僕はお見合いをすることになりました
稔は合コンに参加しましたが、そこには黒崎さんがいました。黒崎さんは変化した稔に気付いていませんでしたが、稔は黒崎さんに正体を明かしました。稔は昔の姿が会社の噂になるんだろうなって思ったいましたが、変化はなかったようです。
後日、吉田君からは「あの合コン盛り上がりました。また行きましょう!」って言われたけど、黒崎さんの件があったから、ちょっと難しいなって思ってる。でも、黒崎さんは何故か昔の僕の事を言いふらしてないみたい。どうしてだろう?
仕事も終わって自宅に帰ってきて、夕食を作ってると電話がかかってきた。あれ? 母さんからだ。
「最近、全然連絡せんから心配しとーよー」
「母さん。どうしたの電話かけてきて? 父さんの具合でも悪いの?」
「なーに、馬鹿なこと言ってんの? お父さんはピンピンしとーよ。それよりやってもらいたい事があるから、1日帰ってきーな」
何だろ? 重たいものでも運ぶのかな? 次の日に筋肉痛で大変だと嫌だな。それなら、来月の3連休を使えば何とかなるかなぁ……
「わかったよ。来月の3連休でいい? そしたら真ん中の日を母さんのために使うよ」
「了解、来月の3連休ねー。予定変えたら駄目だからねー」
よくわからないけど、来月の3連休は仕事が入らないように頑張らないと……。
◇
その後、仕事は順調だよ。お客様も喜んでくれてるみたいだ。最近は仕事が増えたけど、それでも手直し程度だし、凄く良い会社に入ったって思えるよ。薫姉さんはWIN-WINとかよくわからないこと言ってるけど、僕はこの会社に合っているみたいだ。
いっぱい質問されるようになったから、勉強会開いたりして対応してるけど大丈夫だよね。薫姉さんからも特には言われてないし……でも、勉強会の女の子比率が高いのは何でだろう?
そういえば、薫姉さんが朝食を食べにきた時に母さんから電話があったことを話したら、その前にホームパーティーの件をなんとかしろと言われたよ。何が問題なのかわからないけど、言い出したことだし開催しようかな?
◇
「「「乾杯ー!」」」
僕はささやかながら、ホームパーティーを開催してみた。部屋は無駄に広いからなんとかなったかな? おつまみ程度の食事は僕が作れるし、皆にも手伝ってもらったから助かったよ。
気になるなることに皆の荷物がなんか多い? 不思議に思って聞いてみたら、泊まり込みで飲むつもりみたいだ。女の子達の比率も高いんだけど大丈夫なのかな?
そういえば、薫姉さんの名字は米田って漢字ってことがわかったよ。僕は舞田だと思っていたから見つからなかった。最上階ワンフロアの家だった。凄いね……さすが社長だなって思ったよ。
そんなこんなで時間が経ってみると、皆は酔い潰れているけど大丈夫なのかな? 薫姉さんも地を出すまでは酔ってないけどケラケラ笑ってる。なんとなく幸せを感じつつ僕が家の片付けをしてたら、凛子さんが手伝ってくれる。
「凛子さん、すみません。手伝ってもらっちゃって……」
「何言ってるんですか? 水臭いですよ? 家主に全部任せている皆が悪いんです。星田さんは文句を言っても言いぐらいです!」
「いや、そんなことないですよ。みんな楽しそうなので、パーティーを開催して良かったです」
凛子さんと二人で片付けをしてると、僕は何かの弾みで財布を落として中身をぶちまけてしまう。凛子さんが一緒に拾おうとしてくれて、手にしようとしたのは僕の免許証だ。や……ヤバイ! サッと凛子さんから免許証を奪い取る。危ない……バレてないよね。
「お酒入ってるのにテキパキされてるんですね。あっ……」
凛子さんがよろけたので、凛子さんの背中を腕で受け止めたら、抱きかかえる感じになっちゃった。わぁ……凛子さんて思ったより華奢なんだなぁ。そう思っていたら、凛子さんがそっと僕の胸に触れてくる。メガネ越しで上目遣いだ……よく分からないけど、エロい気がする……
「お? 稔さんや? セクハラかや?」
突然、背中越しに薫姉さんのツッコミが入ってきた。僕はビクッてしてしまったけど、凛子さんの体勢を戻してから薫姉さんに言い返す。
「いくら凛子さんが魅力的だからといっても、セクハラはしませんよ。薫姉さんは僕を何だと思っているんですか!」
薫姉さんは相変わらず変なツッコミをするよ。なんか、凛子さんは「意気地なし」とか「へたれ」とか、よく分からないことを言っていたけど、思ったより酔っているのかな?
◇
仕事も段取りをつける事ができたから3連休は実家に帰ることができた。久しぶりの実家だ。そういえば転職したこと母さんに言ってなかったや。
家に着きそうな所で、女の子がこっち見てることに気付く。その女の子は僕のところに駆け寄っていきなり抱きついてきた。え? なに?
「稔お兄ちゃん久しぶり! 覚えてる? 由美だよ! お兄ちゃんが高校生だった時に遊んでくれた高品由美!」
え? 由美ちゃん? 確か僕が高校のときに近所の小学生の子が不登校になりかけてて、勉強教えていたっけ? うわー、大きくなったなぁ……
「もちろん由美ちゃんのことは覚えてるよ。大きくなったね。それに可愛いくなったよ」
「お兄ちゃんはカッコよくなったね! どうしたの? 戻ってきたの?」
カッコよくなったって……あれ? 最後に会ったのは僕が大学卒業ぐらいだったから、そんなに太っていない頃のはずなんだけどな……まあ、いっか……
「お世辞でも嬉しいよ。僕は久しぶりの帰省だよ。由美ちゃんは、地元の学校帰り?」
「ぶー、お世辞じゃないのに! それに今の私は都会の大学3年生なんだよ! 今日はたまたま帰ってきたの。そしたら、お兄ちゃんに出会えた感じ。久しぶりだから沢山お話しようよ!」
「そうか。僕も由美ちゃんと沢山話したいけど、先に母さんと話さないといけない事があるんだ。時間をとって、ゆっくり話をしようっか。明日は用事があるから、明後日の午前でもいいかい?」
由美ちゃんはなんか名残惜しそうだったけど、僕は話を切り上げて家にはいると、母さんが出迎えてくれた。
「稔、よく帰って……って、なんか格好よーなったなー。良かったわー。明日は、あんたのお見合いだから、どうしようかと思ってたのよー」
母さん、相変わらずゆるい口調……って? 明日はお見合い?
新キャラクターの登場で、やっと女の子が増えてきた感じです。恋愛バラエティの恋愛成分には必要ですよね? 次回も新キャラクターの登場になります。




