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僕は意外と周りに好意を持たれてたようです

稔は黒崎美玲さんの歓迎会に参加します。

 僕は黒崎さんの歓迎会をする居酒屋にいる。黒崎さんは凄いね。宣言通りに溜まってた会社の経理処理を終わらせたみたいだ。薫姉さんが泣いて喜んでたよ。


「星田さんはここに座ってくださいね。社長はあっちの奥にお願いします。黒崎さんの席は真ん中になります」


 僕は幹事に案内される席に座る。飲み会の時の席が指定されてるのは、なんか社長と僕が一緒に座るとバランスが悪いとか……


「この席決めって意味あるのかな? あとで自由に移動するから同じじゃないのかな?」


「何を言ってるんですか! 社長と星田さんの近くの席は争奪戦なんです。幹事の身にもなってください!」


 くすん……怒られたよ。でも今日は黒崎さんの歓迎会だよね? 普通に座席配置はバラけるんじゃないかな? って僕の周りが女の子だらけなんですけど?


「これはどういう事なのかな?」


「今日は黒崎さんの歓迎会なので、中央を男性多めに配置しました。私達は星田さんとお話をするのでWINーWINになりますから気にしないでください」


 周りの子達は「きっちりブロックする」とか言ってるけど、なんの事なんだろ? 黒崎さんとは友達だし、いつでも話せるから今日は皆と話そうかな? 皆は明日が休みだからって、すごい飲みそうだけど……



「星田さん……聞いてくださいよぅ。彼氏が浮気しているんですぅ。だから、私と付き合ってくださーい」


 うーん……これで何人目だろう? 凄い微妙な恋愛相談を受けてるんだけど……そもそも僕に恋愛相談を受ける資格はない気がするよ?


「それは、一度きちんと彼と話し合ったほうがいいよ?」


「さすが星田さんですぅ。だから、私と付き合ってください!」


 僕は完全に女性陣のおもちゃ状態だ……吉田君達が来てくれないかな……


「稔さん、社長がお呼びです。皆さん、ごめんなさい。星田さんをお借りしますね」


 ああ! 凛子さんが呼んでくれた。今、貴女が天使に見えます。周りからブーイングが聞こえるけど気にしないよ? 薫姉さんが呼んでるんだから仕方ないよね?


「薫姉さん、助かりました。今日は皆が凄い飲んでいてビックリしています」


「わかるで稔、お前の目が死んでたわ。凛子が助けろって、ずっと言ってくるんや」


「そうなんですね。ありがとうございます! 凛子さん」


「い、いえ……稔さんがお困りになっていたようなので……」


 さすが凛子さんだよ。お酒で顔が赤い感じがするのに、気配りが出来るのが凄いよ。本当に助かったよ。


「稔さん、社長とお話してるの?」


 その声は黒崎さん? あれ? 真ん中の男性陣はどうしたんだろう?


「席を離れて、ここに来て大丈夫なのかい?」


 そう思って黒崎さんが座っていた辺りを見ると死屍累々って感じで男性陣が酔い潰れている?


「お話相手が居なくなっちゃった。テヘッ」


 黒崎さん……可愛い感じで言ったかもしれないけど、正直怖いよ? 女性陣も男性陣の惨状をみて、ちょっと引き気味だし‥‥


「リンリンとも話をしたかったし、ここに座るね」


 黒崎さんは僕の横に座ってきたけど……リンリン?


「美玲さん、リンリンって私のことですか?」


「そう、林凛子だからリンリン。リンリンは可愛いのに名前のせいでキツイ感じになってるから、もったいないと感じたの」


「私は可愛いくありませんので、凛子で結構です」


「そう言わないでリンリン。ところで、リンリンは稔のこと好きでしょう?」


 ええ?! 黒崎さんがなんか爆弾落としてきたよ! 凛子さんが僕のこと好き? ほら、凛子さんが困ってるよ。薫姉さんは顔が苦笑いになってる……


「あら? 嫌いなの? 私は今の稔がとても好きよ。昔は全然考えたことないけど……前に稔は私に好きって言ってくれたし、ちょっと運命感じちゃてるかなってね」


「ちょっと美玲、昔の話だよ……」


 黒崎さんが凛子さんに僕の黒歴史を晒しちゃった……って、黒崎さんが僕を好き?


「あの……お二人は、美玲、稔って呼び合う仲なんですか?」


「そうよ、リンリン。羨ましい? 私と稔は一回すれ違っちゃったけど、仲直りしたの。そして、私が稔を追いかけてきちゃった。最初は照れくさかったんだけど、幼馴染とかお見合い相手とかライバルが多くて、開き直っちゃった感じかな?」


 ええ?! 僕はそんな事聞いてないよ? どういうことなの?


「わ……私は稔さんの事が好きです。稔さんも私のことを大好きだって言ってくれましたし……」


「リンリン、やっぱりそうなんだ……それで、稔はどういう事かしら? リンリンを口説いたの?」


 うわ、黒崎さんの目が冷たい。僕はたしかに凛子さんに大好きだって言ったけど、そういう意味じゃなかったし……


「なんか稔も頭の処理が追いついてないみたいやぞ?」


 薫姉さん! ここで助け舟だしてくれてるの? 嬉しいよ!


「つまり、こういうこっちゃな! 稔の事を好きなんは、稔がスケコマシた幼馴染と、稔が意識せず口説いた凛子と、稔が前に告白した黒崎っちなわけや」


 ぐはっ……全然フォローになっていないよ! 絶対に薫姉さんは面白がってるよ。


「それで稔? 明日はやっぱりデートするの? 例のお見合いの相手と」


 黒崎さん、最大級の爆弾を投下していませんか?

まさか飲み会の回で一話におさまらず、次に突入とは思いませんでした。そして、とうとう美玲、凛子、由美の3人の気持ちが稔にインプットされました。

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