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僕はストーカーに尾行されていたようです

 稔と静江さんは約束のデートをします

今日は静江さんと約束したデートだ。映画をみて一緒に僕の家で夕食をつくるんだけど、お互いに『あーん』とかしちゃうのかなぁ……むふふ……

 待ち合わせの駅前に、ニットスカートにボリューム袖のブラウスの静江さんがいた。凄く可愛い……近づいていくけど、僕に気付いているはずなのにニコニコしたままだ。


「すみません、お待たせしましたか?」


「あ……ごめんなさい……稔さんとのデートのお相手は私でした……」


 静江さんはそう言うと、下を向いて恥ずかしがってしまった。静江さんは昔アイドルの追っかけをしていて、感覚がずれているとか言っていたよね。でも、そんな俯いた感じの静江さんも可愛いなぁ。


「今日は一緒に映画をみてから、スーパーに食材を買いに行きましょうか」


 自然な感じで手を出してエスコートっと……変に家に行きましょうとか言って、意識させても駄目だからね。でも、一緒に食材を買うなんて新婚みたいだ。


「はい。今日一日お願いします」


 静江さんも手を普通に手をつないできてくれてって! これって恋人つなぎじゃない? 指が絡んでるよ。期待しちゃっていいのかな。 


「静江さんは、どのような映画のジャンルが好きなのですか?」


「比較的なんでも観ます。意外と言われますがアクションとかも大丈夫です」


 む……難しい……こういう時のチョイスってセンスを問われるよね。最近はアニメも一般的になってきているから大丈夫だけど、無難にハリウッド系かな……でも、続きものも多いから分からないと辛いし……


「少しコメディが入ってて面白い邦画にしましょうか。友人がお薦めと言っていました」


 と言っても、ネットのお薦めなんだけど……あからさまに恋愛が絡んでいるのを選ぶより、友人の推薦ってことなら安心だからね。

 

「はい。あまり映画館で観ることがないので、とても楽しみです」



 その後、静江さんと飲み物を一緒に買ったりしてから映画を観た。スクリーンの向こう側の存在でしかなかったヒロインが現実になるというストーリーだったけど、とても面白かった。映画の間はずっと静江さんと手をつないでいたし、ラストシーンでは静江さんがギューって手を握ってくれたし、凄い幸せだったよ。


「とても、面白かったですね」


 映画館を一緒に手を繋ぎながら出ると、ちょっと人が少なそうなエリアで僕達は立ち止まった。お互い目を見つめ合っちゃってる。なんか、いい雰囲気だよ。キスしたいなぁ……静江さんが何かソワソワしてるし、静江さんもそういう気持ちなのかな? 周りをキョロキョロしたし、そうだよね!


「稔さん」


 静江さんは僕の正面に立つと体を預けてきたよ。こ……これは、もうキスをしてもいいのかな? 静江さんが顔を上げてきた。ちょっと不安そうな顔。唇が小さく開いて……よし、いっちゃうよ!


「私達、尾行されてます」


 ……はぃ? 思わず静江さんに近づけようとした唇を止める。危なかった! 勝手に盛り上がってキスをしちゃうところだった。


「へ……変なことを言ってるかもしれないですけど、たぶん尾行されてます」


 うん。とても変なことに感じるけど、たぶん静江さんは一回人間不信になったって言っていたから、そういう気配の感受性が強いかもしれない。そうだ、僕が信じなかったら、誰が静江さんを信じるんだ?


「もちろん信じますよ。相手にきちんと話して、そういう事はしないようにと僕が言います。相手がごまかせないようにしますので、気付いた事がわからないように自然に一緒について来てください」


 僕は静江さんの手を引いて、ショッピングモールを抜けていく。たしか、高速バスの連絡路は長い一本道になっていたから、曲がったところで待ち伏せをしたら逃げられないはず。僕は早足で連絡路を抜けて静江さんを背中に隠す。さあこい! 静江さんは僕が守るよ。


「あ……」


 追っかけて来たのは、キャスケットをかぶってカメラを持った女の子?


「由美ちゃん?」


「あはは。お兄ちゃん、偶然だね?」


 うん。これは偶然じゃないね。


「あはは、じゃないよ? どういうことかな?」


 なんか、由美ちゃん『そんな……一回も見破られた事がなかったパーフェクトステルスチェイサーを』……とか言ってるけど、厨二病入ってるよ? それはストーカーって言うんだよ。


「妹さんですか?」


 静江さんが後ろから顔を出してきた。うーん。説明が難しい……


「昔近所に住んでいた幼馴染みたいな感じの子です。最近再会したのですが、好意を持たれていたようで……年も離れていますし、たぶん憧れを拗らせたと思うんです」


「そんなんじゃないよ! 私ずっとお兄ちゃんを見守ってたんだから! 酷いよ!」


 ここはお兄ちゃんとして、しっかり言わないといけないね。


「だからと言って、尾行して良いって事にはならないよね? そんな由美ちゃん、お兄ちゃんは嫌いだな」


「き……嫌い? お、お兄ちゃんのバカー!」


 あ……由美ちゃん、去って行っちゃったよ。もしかして、上手く逃げられた?


「よかったのですか? あの子、泣いていたように見えましたが……」


 静江さんに気を使わせちゃったよ。何か申し訳ないなぁ。


「あとで僕の方でなんとかしますから、大丈夫ですよ。それよりも一緒に買物に行きましょう!」


 やはりデート回は1話で完結しませんでした。それよりもお砂糖成分が足りない気がしています。コメディなので、その辺りは許して頂きたくお願いいたします。


※連絡事項

数話分のあらすじ書きはできているのですが、仕事の都合があるため不定期で休みを取らせて頂くかもしれません。できるだけ頑張りたいと思っています。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] あれ!? 由美ちゃん、もしかして以前からストーカーだった!?
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