表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/53

2.おっさん→美少女の場合 その2―5

 こんな深い森の中で、果たして客などいるのかとタモンは心配していたのだが。


「薬草三本で、銀貨九枚でーす。毎度アリー!」


 意外や意外、歩いていると一時間に一回くらいの割合で、武装をした冒険者やパーティーと遭遇をする。


「あ、ありがとうございましたー」


「行商人さん、ええ看板娘を見つけたなー。こりゃ、飛ぶように商品が売れるわけだ」


 礼を言って頭を下げたタモンを、ジロジロと撫で回すような視線で見る戦士の親父。

 大事な娘の体なのだ、客じゃなかったらブン殴ってると、内心タモンは腸が煮えくり返る思いだった。


「いやー、でも本当に師匠が来てくれて助かったわ! 売り上げがいつもの倍くらいあるもん!」


「というか……よくこんな森の中を、大勢の人間が歩いているな。そんな有名な場所なのか?」


「有名っていうか……ここは通称、“扉の森”。不定期に湧く“異世界ダンジョン”目当てで、多くの冒険者がうろつくってわけだ」


「“異世界ダンジョン”?」


 何のことだが分からず、タモンは首を傾げた。

 そのナチュラルな仕草に、思わずウォリはガッツポーズをしてしまう。


「……何か妙なことを考えたか?」


「え!? そ、そんなわけないじゃん!!

……ででで、異世界ダンジョンのことだったよな。異世界ダンジョンは、その名前の通り異世界に続くダンジョンなんだ。でもそれは本当に別の世界が存在してるわけじゃなくて、あまりに強大な魔力を持った“魔遺物アーティファクト”が作り出した、仮初めの世界なんだよ」


「なんだか、難しくてよく分からんな」


「ははっ! 師匠、人のことをバカだバカだって言う割りには自分の方が脳筋だな!」


 当然、ウォリは右ストレートを顔面に食らった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ