つめ直すために日本に来て、最初はお金が少なくても、

たくさんの人と交流して、バイトをして生活できる、生きているということを実感できた。

ちょっとではあるが、行きたかった美術大学にも通うことができて最高に幸せだった。

それが、今度はマリとの出会いで世界平和を達成を目標とした、

プロジェクトに誘われた。何か、こうなることが運命だったのではないかと

考え始めていた。そして、1時間ほど考えたが、体の震えが止まらなくなるくらい、

熱い気持ちがこみあげてきた。

「こんなに、自分の気持ちが高ぶるのは初めてだ、自分の力で自分の会社や

自分だけが裕福になるのではなく、たくさんの人たちの平和や安全、

そして幸せのために微力ながらも自分が貢献できるフィールドを用意してくれた」

マリちゃんに出会えて本当に良かったと考えるようになった。人一倍、

頭の回転力が高いタケシはすぐに自分の方向性を修正することを決断した。

「世界平和、これ以上、すばらしい仕事はない、アメリカに帰ったら、

会社の責任者を集めて、すぐに会議だ」そして、布団は寝るためのものだが、

タケシはその日眠ることはできずに、朝まで、今後のビジョンに頭をめぐらせていった。

そのころ、東京のマリの別宅では、先ほど集まった三人の葉子・太一・耕三が

今後のことで話し合っていた。

「マリ、よかったのかな、タケシさんを巻き込んで」

ユウキは心配そうに話しかけた。そこで葉子も

「マリ、会って間もない人にここまで秘密を明かして、仲間に引き入れる価値はあるの、

どうみても、貧乏学生っていう感じだったけど」

太一も

「自分は二年近く、かかりましたよね。信用されるまで、なんか、えらい待遇の違いだよな」

耕三は

「今は、少しでも信用できる仲間が必要だし、現実は映画やドラマと違って、

主人公1人が世界を救うなんて絶対無理だからね、現実世界はもっと厳しく、

ドロドロした世界だし、世界を変えていくわけだから、優秀な人材は一人でも増やしたいよね」

みんなが言いたいことを言い合い少ししたとき、マリはまた、

ギロリとみんなを見つめて、

「まだ、タケシさんが何もしてないのに、変な評価をするのはやめて、

人は信じるところから全てが始まるんだから、みんなも今以上にがんばりましょう」

話は変わるけど、マツさんから受け継いだ山梨の土地に有望な人材を投入して、

医療・教育・食品・住まい・軍事・外交について、世界の最先端・見本になるものを

造りだしていくために、関連施設の建築をしていこうと考えているの。太一さん

良い人材をヘッドハンティングして動いてくれないかしら。」

「マリ、そんな簡単にいかないよ。いくらお金を出すと言っても、

なかなかすぐに我々を信用してくれるわけではないし、少しずつ動いていくよ」

マリはうなずいてはいたが、このままでは、時間ばかり浪費して、

成果がでるころには人類は滅亡してしまうんじゃないかと考えてしまった。



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