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1.おっさん→美少女の場合―9

「死んだ……ルナも死んだのか……? どうして……」


「ま、まあそんな落ち込むなって。せっかく転生出来たんだ、こっちの世界でのんびり暮らしてけばいいじゃん! それに、そうじゃないとオレが困るっていうか……」


 ポリポリと頬を掻きながら、顔を赤らめて話すウォリ。

 まさか、中身がおっさんと分かってもまだ諦めていなかったのか? とタモンは若干引いていた。


「“真実の愛を見つけ出す”っていうのが、奴隷術の儀式を完遂するための条件なんだ」


「ま、まだそんなことを言うのか。お前だって、中身がおっさんの娘と恋愛なんてしたくないだろう」


「そんなことないって! っていうか、しないと困るんだ! もしもこの奴隷術の儀式が失敗した場合、犠牲になるのはオレの方なんだからな!」


 犠牲? と物騒な単語にタモンは眉を顰めた。

 ウォリは力強く頷くと、自身の下半身を両手で指差す。


「ああ。もしもオレが十八歳になるまでに儀式が完遂されなかった場合……オレのチ○コは爆発しちまうんだッ!!」


 突拍子もないウォリの発言に、タモンの目が点になった。

 そして――腹を抱えて、ベッドの上に転がり爆笑をする。


「わははははは! な、なんだその副作用は! おもしろすぎるだろっ!」


「いや、奴隷のタモンさんはオレが命を分け与えてるから生きてるんだぜ? オレのチ○コが爆発したらタモンさんも巻き込まれて死ぬぞ」


 一気に真面目な顔になったタモンはベッドの上に正座した。


「なんだそれ。マジか」


「マジもマジ。大マジだよ。ほら、さっきの魔法陣あっただろ」


 ウォリがパチンと指を鳴らすと、タモンのシャツの下から幾何学的な模様の光が浮かび上がった。

 そして、それとまったく同じ模様が、ウォリの服の下からも透けて見える。


「オレ、遊びじゃなくて本気で奴隷召喚したんだからな。だからタモンさんにも……本気で考えて欲しいんだ」

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