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4.潜入! 異世界ダンジョン!―10

 ウォリに抱えられたタモンは、複雑な思いでぎゅっとその体にしがみついていた。


「お、なに? 随分甘えてくるじゃん、師匠。ひょっとして、オレに惚れちゃったんじゃないの?」


「バカ…………って言ったのを、取り消そうと思ってただけだ」


「え? 何それ」


「お前が水を取りに行く前、結構なことを言っていただろう、俺。気が動転していたのもあるが……結局、こうやって助けられているのだからな。訂正してやらないと……俺の方が気持ち悪い」


 受けた恩義は返さねばならないという、タモンの男らしい考え故の言葉だったのだが、ウォリの目には別の形で映ったようだ。


「も、もしかして師匠……デレた?」


「だから!! せっかく褒めてやろうとしているのに!! ヘンなことを言って茶化すな!!」


「茶化してるつもりもないんだけどなー。オレだって本気だしぃ」


 結局、タモンのことを怒らせてしまったが、その方が良いのだとウォリは思うようになっていた。


 何故なら、人工呼吸を断った時の、あのタモンの目。

 あれはまさしく――娘のことを何よりも大切に思う、父親の目だったからである。


(オレのことなんて、お呼びじゃないんだろうな)


 せっかく奴隷として召喚したのに相思相愛になれないなんてと、ウォリは肩を落とした。

 すると今度は逆に、タモンの目からはウォリが自分の言葉で落ち込んだように見えたようだ。


「ま、まあ正直に言えばだな。お前がいなくなった時、心細かったというのはあった」


「…………へ?」

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