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僕は衝撃の事実に何もできませんでした

 稔は静江さんから話をしたいことがあると言われています。

 土曜日、僕は静江さんと約束をした日を迎えた。静江さんは僕に話せなかった事を聞かせてくれるみたいだ。待ち合わせの場所に行くと静江さんは先に待ってくれていたよ。なんか顔色が良くないよ?


「静江さん、お待たせいたしました。大丈夫ですか? 顔色が良くないみたいですが……」


「あ……稔さん……だ、大丈夫です。お話を……」


 静江さんは何かを言いかけて止まってしまった。静江さんの視線は僕ではなくて、僕の後ろをみてる。僕も静江さんの視線の方向をみたら、芸能人のようなイケメンさんが少し怒ったように向かってきているよ。もしかして、僕達のところに向かって来てる?


「藤堂君、君は何をしているのか分かっているのか!」


 イケメンさんは、いきなり静江さんに向かって怒りのような言葉を発したよ。何が起きてるのかが僕にはわからない。静江さんは怯えているよ。これは僕が守らなきゃいけない!


「静江さん、大丈夫です。僕が守ります!」


 静江さんから「待って……」という言葉が聞こえたけど、僕はイケメンさんに向かっていく。すると、イケメンさんは静江さんから僕を守るように体で壁をつくったよ?


「君、大丈夫だったか!」


 え?! どういうこと? なんでイケメンさんは僕を守るような感じなの? 


「その感じだと、まだ被害に遭っていないみたいだね。運が良かった」


 イケメンさんは僕に爽やかに微笑んでくれてるけど、僕は何が起こってるのかわからないよ?


「藤堂君、僕は君の担当医から経過観察中である報告を聞いているが、治ったとは聞いていない。それに今日は診察の日だったはずだ。結果はどうだったんだ?」


「あ……あの……良くはなりましたが……もう少し様子を見たほうがいいと……」


 え? 担当医? 静江さん何かの病気なの?


「じゃあ、駄目じゃないか! 同じことを繰り返すつもりか!」


「そ……そんなつもりはありません……」


 同じこと? 一体なんのことを言ってるの?


「じゃあ、何故この人と一緒にいるんだ!」


「叔母が……薦めてくれた……お……お見合いで……」


「君の叔母さんは、君の今の状況は知っているのか?」


「叔母は知りません……申し訳ありません……」


 あまりにも一方的な言い方なので、僕は怒りを感じたてきたよ。


「ちょっと待って下さい! 何をもって貴方は静江さんをそんなに責めるのですか!」


 すると、イケメンさんは僕を諭すように話してくれる。


「よく聞いてほしい。彼女は元ストーカーだ。私は被害者で弁護士を通じて条件付きで示談をした。それも彼女の更生を考えてだ。彼女は完治するまで病院に通う義務があり、それまで男性との付き合いを禁じている。でも、彼女は約束を破ったようだね」


え? 静江さんはアイドルの追っかけのような事をしていたと……元ストーカー? 由美ちゃんの追跡が分かったのも……


「わ……私から誘うようなことは……し……していません」


 確かに静江さんから電話がかかってくることはあったけど、静江さんから何処かに行こうという話は無くて僕がいつも誘っていたよ。静江さんが誘ってきたのは今日だけだよ。それに、静江さんからお付き合いを保留していたんだから、静江さんは約束を破っていないはず。


「静江さんと僕はまだ付き合っていません。彼女は約束を破っていません!」


「君が庇いたくなるのも分かるが、誘導していた可能性もある。医者が更生を認めていない以上、僕も認めるわけにはいかない」


「み……稔さん……」


「止まれ! 君は私に近づけないはずだ!」


 静江さんはイケメンさんの側にいる僕に近づこうとしたけど、イケメンさんの言葉で足を止めた。僕が向かおうとしたら、腕を掴まれた。


「私から離れては駄目だ! 彼女とは私と3m以内に近づかない契約をしているから安全だ。君の為に言っているんだ。彼女とは関わるな!」


「ごめんなさい。稔さん……本当にごめんなさい……」


 静江さんは、どこかに走り去ってしまった。僕は追いかけようとしたけど、掴まれた腕がそれを阻む。


「私と彼女の間にあったことを君も知っておいたほうがいい。そしたら考えが変わるはずだ」



 あの後、イケメンさんから話を聞いた。静江さんとイケメンさんは、静江さんがポッチャリしていた時に出会ったそうだ。その時は普通だったとの事。それから、静江さんは痩せてイケメンさんにアプローチをかけてきたみたいだ。その時からイケメンさんへのストーキングが始まり、周りの友人に嫌がらせを繰り返していたらしい。その状態がエスカレートして、イケメンさんも周りの友人も生活に支障をきたし出した。イケメンさんは昔の静江さんを知っていたので、病気だと考え病院に連れていき、本人の自覚がなかったので弁護士を雇って対応をして自覚をもたせたというのが顛末だ。


 静江さんは、僕をリハビリに使ったんだろうか? いや、僕を好きって言ったくれたんだよ。僕が信じないでどうするんだよ。僕は気を取り直して、急いで静江さんに電話をかけた。


『おかけになった電話は現在使われておりません』


 そんな……連絡する手段がない……メッセージアプリのユーザーも削除されている。そうだ! 静江さんの叔母さんに聞けばいいんだ! 母さんにすぐに電話する。


「もしもし、母さん! お見合いをした藤堂さんの事で聞きたい事があるんだけど……」


『あんた何かあったん~? 藤堂さんの叔母さんから連絡がつかなくなったから、稔のほうで何か知らないの~って言われたんよ~?』


 嘘……向こうでも同じ事が発生してる……とりあえず、僕は母さんに自分も連絡がつかなくなった旨を話して電話をきった。すると、電話が掛かってきた。着信表示をみると公衆電話からだ。もしかして静江さんからかもしれない!


「もしもし! 静江さんですか?」


『…………』


 これは絶対に静江さんだ!


「静江さん! 今、どこに居ますか?」


『稔さん……あの人が言っていたことは本当です。黙っていてごめんなさい。もう私の事は忘れてください。ありがとうございました』


 一方的に切られてしまったよ。忘れてください? そんな簡単な話なの?

 おそらく一部の方にとっては、想像されていた通りの展開だったのではないかと思います。これで最終プロットと全フラグの回収が終わりました。あとは完結に向かって走るだけとなります。


 ※連絡事項

11/5の午前の投稿は出来ませんでした。申し訳ありません……夜になんとか投稿したいと思っておりますが確約が出来ない状況です。

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