6.父の名は。―4
「何でこんなところにいるんだ、このクソオヤジッ!!」
そう叫んだのは――タモンでもルナでもない。
ウォリが指差した先に居たのは、立派な栗毛の馬の上に乗った、アルザード王だった。
「…………え?」
「…………へ?」
お互いに言おうとしていたセリフをウォリに取られて、タモンとルナは口をパクパクさえる。
タモン達の前に現れた冒険者一行。
それはルナとゴリケルと、その後ろに続く馬に乗ったアルザード王という、妙な組み合わせの三人である。
「フン……まさか追放したはずの息子に、こんなところで出会うとはな」
「それはこっちのセリフだぜッ!! どうして異世界ダンジョンにアンタがいるんだ!! まさかオレの命を狙って、ここまで追ってきたのか!?」
いつもの軽薄な態度は何処へいったのやら、ヒートアップするウォリに置いていかれ唖然とするタモン。
「ちょ、ちょ、ちょっとだけいいか?」
二人の間に入ったタモンは、バタバタと大きく手を動かして会話を無理矢理中断させた。
「な、なんだよ師匠。こっちはクソオヤジとの再会で今にもキレそうなんだ」
「分かった、分かった。今の状況がお前にとって重大なイベントだということは、何となく雰囲気で十分に察知している。だけどな――」
そう言って、タモンは相手パーティーの先頭にいる、ゴツイ体格のおっさんを指差した。
「あそこに居るのが、恐らく俺と体の入れ替わった娘なんだ!!」
「…………え? え? あの、熊みたいな親父のことか?」
ウォリの反応を見て、タモンは沈痛な面持ちで頷いた。




