1.おっさん→美少女の場合―3
「どれ、呪文が効いたかどうか……試してみるか」
男はもう一度タモンの体に手を伸ばすと、その足の裏をこしょこしょとくすぐり倒す。
「お、おほっ、おほほほほほっ!?」
何故か笑い声が上品なおばさんのようになり、困惑するタモン。
強引に元の笑い方に戻そうとしたが、その途端にズキンと胸に痛みがはしった。
「ぐ、うぐぅぅぅぅぅ!?」
「なんか思った感じと違う笑い方だが……“奴隷術”の効果はあったようだな」
奴隷? いったい、誰が、誰の奴隷なのだ?
タモンはまだ現実を受け入れることが出来ない。
というか考えれば考えるほど、現状が夢の中の出来事としか思えなくなってきた。
「さて。遊びは終わりだ。そろそろ“本番”を始めようか」
男はそう言うと、自身のマントへと手をかけ、一気にそれを取り払う。
露わになったのは――均整の取れた色白の裸体と、それにそぐわないピンクのビキニのパンツだった。
「ダサッ!! 顔イケメンなのにパンツダサッ!!」
「し、仕方ないだろう!! これが“奴隷術”を執り行う際の正装なのだ!! そう……あの奴隷術商人は言っていた」
「絶対騙されてるだろそれ!?」
「そんなはずはない!! 現にこうして今、オレの目の前にはこんなに可愛らしい奴隷が現れたではないか」
そう言って、怪しげな手つきでタモンの太ももの内側を撫でる男。
再びタモンの全身にビリビリとした刺激がはしったが、妙な笑い声を出さないため、タモンは必死に唇を固く結んだ。
「刺激に耐える姿も初々しくて良いぞ。では、“奴隷術”の儀式を完遂しようか。オレとお前で……子作りをすることで、この儀式は達成されるのだ」