表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/53

2.おっさん→美少女の場合 その2―4

 昼食を終えたウォリは、小屋の隣にある、納屋の中をガソゴソと漁り始めていた。


「……で、今度はなんだ? そこに怪しいグッズでもあるのか?」


「ちょ、酷いなー、師匠。オレのこと、マジで性にしか興味が無いお猿さんだと思ってない?」


 思ってる、とタモンは心の中で大きく頷く。


「街から追放されて、オレは街の人と関わることも禁じられてるからさー。こうやって商売でもしないと、経済的に生きていけないわけ」


「商売? そんなこともしていたのか?」


「ああ、行商人だよ。この辺りを歩いてくる旅人とか冒険者に、アイテムを売って金を稼いでる」


 納屋から取り出した謎の葉っぱや液体入りのビンを、ウォリは丁寧に荷車に乗せていく。


「なんだこれ。本当にこんなもの売れるのか?」


「そっちは薬草、銀貨三枚で売ってる。魔力を回復するエーテルは、ちょっと高価で金貨三枚なんだ」


「……なんか、小さい頃にやったゲームの世界そのままだな。ここは」


 ちょっとした感動を覚えつつも、タモンは見ているだけなのも悪いので、ウォリの作業を手伝うことにした。


「え!? 一緒にやってくれるのか!? 師匠!!」


「ま、まあ……これからはお前に宿も貸してもらうことになるんだし。これくらいのことは、当然させてもらうさ」


「や、優しい……! 普段はバイオレンスなのに急に優しい! そんなツンデレされると、マジで師匠に惚れそうになるぜ!」


「惚・れ・る・な。というか、バイオレンスなのはお前の態度が原因だから」


 そんな軽口を叩きつつ、二人はアイテムを詰め込んだ荷車を押して、小屋を囲む森の中へと、客を探しに出発したのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ