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2.おっさん→美少女の場合 その2―2

 食後、ごちそうさまと礼を言ったウォリは、自発的に食器洗いを始めた。


「お、意外とマメなところもあるんだな」


「んー、本当はやりたくないんだけど師匠に任せてもいい?」


「殺すぞ?」


 やっぱりそう言うじゃん、と頬を膨らませて機嫌を悪くするウォリ。


「まあ一人暮らし自体始めたばっかだしな。こういうのも意外と嫌いじゃないんだぜ」


「ん……ということは、親御さんの元から離れたばっかりなのか。こういうのも何だが、心配してないのか? お前、相当なバカだぞ」


「言われなくても分かってるって。だからオレ、家から追放されたんだもん」


 突如明かされた事実に、タモンはブッと飲みかけの水を吹き出しそうになる。


「つ、追放って……お前、何をしてたんだ?」


「勇者だよ」


「いや、そういう職業的なことじゃなくて…………勇者っ!?」


 今度こそ、ブハッと水を吹き出してしまうタモン。

 びしゃびしゃになったテーブルを、慌てて布巾で綺麗に拭う。


「勇者ってなんだ!?」


「いや、勇者は勇者だって。魔王と戦うヤツだよ。んで、オレより剣の腕が立つヤツなんていなかったし、魔法もオレが一番上手に使えたし、好き放題やってたら家から追い出された」


「お前の性格じゃ追い出したくなるのも分からんでもないが……そんなに酷いことをしたのか」


「まあな。軽く家を半分くらいブッ飛ばしてやった。……それくらい、親父はやってはならないことをやったんだ」


 触れてはならないことだったのだろうか。

 冷たい口調で言ったウォリの背中には、親子間の確執を感じさせる、怒りの感情が満ちていた。


「オレがいない間に……親父はオレの秘蔵のエロ本を全部捨てやがったんだ」


「いや、バカかっ!?」

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