1.おっさん→美少女の場合―7
結局、タモンは男の服を借りて布のシャツに長ズボンとだいぶラフな格好になったが、シャツに浮き出る二つの膨らみのシルエットがどうにもしっくりこなかった。
(こ、これは素直に、ブラジャーを付けた方が良かったのか?)
だがいくら体は女の子になったといっても、心は四十代のおっさんのままである。
どうしても女性用の下着を着けるのには抵抗がある、が、ノーブラのまま行動するのも娘のルナに悪いかもしれない。
(どうすればいいのだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)
心の中で絶叫をするタモンだったが、そうこうしている間に、顔中に包帯を巻いた男もちゃんと服を着た姿で戻ってきた。
「オレの名はウォリ。自分で言うのもなんだが、天才魔術士として名が通っている、まあ巷じゃあちょっと知られた存在だ」
ウォリと名乗ったその男は、鼻の下を擦ってへへっと気恥ずかしそうに笑った。
(いや、この状況で自画自賛出来る精神力っ!?)
バカか? バカなのかコイツは??? とタモンはウォリの姿を凝視した。
「そ、そんなジロジロ見るなって。照れちまうだろ」
バカだ。バカ確定だコイツは。
と、頭の中でバカの太鼓判をしっかりと押すタモン。
「まあ、いきなりの子作りでビックリしたかもしれないけどな。どうせオレとお前は主従関係なんだ。これから長い付き合いになるんだし、よろしく頼むぜ」
「頼むなバカ。ちゃんと事情を説明してくれないか。いきなりこんな状況になって、こっちは訳が分からないんだ」
「っと、そういや、お前もさっき、おっさんがどうのこうの言ってたよな。まだ名前も聞いてなかったし、そっちの転生前の事情も聞かせてくれないか」
ようやくマトモに話せる空気になったところで、タモンとウォリはそれぞれの現状について話し始めた。
すると、そこから分かったのは――